9話
夜ご飯を食べていた俺は赤ちゃんのことを考えていた。
(何故面倒がみれなくなったのか?もしこれが酷い人にあの子が渡った場合、虐待されていたかもしれないのに……)
そんなことを考えていると赤ちゃんが何かを訴えてきていた。
「うぅ~うぅ~~!」
「モグモグ…ん?はいは~い♪」
「うぅ~~!」
おや?もしかしてご飯が欲しいのかな?
そう思った俺は指を赤ちゃんの唇にあててみる。
「うぅ~……チュパッ、チュパッ」
やっぱり…赤ちゃんはお腹が空いてるときに指を唇にあてると、吸う仕草をする。
「待っててな。今作ってあげるから」
「うぅ~~~!」
俺はすぐにご飯を作って飲ませてあげた。
「ングッ…ングッ…ゴクゴク…」
「あまり飲んでなかったのかな?…にしてもよく飲むな~」
俺は哺乳瓶を大きめのサイズを買っていたため作る量は多くしてある。
そして 飲み終えた赤ちゃんにゲップを出させてから寝かしつけた。
赤ちゃんは息苦しくならないように必ずゲップを出させてあげないといけない。
この子は首がすわってないから抱っこするときとかは首に気をつけないと突然死してしまう危険がある。
何故こういう情報を俺が知っているかというと、姉に子供がいてよく教えてもらっていたからだ。
そういえば 俺の家族構成の話をしていなかったな。俺の家族は 母、姉二人、俺だ。
父親は俺が小さい頃に母と離婚して今はいない。
今は 母は祖母と暮らしており、上の姉は結婚していて子供がいる。下の姉は彼氏と同棲している。
俺は二十歳になってすぐ独り暮らしを始めた。
…とまぁ こんなとこかな。
家族構成の話をしているのはいいが、ふと忘れていたことがあった…。
「風呂に入れてない……」
ここまで読んでいただきありがとうございます。