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戦士の宴  作者: 高橋 連
二章 前編 「黒き魔獣」
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ユィン

【ユィン】


 ユィンの中で、凄まじい感情の爆発が起こった。

「うおおおおおおおおー!」

 怒り、悲しみ、憎しみ、後悔……。全ての感情が爆発して入り交じり、それは大粒の涙と絶叫となって溢れだした。

 ユィンの中で、朝廷に対し、崇山寺に対し、人間に対し、怒りの感情が湧き起こった。全てを破壊する衝動がユィンを支配しようとした。

(だめだ! 怒りの感情に流されては、コンジュエ様に示していただいた道から外れる!!)

 ユィンの中のほんの僅かな理性が、コンジュエへの愛が、全てを破壊し殺戮する十数年前の黒き魔物と化すのを押し止めた。

 ユィンはコンジュエの亡骸を丁寧に修練場に寝かせると、心の中で別れを告げた。

(コンジュエ様、私は旅にでます……。いつか、いつか必ず戻ってきます。それまで……暫しのお別れです……)

 ユィンは全身に闘気と魔力を循環させて爆発させると、法僧が張った結界を破り崇山寺を飛び出した。

周囲の僧達は、コンジュエを倒した魔物を恐れて追ってはこなかった。

(とりあえず北へ向かおう……。義兄に合いに行こう……)

 ユィンは黒き闘気を纏い、真っ赤な血の様な夕日が沈む大地を北へと向かった。

 ユィンの長き旅の始まりであった……。


明日は2章前篇最終話及び後編の第一話です!


よろしく哀愁!




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