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夏の音。-ナツノネー  作者: 平凪 空
13/13

また初めから 《3》

【キーンコーンカーンコーン】


「…っと、もうこんな時間か。では授業はここまで!号令〜」

「きりーつ、気をつけ〜礼。」


時計の針が天井を指し空腹を感じ始めた頃、四限目の終わりを告げるチャイムが流れる。

生徒の話し声が聞こえてくるとほぼ同時に、真紀・百菜・凪咲の三人も美琴の元へ集まる。


「っっっくぁーーーーーーー!まじもうちょっと授業長かったら寝るとこだった!」


『疲れたぁ〜!』と言いながら真紀は背伸びをする。


「真紀は大学行ったら、泣き見るタイプ。」

「大学のほうが講義時間長いもんね〜w」


ふふっと口元に手を当てながら言う凪咲に百菜があははッと笑いながら共感する。

そんな二人に真紀が『そんなことないし!』と言い返す。

美琴もつられるように笑う。


「つか、どこで食べる?」

「中庭は?花きれいだしっ♪」


百菜の提案に真紀が顔を青ざめさせながら『げっ!』と声を上げる。


「やだよ〜。あそこ周りリア充ばっかじゃん。」


今度は百菜が『えぇーっ』とむくれ面になる。

美琴はチラッと凪咲を見てみる。

親が子どもを見守る様な優しい笑みを浮かべながら二人を見守っていたが、視線に気づき笑い返してくれる。


「教室は?」


ソロリと挙手しながら美琴が提案する。

『うぅーん…』と三人が考える。


「実は、あたしら美琴に聞きたいことあってさ。あんまり人が多いのもどうかな〜って思ってたから。」


人差し指で顔を掻きながら真紀が言う。

美琴が少し驚いていると凪咲が『体育用具倉庫の上。』と呟く。

真紀と百菜が表情を明るくし『ナイスアイディア!』と凪咲に抱きつく。


「体育用具倉庫の上?」


美琴が呆けた表情で聞き返す。


「美琴、まだこの学校の中よく分かってないっしょ?案内しがてら行こうよ!」


手を握られながら笑顔で言う真紀に美琴も『うん』と笑い返す。


「ここが図書室」

「ここが食堂ね♪」

「ここ購買。」

「食堂も購買もあるんや。」


四人で足並み揃え校内を移動中、美琴は『そう言えば、聞きたいことって何やろう?』とぼんやり考えていた。


『はっ!もしかしてカツアゲ!?そうやなくてもなんか人気のないところ選んだっぽいし、もしかして【一緒に飯食ったらもう仲間っしょ】とか言ってなんか良くない仲間に入れられるんじゃ…!?』


加速する妄想に表情は勝手に青褪めていく。

そんな美琴の様子を隣で見ていた凪咲がクスクスと肩を震わせながら『百面相』と呟く。

二人のやり取りに気付き少し前を歩いていた真紀と百菜も振り返る。


「凪咲何笑ってんの〜?」


ニヤッとしながら真紀が尋ねる。

クスクスと肩を震わせながら凪咲は『美琴の百面相が面白くて。』と答える。


「へぇ〜。美琴って妄想癖があるのか〜」


プププと口元に手を当て真紀が茶化す。

すると今度は顔を赤らめながら『違うよ!』と焦る美琴の様子を見て百菜も『確かに百面相だね。』と凪咲に共感する。


廊下の片隅で起こる他愛のないやり取りに、美琴はこれからの学校生活が揺るぎないものになる予感を密かに感じていた。

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