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第6章『役割』part2

【最終日:盗賊桜 暗殺者小陽 勇者楓 魔法使い優子 騎士葵 踊り子朝顔 メイド様椿】


「やあ、どうも」


俺達の前にいる人間は凰教の神官であり表向きは光教の大司教だった。

邪教徒とは思えない可憐な容姿。

細見の体に優しい笑顔。

、、、であるからこそその手に持つ逆十字を象った大剣が目立つ。


「美少年がボスとか、、、最悪でげす」

「私情挟むな、馬鹿」


朝顔に注意されるが言いたくもなる。

ボスといえば普通名状しがたい形状の化け物であるべきなのに朝日奈逆ハー要員並の容姿の美少年とかなんなんだよ、たく・・・


「ここまで来るのは大変だったでしょう?」

「そうね、、、何人の邪教徒が立ち塞がって来たか」

「私が最後の砦ですからね。後一応邪教徒と呼ばれてますけど、、、鳳教という立派な名前があるのでそちらを使っていただけると・・・」


捕まっていた子供たちの首には皆魔法の首輪が掛けられていた。

主人の意思でいつでも首輪の装着者の命を奪えるシロモノが・・・

そしてその主人が彼らしい。

ね?とまるで悪戯を黙っててとお願いする子供のように笑う彼がそんな残酷なことをするとは思いたくない。

が、実際にそんなことをしているわけで


「邪教徒で十分『大火砲』」


優子の先制攻撃と共に早速戦闘が始まる。

幼き頃から神童と呼ばれてきたらしい彼、フロル・スチャート君が爆炎を切り裂き迫ってくる。

流石にラスボス扱い、、、ステータスがおかしい。


「・・・流石ここまで来るだけはある」


朝顔の剛傑の踊りにより補助効果を得た伊月が一撃目を受ける。

そしてその背に隠れていた俺がちょいちょいとせこせこ『痺賊の剣』で麻痺効果を与えようと動く。

ボスには高いデバフ耐性があるようで残念ながらそれはファンブル。

だが一撃目は凌げた。

その隙に高火力組が一斉攻撃。


「『神雷空間』!」

「『劫火連弾』!」

「『去聖突き』!」

「『全弾斉射』!」


全てが成功。

しかしフロルは倒れない・・・今までの敵とは比べ物にならないくらい固い

二撃、三撃と加えても変化が起きない。

それどころか・・・


「ぐっ・・・すまん。」


防御特化の伊月がやられそうだ・・・

それなりに朝顔の踊りによるバフ補正が効いてるはずなのに一撃受けただけで半分以上持ってかれた。

回復役がいないのがここで響く・・・イベント進行の為仕方なかったのかもしれないが犠牲はあまりにも大きい。


「ほい、回復薬」

「・・・回復追いつかないだろ」


買っておいた回復薬で伊月に回復を促すが・・・総合的にダメージの方が大きい。

いずれは破れるだろう。

とはいえ伊月以外でフロルの一撃を受けれるのは朝日奈さんぐらいだし、彼女はダメージディーラー。

堪えてくれよ・・・


「あなたたちはこの国を蝕もうと蠢く闇に気付いてないのですか?」

「どういうことかな?ゆうしゃっ!」


フロルが逆十字大剣を容赦なく大盾に叩きつけながら話しかけて来る。

無視すりゃいいのにこういう時でも真面目な朝日奈さんが反応するものだから、フロルが胡散臭げな話をし始める。


「鳳教は確かに光教と敵対していますが国を憂う気持ちは皆さんと変わりません」

「だからって子供たちにあんな仕打ちをするなんて許せないよ!ゆうしゃっ!」

「子供たちは寧ろ貧民街でいた時より待遇は良かったはずです。下手すれば私たちが買ったお蔭で命が長引いた子供たちがいたはずです。もし私たちが買わなければその日のうちにのたれ死んでしまう子供がいくらいたことか・・・」


