96 クラン内会議
ちょっと短いかな?
5月に入るとすぐに、ヴァニティのクラン会議が行われました。
「んじゃ、先ずはナイツとの同盟は維持と言う事でいいわね?」
当然司会はエリザベータで、最初の決まりは同盟を維持するかどうかを決めるのが何時もの事なのだとか。
ここから細々とした事を決めていきます。
「空中城の維持費についてだけど、これは今のままで問題ないわ。 ただ、ミリオとナインが3次職になったら徴収する事になるけど、いいかしら?」
これはクランに加入する事になったときに聞いていた事ですね。
「わたしは問題ありません」
「……私も」
空中城には、というかお城、砦は維持費という物が掛かります。
二週間に一回、クラン倉庫に入れられているお金から差し引かれます。
普通のクランですと、レベル帯によって収める金額を変えている場合が多いそうです。
それがうちのクランだと、三次職になってから一週間に1Mをクラン倉庫に入れるという決まりになっています。
これはかなり緩い規則でしょうね。 今のわたしのレベルでも1日狩りすれば2Mは余裕で稼げますので。
一度、施設などを使わせてもらってるのでいくらか入れようと申し出たのですが、決まりだからと断られました。
因みにまっするは、自分の意思で三次に上がらないのでしっかり支払っているそうです。
まあそんな訳で、わたしもナインもこっそり素材なんかをクラン倉庫に入れてるんですけどね。
その後は細々とした決まり事の修正なんかを話し合い、解散になりました。
この会議で分かった事ですが、ヴァニティ全員がPv好きな訳じゃないのに驚きました。
まっするなんかがそうですね。
戦争に出ない代わりに、装備や設備の補修は一任されているのだとか。
さて、今日は何しましょうか。
狩りに行くには時間が微妙なんですよね……
ここはやはり。
『モフリンピック第二回はじまり~!』
始まりましたモフリンピック!
皆、それぞれの魅力を発揮してくれます。
クリシュナは何時ものクールさはなりを潜めてわたしにすり寄ってきます。
くっ可愛いですね!
スパルナは、マイペースにゴロンとひっくり返ってます。 お腹撫でろって事ですかね?
思うがままナデリコしていると、イヅナがわたしの肩に乗ってきました。
わたしの頬に頬を寄せてきますね。
うむ、可愛い。
しかし、しかし、優勝は…… トウカです!
なんですか、二本の尻尾でわたしの頬を挟むとか天国かと思いましたよ!
他の皆もトウカの尻尾挟みにメロメロですね!
これは第三回の開催も近いですね。
「……これはイイものだ」
ナインも何時の間にか参加していました。
名残惜しいですが今日は落ちましょう。
また明日。
今日はレベル上げの為に塔に行く訳ですが、その前に図書館で塔について軽く調べていきます。
しかし。
「うーん。 これといって新しい資料はないですね」
「ないなぁ」
神話以外にも歴史、建築史なども漁ったのですが、知ってる知識ばかりでした。
「……これは消された疑い?」
ナインがぼそりと呟きます。
「まあ、ありえそうな話ではあるな」
うーむ、あれから神獣スレやこれまでの本なんかを見てて思ったのは、神獣とザザン教になにか関わりがあるようなんですよね。
ザルフェとザザン教、それに神獣。 その神獣が死ぬ原因となった塔。
ザザン教の呪いに似た、神獣に掛けられた呪い。
その呪いがこの塔の建造に関わっている。
むむ、とはいえ資料がないのではどうしようもないですね。
狩りがてら探索してみるのもいいかもしれません。
「オレも注意しておくよ」
最近、わたし達の狩りは危なっかしい所がなく本当に暇だと紅蓮は笑います。
まあ後、ドザルタさんに貰った本が55で読めるようになるので、もしかしたらそこに載っているかもしれませんしね。
「あー、それもあったな」
紅蓮は、今思い出したとばかりに手を打ちます。
それでは塔に向かいましょう。




