100 隠された真実?
活動報告にも書いていますが、6月の17、18、19日に検査入院します。
その間、投稿が遅れる、もしくは止まるかもしれません。
「いやー、ありがとう! 感謝感謝! さて、お礼に幾つか質問に答えてあげようじゃないか?」
ようやく復活したドザルタさんは、わたしにそう言いました。
では、早速疑問に思ってる事を聞いてみましょう。
「あの本に出て来た神獣ですが、神獣って生贄を求めるような存在なんですか?」
これです。 トウカ達を見ていると、とてもそうは思えないんです。
紅蓮やナインにとてもなついているし、優しい子達なのに。
「ククッ、最初に聞く事がそれかい? 君は全く、まさに巫女なのだね」
彼女は本当に面白そうに笑うと、表情を改めます。
「あの当時の神獣、それも守護獣と呼ばれた者達は、人間を恨んでいる者も多かったと言われているね。 それも仕方ない事だけどね。 自らが敬愛する女神ラーファーの作った大地を人間は汚していたのだから。 いわんや、かつての征服王ザルフェの末裔の願いともあればね」
「末裔? 征服王?」
どういう事です? あのザルフェが塔を作るために各国を征服した話はありましたが、末裔?
あ、違います! 塔はあった。 最初から。 なら……
「そう、あの本に書かれているザルフェは征服王の何代か後の子孫だ。 反乱を起こされ小国にまで落ちたザザン王国の、ね。 のちに初代と混同されてしまったようだね? 混ぜてしまったのかな? 混ぜるように仕向けられたのかな?」
のちに書かれた歴史書が、真実のみを書いてるとは限らない訳ですか。
後、他に聞く事は……
「はい、時間切れー!」
ええっ!? もうですか?
「別にイジワルじゃないよ? この汚された塔では、私の封印された記憶を引き出すのは難しいんだ。 どうしたって質問に答えられなくなる」
そうして一度口を閉じると、再び口を開きます。
「後は、また本を読み進めるといい。 そこには真実がある。 ただし、彼女の、アルマダの知りえた真実のみがね。 ……しかし、君は本当に、私達女神の末より女神らしいよ」
そう言った後、ドザルタさんは消えて行き、わたしもこの部屋から追い出される感じを受けます。
やがて、わたしも転移する時のような浮遊感を感じます。
「ミリオ! 無事だったか!?」
次に気付いた時は紅蓮の腕の中でした。
辺りを見渡すと、最初にいたレイド部屋だった事が分かります。
「紅蓮、大げさですよ」
あちこちベタベタ触る紅蓮を押しのけながら苦笑します。
「……しんゆう、心配した」
次はナインですか。 トウカ達も身体を必死にこすりつけてきました。
「心配してくれてありがとうございます」
「まあ大丈夫そうだな。 んで、何があった?」
ようやく安心したのか、紅蓮は何があったのか聞いてきます。
そうですね、何から話しますか。
「ふむ、征服王ザルフェ、ねぇ。 つまり、今ある領地システムを開発したザルフェと、神獣を殺したと言われるザルフェは別人だと?」
「多分そうじゃないかと」
あの本にも小国とありましたしね。
「でもそうなると、色々おかしな事があるな。 まずこの塔だ。 なぜ塔は崩壊した? あの石板には呪いを掛けたのはザルフェって……」
そう言いかけた紅蓮を止めます。
「待ってください。 書いてません。 あ、違います。 あれには消えていて読めませんでしたが、ザルフェが呪いを掛けたかのかはまだ分からないんです」
「そういや、名前の所は欠けてて読めなかったんだっけ」
「……ザルフェの神性が汚されたというのも謎」
ナインが石板にあった内容を思い出しながらそう言います。
確かに、神性というのは何なのでしょう。 これも本を読み進めれば分かるのでしょうか。
「……なあ、割り込んで悪いが、それ俺が聞いててもいい話か?」
背後から掛けられたその声に振り向くと、そこには所在なさげに立ち尽くすシグノさんがいました。
「ああ! 悪いおっちゃん! 巻き込んで悪かったな」
「いや、嬢ちゃんが無事ならいいんだ。 じゃあ、俺は帰るぜ」
帰還するシグノさんにお別れをして、わたし達もお城に帰る事にしました。
ふと、クエスト進行を見ると、新しい内容が出ていました。
”本を読み進め、”聖者の森”にいる聖者ハレスからソルエッセンスを受け取れ”
「聖者の森って言うと、”破壊者達の巣窟”の先にあるマップだな」
聖者の森は60~66台の敵がでるマップで、ここなら紅蓮も普通に戦えると喜んでいます。
「気付けばミリオとのレベル差も15か。 いやー成長したな!」
そういってわたしの頭を撫でてきます。 むう、子供扱いですか。 軽くすねを蹴飛ばしておきます。
うん、メンテ延長があったから気付けばもういい時間ですね。
今日はこれで落ちましょう。 おやすみなさい。




