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戦士の宴  作者: 高橋 連
序章 前篇 「建国の英雄王」
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アルベール

【アルベール】


 アルベールは小男の話を聞き終わると、怒りや呆れよりも、妄想に取り付かれた男の病んだ心に哀れみを感じた。

 しかし、小男は己の話を真実と思いこみ、尋常ならざる殺気を放ちながら立ち上がると、その身なりには不相応な輝きを放つ剣を構えた。

(あの男、一体何処からあの剣を……)

 そして、小男は素早く後方に飛び退がりながら呪文の詠唱を始めた。

(おいおい、本気かよ)

 アルベールは哀れみながらも、狂人の戯言で命を奪われてはたまったものではないと思った。

 腰の大剣の留め金を外し、両の手でしっかりと握ると、鷹揚に構えながら小男に向かい素早く駆けだした。

(この距離なら詠唱は間に合うまい。哀れだが仕方ないか)

 アルベールは駆けながら無造作に構えた大剣を左腰のあたりに深く沈める様に構えなおした。しかし、アルベールが小男を大剣の間合いに捉える前に、小男の左手に膨大な魔力が集まり、それが無数の槍の形をした雷となってアルベールに向かって放たれた。

「うおっ!」

(これほどの魔術の詠唱をこの早さで終えるとは、かなりの使い手だな)

 アルベールは驚きの声を上げたが、その表情は声ほど驚いていなかった。

 その身に迫る雷を避けるでもなく、アルベールはそのまま小男に向かって駆けた。そして、小男が放った無数の雷の槍がアルベールの体を貫いた。


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