表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界でもう一人の俺が暴れすぎてキチガ○と呼ばれている件について  作者: 浅き夢見む氏
第三部:周り全て変わるとして、変わらないものがあるとしたら<曇の奇術師編>
61/183

第6章曇脈展開«クラウド・アクセス»part1

―やあ、やばかったね―


俺の代名詞ともいえる『黒曇衣≪コート≫』がふわりふわりと目の前で浮く

頭に響くその声は無機質な目の前の布から流れてきているようだ。

この声は聴いたことがある・・・


「・・・俺の魔力か?」

―そうだよ。流石にいつも僕の声を聞いてるだけはある―

「俺はいったいどうなった?」

―蘇生されてる最中だ―

「蘇生?」

―左腕を肩から斬りおとされたからね。まあサニア君に任せようじゃないか―

「・・・道理で」


俺の心の中?体の中?

左腕が無いせいで妙な違和感を感じていた。

俺はそんな状態で映画館の中かと思うようなそんな場所の一席に座らされていた。

俺の眼前には多くのシアターが設置されており走馬灯のようなものなのか俺の今までが映写されていた。


―全く、、、主人公がこんなことでは困る―

「・・・学生服」


映画館の最前列には今では随分懐かしい鷺ノ宮高校の制服が最前列に座ってシアターを鑑賞していた。

・・・魔喰い龍との戦闘シーンか


―面白い結果じゃないか―

―主人公がこうもあっさり負け続けていることが問題なのだよ―


いつの間にか白熱した議論が始まろうとしていた。


―実際『自分であり自分でない者≪アナザー・ミー≫』をここまで使いこなしてるのは彼の才能だろう?―

―結局お前はいつもそれだ。私の宿主の本質能力を勝手に書き換えるわ、そこのちゃらんぽらんにあ~・・・暴走魔力?を使わせるは―

―でもお蔭で彼は今の今まで生き残った―

―欠陥だらけじゃないか。それにもし書き換えしなかったら今回の戦いは勝てたはずだ―

―う~ん、それを言われると痛いねぇ―

「ちょ、俺を置いて話を進めないでくれ!」


ああ忘れてたと言いたげに前の席に座っていた二着はくるりと振り返った。


―今度は私が能力を作る番だ。君は説明に入りなさい。-

―ちぇ・・・分かったよ―


ふわりと浮いた『黒曇衣≪コート≫』が俺の隣に座って足を組む


「書き換えって何のことだ?」

―元々如峰月桜を核にしてサクラが黒雲を創り出す能力が『如峰月桜』の『本質能力』だったんだ―

「・・・自分を黒雲に変えさせる?」

―彼の体は特殊な半霊的物質で構成されてるからね。『魔術三割原則』を超越するための力として最初は考えられてきた―

「道理で攻撃されても何度でも復活するわけだ・・・好きな時に出現できるのもか?」

―それは書き換えのせいだね―

「・・・そもそも書き換えする必要あったのか?簡単に言えば一人で『嵐曇魔術≪スーパーセル≫』使う能力だろ?『自分であり自分でない者≪アナザー・ミー≫』もそっちの方向で考えられてたんだろ?」

―君が曇の種を飲んだり、魔力枯渇を引き起こしたりしなければそもそもこんなことにはならなかった。-

「・・・俺が迷惑かけたみたいな?」


くっくっくと肩が震える。

彼はシアターの一つを指さした。

そこには俺と桜が連結魔術を使っている時の映像だった・・・いい顔してるよ、本当に。


―結果的には良かったんだよ。当初想定していたやり方からは外れていたけど・・・生き残るために選んだ選択肢はさらに世界が君を好きにさせるために役立った―

「そうなのか?」

―大陸全てに影響を与えた『完全に同じ魔力で連結魔術を使う』という発想とその超規模は僕も・・・今能力を作ってる彼も・・・誰も想定してなかった。君は何も考えてなかったかもしれないけど、、、やはり君は世界に自然と好かれるんだよ―

