9 生産してみよう
生産施設は畜産・農業区の区画にあります。 というか、冒険者ギルドや神殿、生産施設などのPCがよく使う重要施設は噴水広場の近くにあって利便性がとても良いように設置してあるらしいですね。
生産施設は木造の二階建ての、冒険者ギルドより大きな建物です。 二階建てですが横に大きく、二階部分はそれよりも小さい段々状になっているといった感じでしょうか。
この建物の入口はこれまた大きく、扉がありません。
入口の両側には鎧を着た兵士風の人が2人立っており、警備をしているみたいですね。
悪い事をしている訳ではないんですが、なんとなく足早に通り抜けてしまいました。
入った先は大きなスペースで、固められた土? が床になっていました。
周りに目をやると沢山のドアが左右に並んでおり、正面に受付がありました。
『あそこで受付して部屋を借りるんだよ~』
というシャナの誘導に従い受付へ。
すると目の前にウィンドゥがポップアップして ”生産チュートリアルを開始しますか? YES NO” と出たのでYESです。
「薬学でしたら左手の3番の部屋をお使いください」 と受付の人に言われたので移動です。
中は4畳半ほどの部屋で、三面にテーブルが並べられ色々な道具、乳鉢であるとかフラスコらしき物とかが置いてあります。
視界の端にとどまっているウィンドゥの指示に従い、正面のテーブルへ向かいます。
イスがあるのでそこに座った所で生産の、薬学関連の説明が始まります。
ポンっと突然空中に現れた薬草を乳鉢に入れ、すりつぶすようですね。
乳鉢は磁製で、同じように乳棒も磁製。 高さ5cm直径は10cmくらいかな。
薬草を乳棒ですりすりし、こういうのを圧搾粉砕と言うんでしたっけ? 適度な粗さまですりつぶし、これは薬草の種類によって変わるらしいですが、次は小さな鍋にそのすりつぶした薬草を投入。
一度沸騰させた水を注ぎ入れ、鍋をにこぼさないように気を付けて煮込みます。
暫くすると、チンっという音とともに鍋の上にガラス瓶に入ったポーションが現れます。
……このガラス瓶はどこからきたのでしょうか? ゲームだからこれでいいんですかね。
出来たポーションを見て見ると最下級ポーション とあります。
HPの回復量は1秒ごとに2で5秒間だけ回復みたいですね。
つまり一回で10回復って多いんでしょうか?
『まあ最初に出来るポーションだからね~』
うーんまあそうなのかな。
ちなみに最初から貰える初心者用ポーションは1秒間に2回復の8秒でした。これは自分にしか使えないポーションで5つあります。
まあとにかく同じ工程を5回繰り返して薬学のチュートリアルは終わりました。
手に入ったポーションは5つ。 最下級ポーションは失敗なく作れるけどこれ以上の、下級以上ですね、は失敗する確率があるんだとか。
作ったポーションをアイテム欄に仕舞った後、シャナにスキルを見るように言われ薬学を見て見ると、スキルの隣にあった数字が1から2になってました。
『それがスキルレベルだよ。 これが上がっていくたびに新しい事が出来るようになっていくよ』
へー、スキルにもレベルってあるんですね。
『うむ~ テイムもあの時やってればレベル上がったんだけどね~』
ううっ、それは言わないでくださいよ。
『まあそのおかげでミリオと一緒にいられるようになったんだけどね~』
シャナはそういってわたしの周りをクルクルと回りますが、顔が赤いですよ? まあわたしの顔も赤くなってると思いますけど。
ってそうだ!
「テイムですよ。 かわいい子をテイムしないと」
『お~行きますか! なら東の門から行ける草原フィールドかな。 西はレベルが足りないから出られないし。』
シャナがわたしの肩に戻ってそう言う。
早速行動と、かたづけを済ませた後部屋を出る。
門まで行くと結構な人がいて、出ていく人と街に入っていく人で賑わっていました。
出ていく人はPCが多いように感じられますね。
「結構人多いですね」
『つい最近大規模アップデートがあったからね~』
なるほどとうなずきつつ私も門を潜り抜け外へ。
ちなみにレベルが足りないと門番に止められ出れないらしいです。 ここの通過レベルは1~らしいですね。
門から出た先は、東に伸びる街道とその両脇に草原が広がっていました。
さらにその先には森が見えています。
『この草原に出る敵はグラスラットだけだから、とりあえずここでレベル上げかな?』
テイム成功率はスキルレベルの他に、キャラクター自身のレベルも関係するようなのでノンアクのネズミでレベル上げを推奨されました。
『森まで行くとオオカミがいるけど、これはまだ早いかな』
オオカミですか。 かわいいといいな。
レベル上げがんばりますよ!




