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戦士の宴  作者: 高橋 連
一章 後編 「シャンピニオン山の戦い 其之壱」
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刀鍛冶

【刀鍛冶】


 〈刀鍛冶〉は周囲に漂い浮かんでいる輪っかより現れては襲い来る、無数の風の槍をかわし続けていた。

(リーン……リーン……)

(分かっているよ。このままではいつかあの風の槍に捉えられてしまう。しかし、もう殺気の刃を具現化する程の闘気は残ってないよ)

(リーン……)

(君の力を? 一体どうやって……?)

(リーン!)

 〈鈴音〉の音が一際高く響いたかと思った時、〈刀鍛冶〉の体の中の闘気が燃焼し増大した。

(驚いた……。これで最後だ!)

 〈刀鍛冶〉はそう言うと、最後の闘気を振り絞って、殺気の刃を三本具現化した。それらを自分の周囲に配置すると、殺気の刃を足場にして縦横無尽に空間を駆けた。

 殺気の刃を自在に操り、それを足場に空間を駆け回る〈刀鍛冶〉は、まるで壁に跳ね返って部屋の中を飛びまわる蹴り玉の様であった。

 蹴り玉の様に跳ねながら、〈刀鍛冶〉は周囲に漂う輪っかを次々に叩き潰していった。しかも、無数に飛び交う風の槍をすべて避けながらであった。

 〈刀鍛冶〉は己の動きに驚いていた。

 気力も体力も使い果たした筈だったのに、〈鈴音〉がどうやったかは分からなかったが、自分の中の闘気が爆発して一気に膨らみ、体中に漲った。

その後は、五感全てが研ぎ澄まされ、周囲の風の流れる音や、物質が生じる僅かな振動音さえも感じる事ができた。

周囲を取り囲んで浮遊する輪っかを、無数の風の槍を避けながら叩き潰すなど、今の〈刀鍛冶〉にとっては造作もない事だった。

 殺気を具現化した刃も、まさに己の手足の如く思うままに動き斬り閃いた。そしてついに、全ての輪っかを叩き潰すと、疾風の槍は消滅した。

 最後の輪っかを潰し、疾風の槍が消滅するのを見届けた〈刀鍛冶〉は、三本の殺気の刃を重ねて一本の強靱な輝く刃とし、それに飛び乗ると一気に〈片目〉に迫った。

 空中で〈刀鍛冶〉は殺気の刃から飛び降りると、そのまま左手にその輝く殺気の刃を握った。そして、右手の〈鈴音〉と合わせて二刀を構えると、頭上より〈片目〉に斬り掛かった。

 〈片目〉の右眼の邪眼より血が流れ、その邪悪な瞳が深紅に染まっていた。その瞳から、目には見えぬがはっきりと感じられる凶々しい何かが、〈刀鍛冶〉に向かって放たれた。

 〈刀鍛冶〉はそれを左手の輝く殺気の刃で受け防いだ。

〈片目〉の右目から放たれた強力な力を受けた衝撃で、殺気を具現化した刃は大気を斬り裂く様な音と共に弾け折れて消滅した。しかし、それと同じくして、凶々しい強力な力も消滅していた。

 〈刀鍛冶〉は悟った。〈片目〉の最後の武器が消滅したのだ。だが、〈刀鍛冶〉にはまだ右手に〈鈴音〉が握られていた。

 〈刀鍛冶〉は〈鈴音〉を両手で握り直すと、〈片目〉の頭上より落下する勢いのまま、己の全てを注いだ渾身の一撃を〈片目〉に叩き込んだ。

 とっさに〈片目〉が〈刀鍛冶〉の刀を防ごうと上げた左腕を易々と切断し、そのまま一気に斬り下げて、鎖骨を断ち、心の臓まで斬り裂いた。

〈片目〉は切断された左腕と、大きく斬り開かれた傷口より、大量の血飛沫を撒き散らしながら、前のめりに大きな音を響かせて倒れ伏した。

 大地に流れ出た血は大きな血溜まりをつくった。それは、深紅の様な赤色と深い海の底の様な青色が混ざりあった血溜まりであった。


ついに片目の秘められた力が目を覚ましました!


この力は、2章から登場するイディオタに並ぶ主人公の一人と、

少し関係のある力です。


いよいよ片目と刀鍛冶の戦いも大詰めです!


これからも是非読んでやって下さい!!



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