「世界には意識があるのか?それとも宗教か?」

―肯定も否定もしないよ。好かれてなければ君のいうところの『暴走魔力』は使えない―

「・・・なあ、俺の魔力そのものがあんたなんだよな」

―そうだよ―

「俺本来の魔力に龍の魔力・・・挙句の果てには暴走魔力まで混じって・・・苦しくなかったか?」

―・・・・・・・はっはっはっは!聞いたか?―

―ああ、、、自分の一部にすぎぬお前をサクラは一個の個体として心配するのか・・・世界に好かれるわけだ。・・・よし出来た―

「なあ、お前ら俺に甘すぎない?」

―否定はしない・・・それよりも見ろ。義龍の魔力に・・・暴走魔力?とかいろいろ素材が増えたお蔭でとんでもない魔改造が出来た。-

―やっぱりそれよりかあ・・・後、君の疑問に対する答えはノーだ。世界の愛を僕は常に受けていられる・・・気分はいつも最高だ。-

「そうか・・・そう言ってもらえると俺も助かるよ」

―マスター、M・M。私の紹介をしていただきたいです―

―はいはい、、、紹介するよ。『君』の『本質能力』だ―

「・・・メイド服?」


学生服の隣に浮かんでいるのはメイド服だった。

メイド服は優雅に一礼してくる。


―初めまして、マスター。そしてマスターを内包してくださるサクラ様も今後は私のマスターです―

「・・・なんでメイド服?」

―心のうちの欲望ぼそっ・・・何でもないよ―

「・・・(聞かなかったことにする)・・・てか、、、本質能力?原則一人一つだろ?」

―桜とサクラ・・・世界に存在が認められてるんだから君にもないと可笑しいだろ―

「これも世界の依怙贔屓か・・・主人公的にはアリだけどさ」

―無視しないでください・・・バカマスター―


・・・?

会話をしているとメイド服が俺の周りをクルクル回る

そして俺の体の中にすうっと入った・・・


―構ってくれなかったから拗ねたんだろうよ。それがお前の本質能力だ・・・どう使うかは敢えて教えないがな-

「え?なんで?」

―『嵐曇魔術≪スーパーセル≫』の時のように・・・お前が自分で自分を主人公と決めたように・・・NPCがガヤガヤ言うのは可笑しいからな―

「・・・・・・・重要NPCは主人公にいい影響を出すもんだろ?」

―・・・さっさと行ってしまえ―


学生服はあるべき主の元に還っていったのかすうっと姿を消した

最後に残った『黒曇衣≪コート≫』が手にあたるグローブ同士を叩き合わせるとシアターたちが合体して一つの巨大なシアターになった。


―これは現在の様子だよ―

「・・・・龍たちが」

―もうすぐサニア君の治療が終わるから・・・君が彼らを救うんだ―

「だが、、、お前らにもらったこの力で・・・俺はあの魔喰龍を倒せるのかな?斬龍や俺を倒した技も正直見えなかったぐらいだし」

―・・・主人公はもう一度闘ったときはもっと強くなるんだろ?-

「いや、、、でも、、、、」

―それに、、、本質能力を女性にしたのは何故だと思う?-

「・・・わからねえ」




それは・・・・






「もうひとりおにいさん!もっと強く縛って!魔法陣書き終わる前に死んじゃったらどうするの!」

「ご、、、、ごめんなさい!」

「斬龍さんも生きてるなら手伝って!てか邪魔!」

「お、、、同じけが人なのにこの差・・・」


サニアが半径十五メートルにも及ぶ魔法陣を書きこみはじめて既にどれくらい経ったか?

大怪我で動けなくなった斬龍とサクラを残して飛龍は魔喰龍を追っていった。

無茶してなきゃいいが・・・どちらにしても俺のやるべき作業はサクラの止血体をさらに強く引き絞ることだった。


「ゲルーニカ、、、、ごめんね」


サニアが細腕にも関わらず強い力を込めて杖をへし折り地面に下書きした魔法陣の上からキラキラと光る砂のようなものをまぶしていく。


「おにいさんはどう!?」

「・・・脈はまだある!でも呼吸がか細い!」

「か細い・・・・おにいさんの治癒魔術の効きずらさを考慮すると・・・確率は・・・」


サニアがブツブツ言いながら大きな魔法陣の仕上げに入っている。

・・・治癒魔術は他人の魔力を弾き飛ばす暴走魔力を持ったサクラには効かないはずなのにいったいどうするつもりなんだ?


