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125 ザルフェ戦 2


凄まじいばかりの光と衝撃に、思わず目をつむったわたしですが、気付いたら抱きしめられていたジャーノさんから、もう大丈夫よとの声で目を開けます。


すると、しいなさんの盾が淡い光を発しながら、わたし、ジャーノさん、エリザベータ、ひぎつねさん、リナリーの周りをグルグルと回転していました。

これが《サンナイト》の持つ最硬さいこうのスキルの一つ、【シールドフォートレス】だそうです。

これはPT全体の防御力を、《サンナイト》の防御力に変換して守るスキルなんだそうです。


「しいなさんがんばったっ!」


「はいはい頑張った頑張った」


ジャーノさんが【グループヒール】を掛けながら、しいなさんに答えます。

わたし達は、しいなさんのお陰でほとんどダメージはありませんでしたが皆は?

わたしがそう思っていると、ナイトテールさんのチャットが部屋に響きます。


”ナイトテール:被害報告っ!”


ナイトテールさんのその連合チャットで、続々とザルフェの攻撃によるダメージの報告が上がってきます。


その被害は……

死亡 54 瀕死ひんし状態 78、後はわたし達のように軽微なダメージでした。


”ナイトテール:メインタンクPT以外は、一旦壁際まで下がり【リザレクション】で死亡者を復帰ののち再バフを掛けろ”


メインタンクPT、つまりナイトハルトさんのPTはどうやらあの攻撃を凌いだらしいですね。

今もザルフェの攻撃を受け止めています。


「ふう~なんとかしのげたね。 エリの警告なかったらやばかったんじゃない?」


リナリーがわたしの側まで来てそう言います。

そうですね。 どうもエリザベータがナイトテールさんに事前に警告していたようですし、よく気付いたものです。

そうこうしている内に全体の立て直しが凄いスピードで行なわれていきます。

ジャーノさんも協力して他のPTの死亡者に【リザレクション】を掛けに行きました。

このゲームでは、死亡した場合掛かっていたバフが消えるので、今はPT毎にバフの掛けなおしが行われています。


「それにしても…… 特殊レイドであんな攻撃してくるなんてね。 ちょっと甘く見ていたかしら」


エリザベータが眉根を寄せて独りごちます。


”ナイトテール:兄様、お待たせしました! 各員攻撃に入れ!”


体勢が整ったので再度攻撃を再開します。


「さっきのお返しよっ!」 「さっきはちょっと驚いたね~」


リナリーとひぎつねさんが、先ほどのお返しとばかりに攻撃を繰り出します。


改めてザルフェを見てみると、今までは右手のみだった攻撃が両手にそれぞれ持った鎖をナイトハルトさんに叩き付けています。

ナイトハルトさんを中心にサブタンクさんが両脇に並び、左右の攻撃を受ける際の補助をしていました。

これは最高難度のレイドではよく見られる光景で、ナイツはよく研究しつくされているそうです。

しばらくは先ほどのような安定した攻撃が続きますが、ナイトテールさんは油断はしないようです。


”ナイトテール:各員ザルフェの状態に注意しておけ。 行動の変化が見えたら攻撃中止して防御を厚くせよ”


行動の変化、2度目のストンプが来ましたが、これもなんとか回避出来ました。


「そろそろ怪しいわね。 しいなさん【シールドフォートレス】のディレイは?」


「終わったよー! いつでもいける」


エリザベータが攻撃をしつつ、ザルフェの様子を伺いながらしいなさんに尋ねます。

エリザベータ的には、そろそろだと思っているようですね。

ナイトテールさんもそう感じたのか、チャットで注意を飛ばしてきます。

それから間を置かない内にとうとうザルフェの動きに大きな変化が訪れます。


「GUAAAAAAAAAAA!!」


ザルフェは天井に向かって高く咆哮を上げると、その持っていた鎖が赤く輝き、先ほどとは比べ物にならない速度でナイトハルトさんに向かって鋭く伸びます。


「ぐっ!?」


その速度でも反応し盾で防いだナイトハルトさんですが、その攻撃で後ろに吹き飛ばされてしまいました。

しかし空中で上手く体勢を整え、床に着地しましたが慣性は殺せず、そのまま足で床を削りながら後ろへ。

ナイトハルトさんはその慣性を殺すために、持っている大きな盾を床に突き刺しなんとか止まりました。

そのナイトハルトさんに向かってザルフェは左手の鎖を振り上げ……


「おっと、させねぇぞ!」


その声の方を向けばスキルの効果か、紅蓮が5mほどの身長のザルフェをも超える高さまで飛んでいました。

紅蓮はその二つ名の元となった爆炎剣を振りかざし、高らかに叫びます。


「いくぞっ、必殺っ! オレはミリオが大好きだ斬mk2!!!!」



……ふぁっ!?





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