たしかにそうかもしれない。

鳳教はろくでもないかもしれないが、子供たちに貧民街にいたころよりも良い待遇を与えていたのだろう。

本当なら明日も生きられない暮らしをしてきた子供たちの命を買うことで寿命を延ばしたのかもしれない。

だが、、、結局そうするのは


「鳳教の僧兵育成のためとなると話は別でげすけどね」

「・・・おや、知っていたようで」

「『物理的交渉』する相手は幾らでも私たちの前にはいましたから」


幼き頃から鳳教を教え込まされそれを正義と教育し・・・洗脳され作られる兵士。

逆らえば、逃げ出せば、拒めば、、、殉教せよと教えられ育てられた信徒という名の鳳教に都合よく作られた人形たち。


「あなたもそうやって作られたんでしょう?」

「作られた?いえ、育てていただいたの間違いです」


優子の問いかけに彼は笑顔で返す。

そう、、、フロルは誘拐された子供たちがどうなるかを最も的確に表したモデルだ。

鳳教の教えこそ正義で、人間の大罪ですらも教えに則れば善。

可憐な容姿に危うい思想、幼き頃から訓練されたことによる細身の体に見合わぬ戦闘力。


「あなた方も入信されれば分かるはずです。国を憂う我らの心が」


しかも国を牛耳りたいらしい・・・この危ない宗教団体は。

国教の光教ですら一定の政治干渉は自重してるのに・・・


「鳳教、、、天使教並にキチガイですね。」

「天使教?天理教じゃなくて?」

「椿・・・天理教だ。」

「そうでしたっけ?」


異世界の宗教名をぽろっと口に出すな!

天理教の皆さんに余計なご迷惑をおかけしただろうが!

てか、小陽ちゃんよく天理教なんて覚えてたな。

ふつう天理教なんて言葉使わねえぜ?


「今なら皆さんは司教待遇にして差し上げます!」

「「「「「「「お断りだ!」」」」」」」


キチガイ宗教団体鳳教からのお誘いを丁寧にお断りしながらも戦闘は続く。


「この国に迫る外敵からの侵略・・・それを解決するため我々は立ち上がったのです!どうしてそれが分からないのか!」

「その為に犯罪繰り返していいと思ってんの!?」

「魔法使いさん、教理に反さねば問題はないのです!」

「さっさとくたばれ!」


言葉の合間にいくつもの攻撃が応酬され、その度に傷が増えていく。

傷が増え、深くなり、次の動きに影響する。


「どうやら騎士さんが真っ先に崩れそうですね」


バフが徐々に薄れているのか、フロルの攻撃力が上がっているのか伊月の盾が壊れだしてるらしい。

被ダメージがいよいよ回復薬でカバーしきれない。


「おい、、、もうもたないぞ!」

「どうしますか!?」

「うっさい!」


相変わらず動きは止められない、、、せめて動き止められりゃあいいのに。

一応強敵からのドロップ品なんだが、、、これでもファンブルになるとは・・・

このまま高火力組だけで攻撃を重ねても駄目そうだ・・・ん?