「ぶほっ!」

「・・・いよいよヤバいでござるな」

「・・・・・・生龍は?」

「あやつは真っ先に通信が消えたでござる・・・おそらく拙者同様動けぬ体でござろう」


サクラが意識が戻らぬまま吐血した。

血が喉奥に溜まらないように掻きだしているが、、、血の残存量を考えると吐血分を体に戻した方がいいかもな

俺はサクラがいないと本当に何もできないな・・・もし『曇の魔術』が使えれば血を黒雲の核に集めて体の中に雲ごと戻すことだってできるのに


「『自分であり自分でない者≪アナザー・ミー≫』はサクラが主人公である手助けするもののはずなのに・・・なんて無力なんだ」

「無力ではない・・・求められてる場面が違うだけでござる」

「・・・どういう事だ?」

「シノン殿がサクラの戦闘の相棒だとすると、お主はサクラの精神的な支柱でござる。」

「・・・精神ねえ」

「二人ともうるさい!集中切れちゃうから黙ってて!本来魔法陣はミスが無いように何日もかけて確認するんだから!時間がないの!」

「「ごめんなさい」」


サニアは物凄くすさまじい魔力が込められている魔法陣に顔を限界まで近づけて、じいっとミスが無いかを確認している。

そんな中でもサクラの血は止まらない・・・時間はこっちもなさそうだぞ?

サニアのピリピリを刺激しないように小声で腹部の傷を抑える斬龍に尋ねる。


「なあ、、、サニアは何してるんだ?」

「おそらくでござるが魔法陣級魔術でござろう」

「詠唱級の上の魔術か?」

「いくら邪悪で強力なあの魔力と言えども、魔法陣級に込められた魔力全てを弾くなんて出来ないでござる。瀕死であろうと、、、腕の復元までいけるかは賭けでござるが必ず彼を救えるはずでござる。成功すればでござるが・・・」

「成功すればって・・・」

「魔法陣級に使う魔法陣は巨大・・・サニア殿の今作ってる魔法陣の三倍は大きなものを用意しなければならないし一つでも記述にミスがあれば連結魔術のように魔力が全部引き抜かれて・・・次は無いでござる」

「・・・おいおい一発限りかよ」

「サニア殿は魔力操作が苦手らしいし・・・魔法陣も急場の作成、しかも自己流で不必要なスペルを削って魔法陣を無理矢理小さくしてる・・・成功するためには足りないことが多すぎるでござる」


