121 紅蓮の帰還
今日の投稿は終わりです。
お昼ご飯の後、ゲームにINしました。
飛びついてきたトウカ達をモフりつつ、さて何をしましょうか。
「……こん、ミリオ」
「こんにちはナイン」
午後からの予定を考えていると、ナインが訪ねてきました。
ナインは部屋に入ると、早速とばかりにトウカ達をモフり出します。
トウカ達もナインが好きなので、されるがままです。
しばらく魅惑のモフモフタイムを過ごしつつ、ナインの《毒薬》スキルの上がり具合を聞きます。
「……順調。 師匠の教え分かりやすい」
詩絵さんの教え方が凄くいいと、ナインは何度も頷きながら言います。
ふむふむ。 詩絵さんのスキル《毒薬》は、《薬学》スキルの派生スキルなんだそうです。
これは、敵にダメージを与える物と、毒を以て毒を制すと言う言葉があるように毒で味方の状態異常を治す物もあるのだとか。
例えばマヒの状態になった時、HPが減っていく【猛毒薬】を使ってマヒを治す。 というような使い方をするらしいです。
もちろん、効果が相殺するような組み合わせにする必要があるそうですが。
毒薬の方の効果が出てしまうと、薬の効果でなくなってしまうという事ですかね。
「……何時か師匠を超えられるように頑張る」
ナインはやる気のようですね。 わたしも応援しましょう。
その後も色々な事を話せたような気がします。
トウカ達がその内庭で遊び始め、それを見ている内に晩御飯の時間になりました。
ゲームから出て、VRギアと各種計器を頭と体から外し、ちょっと凝っていた身体をほぐしていると、COMに乙女から連絡が入りました。
”20時には帰れる見込み”
だそうです。 ふむ、諸々あって21時か22時にはINしてきますかね?
まあまずは、ご飯の支度をしましょうか。
わたしは、ベッドから降り、部屋を出るのでした。
諸々を済ませ、20時。 ゲームにINしましょう。
あ、今日の晩御飯のメニューは、鶏もものみぞれ煮に、豆腐の鶏つくね、きんぴらごぼう、でした。
もちろん美味しかったですよ。
ナインと部屋で合流して、トウカ達としばらく遊んでいると21時すぎに紅蓮がINしてきました。
”紅蓮:帰って来たぞー!”
”ミリオ:お帰りなさい”
クランメンバーにそれぞれ挨拶を受けた紅蓮がわたしの部屋にやって来ました。
「久しぶり! 寂しくなかったか?」
紅蓮はそうニヤニヤしながらわたしに問いかけます。
何を言っているんだか。
わたしは何も言わずにスパルナを紅蓮に手渡します。
「クワッ」
「お、おう」
フフフ。 突然手渡されて戸惑ってますね。
その後、スパルナを意味も無くモフりだした紅蓮と一緒にモフりタイムに突入します。
「しかし、トウカ達は成体っていってもそんなに大きくなってないよな。 神獣ってそんなもんなのかな?」
「どうなんでしょうね? ハインドさんの子は大きいですけど」
神獣の種類にもよるんでしょうか? ハインドさんの子以外の神獣を知りませんから分かりませんね。
「……知り合いの神獣大きい」
む、ナインの知り合いですか。 話を聞くと、ナインが乗れるくらいの大きさらしいです。
「神獣によるって事か」
紅蓮がイヅナをモフりながらそう言います。
わたしとしては大きさにこだわりがないのでいいんですけど、こういうのでえり好みする人とかいそうですねえ。
実際、神獣スレを見てみたら丁度その事をやっていて、当たりだのハズレだのとやり合っていました。
殆どの人はそういうのは良くないと言っていましたが、一部はハズレ引いて神獣を解放しているんだとか。
……まあゲームですし、その事について他人に文句を言うつもりはないんですが、わたしは好きになれないですね。
ちょっとモヤモヤしたものを感じていると、何時の間にかわたしの横に座った紅蓮が頭を撫でてきました。
「……紅蓮?」
「フフッ、ミリオはやさしいよな」
えーと、あーと…… むう、照れますね。 かといって振り払うのも、ねえ?
そうやって時間は過ぎ、落ちる時間になってしまいました。
キマシって難しい……