「さあっ・・・・」


フロルがぴたりと止まる。

『痺賊の剣』が麻痺を起こしていた。

表情すら固める程の強い麻痺・・・唸るような音が彼の口から洩れる。

攻撃に対処する必要がなくなったが故、皆の動きが止まる。

そのためか彼の出す音の意味がよく分かった。


「ば・・かな・・・僕には・・・状態異常無効・・・あ・・・のに・・・」

「取っといてよかったね、ゆうしゃっ!」

「こんな使い方も有りだとは思わなかったけど・・・」


勇者の能力『失敗を一度だけ成功に変える』運命流転の力。

ここで使うのも勿体ないかと思うが・・・今なら総攻撃を加えられる

雷、炎、銃弾、斬撃、麻痺、猛毒、斬撃、、、そしてそれらの威力を底上げする踊りが戦場を満たす。

それを一度、二度、三度。

とどめを刺すのは当然主人公。

勇者の奥義が発せられる。


「『雷刹皇轟斬』!」


雷撃を凝縮した剣が一閃する。





「君たちは分かってない・・・この国が置かれてる現状を」

「はい、詳しい話はギルドで聞きますから」


手錠の掛けられたフロル殿を引きずりながらギルドへ向かう。

鳳教の信者たちにとって唯一無二の存在なのだろう。

彼が拘束されているという事実だけで、鳳教徒たちは無抵抗になった。


「僧兵たちが増えれば、、、その分我等が国は頑強な備えになる!例え君たちから見て方法に問題があったとしても戦力は必要なはずだ!」

「子供を洗脳することは間違ってるよ。ゆうしゃっ!」

「・・・君たちは綺麗ごとが過ぎる。」


主人としての資格が放棄された故か、子供たちはあっさり解放された。


とはいえ、、、彼・彼女らは下手すれば親が分からない浮浪児までいる貧民層の子供たち

親のいない子供たちはどうなるか・・・それが気がかり

いずれ俺達がしたことで救ったはずの子供たちがのたれ死ぬ結果になるとも限らない。


「さて、、、君たちには選んでもらおう」


円卓でいつも通り座る俺達。

神の声が降り注ぐ。

俺達はこれからどうするべきかを決めろと・・・それで君たちの今後のシナリオが決まると。


1、子供たちの面倒を見る

2、鳳教を救い、彼らに子供たちを任せる

3、傍観する

4、国に子供たちの面倒を見ろと要求する。

5、その他


出来るかも分からぬ綺麗ごとか

手段は間違えても弱きを救うか

自分に関しないことと見てみぬふりをするか

誰かに任せてしまうか


「どれを選んでも君たちを責める人はいない。よく話し合って結論を出してね。」


神の声が響く・・・どれが正しいかもわからない。

『正解が無い』そんな問題を問いかけられたのはなんだかんだで初めてだ。

先生たちは大学に行けば正解が無い問題ばかりを取り組むことばかりになると言っていたが要はこういうことだろう。


どれも正しいしどれもそれなりに間違いがある・・・そして結局どの解決法も理論的に何故正しいかを説明出来ない。

そんな事にいつかぶつかるんだと・・・それを伝えたかったんだろう。


「私は、、、1の『子供たちの面倒を見る』かな。」


朝日奈楓は選択する。

自分が犠牲となり周囲を守る選択肢を。

理想を謳い、現実性を少々度外視する選択を選ぶ。

出来なくても、、、諦めないことが出来る。


「私は、、、2の『鳳教を救い、子供たちを任せる』を選ぶのも仕方ないと思う」

「私も伊月さんと同じ考えです」


伊月葵と如峰月朝顔は選択する。

周囲を守るために手段は選ばないことを選ぶ。

命を救うためなら手段はある程度間違えてもいいのではないかと考える。

現実性を重視し、善の為の必要悪もあると選択する。

一度は否定したけれども、、、生活の為に悪を選ぶ人間もいると受け入れることが出来る。


「私は、、、3の『傍観する』を選ぶ。今までの調査じゃ誰がよくて誰が間違ってるか分からない。どれを選ぶべきか簡単に選べない。もっと考える為に今は傍観したい。」

「光教も新聞君みたいな人ばかりならいいですけど、、、今までの調査ではどうかわかりませんでしたしね」


白凪優子と山梨小陽は選択する。

決断を今は急く時ではないと選択する。

大事なことだからこそまだ決める時期ではないと選択する。

切迫する時間の中でも選択を迫られてるときこそよく考えよと思考出来る。


「4の『国に子供たちの面倒を見ろと要求する。』・・・でしょうか。鳳教にも光教にも問題はあると思います。国が揺れてさえいなければ宗教はそこまで大きく発展しません。宗教は悪魔で心のよりどころなんですから。宗教がどうにかしなければと思うような現状を作った責任を取らせるべきかと」


如峰月椿は選択する。

責を負うべき者に責を負わせるべきであると選択する。

周囲の責は周囲で分担して背負うべきと選択する。

誰が背負う誰が背負わないと考えること自体がおかしいと選択する。

一見傍観と同じようで同じでないことを選択する。

綺麗ごとかもしれないが一番重い選択肢を選びにくいことを自分の意思として表現出来る。


「・・・君は?」

「俺は、、、」


自分を犠牲?