・・・サニア

小さな手が必死に動かされ濃い魔力が空間中に満たされていく。

しかも、、、まだ発動してすらいないのに

詠唱級なんて目じゃない・・・なんて大きな魔力だ。

永遠かと思われた時間だが、サニアの手は休むことなく動き続け遂に完成する。


「・・・・よし!おにいさんを魔法陣の中心に!」

「分かった!」


サクラとサクラレフトを魔法陣の中心に置いてすぐに外に出る。

サニアは斬龍に龍刀を自分の目の前にさしてもらっていた。


「これなら十分杖の代わりになる・・・斬龍さんどうも!」

「・・・相棒を地に着ける羽目になるとは」

「よし・・・・『聖女の名の下にこいねがう』」


風が届かないほど地下深く

明かりも熱も鉱石頼りのこの地下空間に魔法陣の力場が形成される。

肌が過剰で膨大な魔力を感じるせいか切り裂かれたかのような錯覚に陥る。


「『聖なる』『聖なる』『神の砂で作り上げた』『この祭壇からこいねがう』」

「聖女・・・なるほど・・・本当に彼女が聖女なら魔法陣級を発動できるだけの魔力も技術もあるでござろう」

「・・・技術?」

「魔力を操る技術でござるよ」

「・・・・・・サニアにそんな技術なんてなかったはずだが」


『それ』が出来ないからこそサニアは王国から逃げ出して・・・未熟な『聖女』だったんだ。

味方を巻き込むからと攻撃魔術を使わせてもらえない・・・そんなんだったんだ


「『英雄を』『めざ・・・・ううっ」

「サニ「今は近づかないで!」・・・くそっ」


サニアは目の前の刀を掴み、体を支え、倒れることを

諦めることを拒否する


「『刀を捧げる』「ちょ!?」『だから私に心を』『だから私に救う力を』」


弱まりかけた魔法陣がもう一度息を吹き返す。

サニアが支えを失くして片膝をつく・・・・龍刀がサクラの左腕へと飛んでいき混ざっていく。

斬龍がなんてことを・・・と言っているが取り敢えず肩をポンとたたいておいた。


「『想像せよ』『英雄のない未来を』『想像せよ』『英雄の未来を』」


サニアの体から放出された魔力が魔法陣に吸い込まれていく

外縁部から内縁部へと加速増幅された魔力が

サクラの体と左腕へと吸い込まれていき・・・・体が光り輝く。

感覚鋭敏化のせいで直視は少し難しい


「『世界の愛する』『彼を再び』『呼び戻せよ』」

「・・・どうなってる?」

「魔力が濃すぎて・・・・直視できんでござる」

「私の大切なおにいさんを返してください」

「これ、、、詠唱か?」

「違うでござる・・・・でも詠唱でござる」

「シノンが幸せになるにはおにいさんが必要なんです、、、だからおにいさんを殺さないでください」

「「・・・・・・・」」


サニアがか細い声で誰かに願っている。

神様か・・・・世界か・・・・運命にか・・・・

ただその想いは力に変わる

詠唱でもないはずなのに・・・・・聖女の言葉が瑕疵ある魔法陣を瑕疵ない完全な魔法陣へと変える。

光の線が時間が無くて無理矢理縮めた魔法陣を本来の大きさへ

世界から降りてきた魔力が魔法陣で今までよりもさらに増幅していく


「『蘇れ英雄よ』!『この祭壇が貴方の新たな誕生の地』!」


「『君が代に』『君が創る世界で』『君は笑う君は叫ぶ』『君は生きる』」


「『超蘇生』・・・・・『英雄聖誕≪セイクリウッド・リフレイン≫』」


光の中で、、、英雄が長い眠りから覚める









「もうやめさせて!」

「降参するまで止まりません」

「・・・だめじゃ龍巫様!ぐあああああああああああっ!」


また一人、また一人と斬られていく

また一匹また一匹葬られていく


「次は背後から!」

「かはっ!?もっと早くいってくれないと対応しきれん!・・・・視龍!?」

「え?」


視龍が背後からバッサリと斬り刻まれる・・・

龍皆が人間体と同じ大きさになって速さは負けてないはずなのに・・・刀を持った魔喰龍を捉えることが出来ない


「『ツタの網』!・・・・すみません!」


植物龍が魔法で一から育てた魔法ヅタで編んだ網を放る・・・しかしそこにいたのは生龍。

既に首を飛ばされ息をしてない彼女を魔喰龍は身代りにした。


「魔喰龍!『風巡れ』!」


唯一魔喰龍と闘える戦闘特化の飛龍が空を駆け拳を振るう。

内臓を簡単に引き抜ける鋭い鉤爪と刀が打ち合う・・・

バキン


「龍の爪が!?なんて剣術じゃ・・・肩まで痺れとる」


動かない肩を抑えながら一時的に撤退する・・・再び魔喰龍を追って中心街に戻って来たがすでに遅かった。

