97 真実はどこ?
ニアミス!
さて、塔に登った最高階は17階ですが、今日は16階で狩りをします。
どうも紅蓮によると、16階と19階には聖属性の敵が出るのだとか。
「今まではそんなもんかと思ってたけど、よく考えたら悪魔なのに聖属性って変だよな」
ふむ、とりあえず見て見ない事には分からないので、まずは昇っていきましょう。
螺旋階段を昇ってると、10階あたりでなにやら言い合い? しているような声が聞こえてきます。
激しい口調の男女の声が漏れ聞こえてくるんですが、どうしたんでしょうか?
「はーん、レイドの取り合い…… か?」
「……私達には関係ない」
どうも、レイドの所有権がどうのという言い合いをしているようですね。
なんか男性が一方的に姫? に譲れとか言ってますね。
「よし、急ぐぞミリオ!」
「……早くレベルを上げる」
なぜかそこまで聞いていたら、紅蓮とナインがわたしを急かし出しました。
ちょちょちょ、階段で背中を押さないでくださいよ!?
まあ確かに、所有権とかわたし達にどうする事も出来ませんので先に進みますけど。
16階に登場する敵は。
ディバイン デーモン アークソルジャー Lv53
ディバイン デーモン アークアーチャー Lv53
ディバイン デーモン アークソーサラー Lv54
ディバイン デーモン ハイアサシン Lv54
ディバイン デーモン ガーディアン Lv55
ディバイン デーモン プラチナム Lv56
となっています。
「うん、あれだ。 今みるとすげー怪しいなこいつら」
この階の敵は、全部獣頭、つまり獣の頭を持っています。
プラチナムに至っては背中に翼が生えてますね。
一旦戦闘は止め、この階を探索する事にしました。
「……あった」
ナインが、崩れ落ち半ば埋もれた部屋で石板らしき物を見つけました。
これも上部分が埋まっていて取りだす事は難しそうですが下半分は読む事が出来ます。
”……によって掛けられた呪いは…………に対して絶大な効果をもた…………の神獣の子の身体に変化をもたらした。 ある者は悪魔と称されるモノに、ある者は…………に。 これによりザルフェの神性は汚され、塔は崩れ落ちるだろう。 ああ! ……に災いあれっ! 神獣よどうか心…………”
という言葉が書かれていました。 所々は欠けていて読めませんが、結構重要な事が書かれてませんか?
「うーん。 これってここの敵がかつて神獣だったってことか?」
「……子って書いてるから神獣自身とは違う?」
紅蓮とナインが推測を話し合ってます。
うーん、どうなんですかね。
子供と言われ、トウカ達を思わず見てしまいます。
「なんかトウカ達をここの敵と戦わせる気が無くなったんですが……」
わたしのつぶやきに紅蓮は。
「まあ気持ちは分かる。 トウカ達は気にしてなさそうだけどな」
そう言って苦笑します。
うん、考えたらトウカ達はここに来ると何時もより元気というか頑張り過ぎな感じを受けました。
もしかして。
「仲間を解放してる?」
「そういう事、なのか?」
わたし達の問いかけにトウカ達は首を傾げます。
うーん、よく分かってないようです。
「うん。 解放だと思って倒してみますか」
「そうだな」 「……がんばる」
そういえば、デーモンって倒されるとすぐに消えて行ってしまうんですよね。
他の敵は一旦倒れるような演出を経て消えるんですけど。
デーモンはHPが0になるとすぐさま消えてしまいます。
前は気にしてませんでしたが、今考えると意味のある演出でしょうか?
やがて、といっても落ちるギリギリでしたが、ようやく55になり急いで落ちました。
続きは明日ですね。 おやすみなさい。
因みに、レイド主催は《ハーヴェスタ》ではありません。