誰かを犠牲?

周囲を犠牲?

分担した犠牲?

どうやっても結局犠牲は生まれる。


「・・・神様は?」

「私ぃ?・・・そうだなぁ、3だね。」

「理由は?」

「調査が足りないね。正直講評になるけど皆は戦闘に偏り過ぎてるし、、、もっと調査職を上手く使えば重要なキーをもう少し手に入れられたはずだよ」


大人になればなるほど、、、不安であればあるほど、、、選ぶ選択肢に確信が欲しくなる。

一番この中では大人である古畑さんは当然のように3を選ぶ。

・・・正直俺も3を選びたい。


選ぶことは怖い

責任を追うのが怖い

選んだ結果責任を追うのが怖い


でも、、、これはただのゲームだ

だからこのなかでなら・・・・NPCじゃない選択肢選んでもいいだろ?






朝顔が俺の数歩先を歩いている。

彼女の後ろを俺と椿がとぼとぼついていく。

しばらく見ないうちに少し髪が伸びたのか?、、、肩につくかつかないぐらいの髪がちろちろ左右に揺れる。


冬の寒気がすっと流れる。

耳が痛くなるような寒さに、闇夜がすぐにやって来る季節。

当然一人で帰すわけにもいかず、あわよくば家に帰れればと思いつつ彼女の後ろをついていく。

彼女はそんな俺達の目論見を知ってか知らずか・・・彼女は俺達に何も言わない。

否定の言葉も、、、肯定の言葉もかけてこない。


「あんな終わり方もあるんですね・・・」

「まあ、TRPGなんて結局はGMとの勝負だからな」


くそ、、、私の負けだ・・・そのシナリオは用意してない。

古畑さんは俺が選んだ選択肢に対して、、、皆がそれでいいと首肯した選択肢に対して悔しそうにそう述べて俺達に頭を下げてきた。

TRPGの終わり方は普通のゲームの終わり方が『クリア、ゲームオーバー、途中で諦める』だけに対して『シナリオが用意されてない』という選択肢がある。

古畑さんはGMとしていかなる状況でもシナリオを用意すべきとする責任からGMとしての敗北を宣言し俺達のゲームクリアを認めてくれた。


「あれは、、、我儘じゃない?」

「そうか?」


流石に俺達の会話が気になったのか朝顔が口を挟んできた。

納得はしてるが納得はしてないんだろう。


「だって、、、『フロルと共に光教、鳳教、王国全てを牛耳って子供たちが結果的に過ごしやすいような世界を作る』とか・・・我儘じゃない?」

「あれは古畑さん的には正解にせざるを得なかったんだよ」

「・・・どういうこと?」

「いいか?今回のTRPGはあくまで歓迎会の一環、、、だから成功させたいっていう思惑があるわけだ。」


だからどのような答えが出ても彼女は最終的には俺達のゲームクリアを認めただろう。

ある意味フェアで、ある意味アンフェアなゲームだ。

そういう意味では最後の選択肢なんて茶番であり、どのグッドエンディングを選ぶか決めるという点では面白いやり方だったかもしれない。


「ならなおさら・・・5を選ばなくてもよかったじゃん。」

「そうですね・・・何でです、兄様?」

「夢があっていいじゃん。実現性とか全くないように見えて、意外と現実的・・・それどころか国の権力者にまでなれる。犠牲を自分に強いるどころか超棚からぼたもちって感じがさ?」