龍宮に直接侵入した魔喰龍と争った龍のほとんどは既に息絶え、、、残る龍は


「あ、、、、あ、、、、、、」


木龍が今刀との摩擦で発火させられ燃やし尽くされた・・・

だからこの郷に残るプレイヤーは飛龍、斬龍のみ

龍巫様が守りたかった者たちの最後を見て、、、呆然とした様子で涙を流す。


そしてついに




「飛龍!」


飛龍の全身から唐突に血が噴き出す・・・魔喰龍の技によりジワジワと蓄えられた『疲れ』と言う名の毒がついに発現した。

元々喰らっていたダメージも合わさり・・・遂に飛龍は倒れた。

魔喰龍はチャンスとばかりに刀を頭上で構え・・・『紅剣・桃紅』に打ち付けた。


「・・・短いの・・・何故・・・サクラの方に行かんかったのかえ・・・」

「くきぃ・・・・簡単だろそんなの・・・」


飛龍を殺すだけの力を持った斬撃を受けたせいで全身の骨がイカれる。

足が直立できないほどのダメージを受けたのかシノンは魔喰龍が剣を引くや否や倒れ伏した。


「私はフェデラのリーダーだ・・・私の仕事は遊撃だ・・・自分が必要なのはどの戦場かぐらいはすぐわかる」

「・・・・もう既に足手まといじゃがの」


飛龍は龍巫様と避難してきた龍人たち全ての方にシノンをするるると滑らせると立ち上がった。


「立ち上がるまで待つとは・・・何を考えておるんじゃ?」

「・・・・・・・・・」

「だんまりかえ・・・いいじゃろう。お主がどれだけ強くとも・・・余は逃げん」

「・・・・・・・・ふひっ」


ぞくっ


気付いたときには本能的に『飛龍の咆哮≪ドラゴン・ブレス≫』を放ってしまった。

史上最高の攻撃・・・龍の超全力

本能的に選んでしまった・・・・すぐに後悔する。

幾ら最終兵器でも魔喰龍には高密度の魔力が込められたただのエサ


「・・・・・・・ふひひひ!」

「なんじゃと?」


しかし魔喰龍、、、、笑いながらそれを一刀両断する。

魔法陣級・・・・もしくはそれに準じる龍を最強の一角に位置付ける龍の秘奥をあっさりと無効化する。

・・・・・・・・・・・吸収すればさらに強くなるのにそれをしない


「お主、、、、、、、虐殺が楽しくなっておるのかえ?」

「・・・・・・ふひゃはひゃ」

「・・・・・やられてしもうた」


組み敷かれ、刀が飛龍の翼をなぞる。

痛みを感じ冴せない技量・・・しかし目の前に降り注ぐ彼女の翼だったものの残骸

・・・・・視界に入ってから痛みを初めて自覚した


「ああああああああああああああああああああああああああああ!」

「飛龍!・・・・・飛龍!」

「スカイ、、、、、、あんなに綺麗な色をしてたのに、、、、、魔喰龍にはそういった感情が少しもないのか?」

「うふふふふ、好きこそものの上手慣れですからね・・・あれは技ぐらいしか綺麗だと思わないですよ」

「インモラル・・・・・・・」


無防備な丸腰

しかし魔喰龍を使役している

やろうと思えばシノンや龍巫様なら殺せるかもしれない

でも、、、、それをしたら魔喰龍は誰が止めるのか


「ふふふ、お利巧ですね。皆さんは」

「お前は・・・・・・・・・・」


その時、、、、、視点の定まってない龍人がフラフラと歩いてくるのが見えた。


「龍巫様・・・・・」

「ええ・・・・・そこの龍人!私の後ろから出ないで!殺されますよ!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「まさか、、、、、『狂竜化』の前段階?」

「大変だ、大変だ!」


トツカが慌てた様子で走って来た

彼は足をからませ、もつれ、転びながらも走りをとめずに情報を伝えに来る


「龍巫様!あちこちの龍人が一斉に『狂竜化』してて・・・・このままだと転生失敗して暴走する虐殺者があちこちに・・・」

「なんてこと・・・・・・龍たちが一斉に死んでしまったから素質持ちが一斉に転生の試練に入ったのね・・・」

「いやあ、、、、戦力が増えていいことづくめですね」

「!?あなたまさかこれを狙って今回の模擬戦争を!?」


インモラルは条項をばっと見せて来る。


「別に、、、暴走した龍人たちが何しようと責任を負うなんてこっちは明記してませんよ?」

「、、、、、、、図ったな」

「研究をサボった罰ですよ・・・・臆病な龍人ほど恐怖や目の前で尊敬する龍たちが殺されていくその姿に耐え切れない・・・だから自分を守るために・・・心の激情を力に変えて・・・龍へ変わる・・・そんなこと・・・簡単なそんなことなのにあなた方は知ろうともしなかった」

「「「「「「「「「ぐるるるるるるる」」」」」」」」」」」


龍になりかけの声が辺り一面に響く

その中に声をかけてみるが全く反応が無い

何とか感じてるストレスからそらしてあげないと・・・・このままじゃ自分で自分の意識を制御できず守りたかったものを自分で消し炭に変えてしまう


魔喰龍に怒りを・・・憎しみを感じて力を求めたのに

家族を奪われた・・・悲しみに支配されてるはずなのに

このままじゃ魔喰龍と同じことをまた誰かに対して行い、、、家族との思い出の地まで自分の手で壊してしまう


「しっかりしてください!」

「おい、大丈夫か!」

「しっかりしてくれ!」


だめだ・・・龍人たちのほとんどが『狂竜化』しかけてる・・・・

高ストレスのせいもあるが短時間で龍が死に過ぎたせいで龍人たちが転生しやすくなってる


「魔喰龍・・・・刻むのは止めていい加減とどめを刺しなさい」

「・・・・・・・ぶるるるるっ」

「やめて!これ以上龍が死んだら本当に龍人たちが『狂竜化』するのを止められなくなる!」

「言ったはずです・・・・どうすれば止まるかわ・・・・」

「わか・・・」

「バカ者!お主が諦めたらここまでで失われた命はどうする!」

「でも・・・・あなたまで・・・」

「・・・・・・・・いいのじゃ」

「いいわけないだろう!スカイを離せ!」


シノンは剣を構えて走り出す

しかし、、、、既に魔力は限界間近、、、その足では間に合わない。

魔喰龍は不満そうに一息つくと刀をすっと一文字に




「やめてええええええええええええ!」



ブオン



ドドドドドドドドドドドン!




「・・・・・・・・何が起こった?」




大きな音を伴って、、、、皆が思わずポカンとした。

よく見えないが黒い塊が魔喰龍にぶつかった瞬間、魔喰龍が壁に叩きつけられた。

・・・・龍以上の腕力だったせいか壁一面に大きなひびが入り壁が崩れる

それだけの筋力、、、、そして魔喰龍が避けられないほどの速さ


「主人公の復活だ」

「サクラ、、、、さっきまで瀕死だったくせに調子よすぎなんだよ・・・」

「何か左腕の調子がよくてな?桜担いでるはずなのに全然スピード落ちねえし。さっきも魔喰龍に十五発蹴り入れてやったぜ」

「マスター、私の方が五発多めに入れたのをお忘れなく」

「お前は・・・・今いいとこなんだから邪魔すんなよな」


飛龍を魔喰龍から守るように二人の人間がその場に立つ。

銀色の篭手を左手につけたサクラ

そしてメイド服姿の少女。


彼女は黒を基調としたメイド服を着てカチューシャまで黒かった。

日本でなら一瞬ゴスロリかと思ってしまうような・・・それぐらい黒かった。

サクラの隣で彼女は優雅に一礼する


「初めまして戦場の皆さん、そして作者や読者の皆さん。私は『出来ないことを出来るようにする』存在」

「誰に言ってんだよ・・・・」


サクラがそんな彼女を呆れ顔で見つめる。

メイドはそんな彼を呆れ顔で見つめる

桜はそんな二人を呆れた目で見つめる


「いずれマスターは歴史書に乗る存在になるんです。今から吟遊詩人や歴史家・・・さらには未来の読者まで媚を売らないと駄目じゃないですか」

「俺はそんなこと考える主人公にはなりたくないね」

「う~ん、こすい主人公・・・小説的には面白そうだがな」

「桜・・・・後で話し合おう」

「M・マスター・マスター、、、普段の生活はおつらいのですか?だから真正の変態さんなんですよ」

「おい、、、、特にメイドさあん?あなた初めて会った時も言ってたけど俺を変態呼ばわりするんじゃねえ!」

「だってマスターの元ってことは・・・もっとすごいんですよね?」

「「お仕置き決定な?」」

「もう、、、、読者を18歳以上に限定する気ですか?」

「「マジでやめろ!」」


よく見るとメイドさんはサクラや桜と雰囲気がよく似ている。

まるで三つ子のように彼らはここが戦場ではないかのように笑い怒り戦う。


『曇の奇術師』サクラ=レイディウス 魔術特化

『自分であり自分でない者≪アナザー・ミー≫』如峰月桜 剣術特化

そして『補助する鬼才≪サポート・ギーニアス≫』


何物にも影響されず自分たちの道を貫き

自分の言葉を世界に押し通し

皆に希望を与える


あらゆる歴史書や公文書に載せられている彼らの歴史はいつもこの戦いから記述が始まる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