「今考えると意味わかんない、、、詭弁くさいし。」

「そう言うなよ、朝顔・・・・なにより今回の目的は朝顔に俺とはどういう人間か知ってもらうことにあったしな」

「「・・・?」」


根暗で地味でゲスで

せこくてスケベで汚い手段が大好きで

不器用で強がりで

叶いもしない恋を今でも想ってるただのしょうもないNPC

やっぱり


「俺は朝顔の兄貴にふさわしくねえし、椿の兄貴にもふさわしくねえ」

「・・・そうね」

「そうですか?」


朝顔は俺の言葉をそうだと肯定し、椿は半分疑問口調で首を傾げる。


「くくっ・・・二人とも少しは否定しろよな!」

「「ちょっ!?」」


右腕に朝顔、左腕に椿。

二人の妹にそれぞれ腕を回し、肩を抱く。

頭と頭がそれぞれのとくっつくぐらい強くかき抱く。

当然それぞれ暴れる二人だが、、、離さない。


「それでも、、、お前らの兄貴として強がりたいって思ってる。」

「「?」」

「隠し事多いかもしれないけど・・・それはお前らに自分の弱い部分を隠すためだ」


感覚鋭敏化が起きるのは、椿がわざわざここにきてくれたのは、俺が精神的に弱かったからだ。

泣き喚いて、ガクガクブルブル、、、そうなってるって『妹』には知られたくなかった。

だから俺は朝顔に俺の現状を伝えたくなかった。

自分の弱い部分を見られたくなかった。

朝顔は当然だが、、、出来れば椿にも知られたくない自分の弱さで・・・なけなしのプライドだ。


「笑っちゃうよな、、、既に情けないとこ一杯見せてるのに、、、それでもかっこつけたいとか」

「勝手です」

「意味わかんない」


歩きにくいと離れたがってる二人を離したくない。

二人から漂う香りは甘いけど・・・それでも自分に近い香り。

守らなければならない人たちから出る香りだ。

この腕から感じる暖かさは・・・自分に近い温度だ。


「お前たちには、、、兄貴として強い姿だけ見ていてほしい・・・そんな思いがあるんだよ」

「「・・・・・・」」


不機嫌なのか、しゃべる言葉が見つからないのか彼女達は何も答えてくれない。


「俺の選択は、、、馬鹿っぽく見えたり、、、むちゃくちゃに見えたり、、、理解できねえと思うけど」

「「・・・・・・」」

「朝顔と椿には覚えといて欲しい・・・俺の選択はいつだって考えて考えて考えて選んだ選択肢だって。そして考えた中の一部には必ずお前らに対しての『兄としての強がり』があることを・・・さ」


椿と朝顔はそれぞれ反応が違う。

椿は脇腹をただぎむっと抓ってきて、朝顔はこつんと脚を軽く蹴って来た。


「「はあ・・・・・・駄目な兄を持つと大変 (です)」」

「一応傷つくんだが?」

「かっこつけてなにを喋ると思ったら・・・結局結論は我慢してくれとか・・・舐めてんの?」

「任せてくれと言いながら朝顔さんと私の仲改善されてませんし」

「・・・・・・・・そろそろ二人とも離れていいよ?」


逃げ出したい気分になる。

しかし二人はそれぞれ俺の腕をがっしり掴んで離してくれない。


「言いたいこと三週間分溜まってるし今日ぐらいは聞いてもらおう。ね、『椿姉さん』?」

「そうですね、このバカ兄様は言っても言っても馬鹿なことしか言わないろくでもない人ですしね『朝顔』?」

「まあ待て二人とも・・・・お手柔らかにしませんか?」

「うるさいバカ『兄貴』」

「少しはその口閉じることを覚えてくださいバカ『兄様』」


電灯が照らす三つの影が雪がすぐにでも降りそうなほど道に伸びる。

冬のせいだろうか、、、その影は太く短い。

けどもその三つの影はすぐに大きな一つの影になった。

妙に不格好な大きなその影はたまにバランスを崩しては左に右にと揺れていく。


「歩きにくい」

「うるさい」

「兄様は黙っててください」


それでも影が三つに分かれることはなかった。


TRPG終了!

第6章はpart3で終わります。

次話、エピローグ、閑話・・・そして今後の第五部もよろしくお願いします!

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