第5章過去の私を貴方は知らないpart3
いつ彼に気付かれるかわからない・・・そんなことをいいわけにずっと自分に嘘を被せ続けた。
彼と話すとぼろが出ると彼に会う度に彼に言葉の刃を投げかけた
楓をいつも彼との間にしいて本当の私を押し隠した
それでも彼は優しくて、それに甘えてしまった
そしていつの間にか・・・・嘘の私が白凪優子になった。
その時から怖くなった。
彼は今の私が昔の私と知ったらどんな顔をするのか
可愛いと言ってくれるのか・・・怖くて怖くて
そして彼に確かめることは出来なくなった。
あの『酷い一日』が終わって・・・
彼の眼が・・・・光を失っていき・・・剣を捨て・・・
楓から逃げるように去っていった・・・
あの時私を可愛いと言ってくれたあの人は・・・・消えてしまった
「・・・お~い」
もしかしたらと期待してたのかもしれない
それでもと
再び目に光が戻り
人を放っておけない性分がまた出てきて
私をまたデートに誘ってくれたから
彼が昔の私を思い出してくれるかもと
でも、、、駄目だった。
彼は昔の私に気付いてくれなかった
もう、、、自分を隠すことに疲れた。
自分からいう勇気もない
生きることに・・・疲れた
「お~い」
・・・眼を閉じたまま終わりを待っていたはずなのにいつまでたっても終わりが来ない
足が宙に浮いてふらんふらんと揺れている、落ちたのは間違いない。
でも今は落ちてない。
「お~い脚が千切れそうだ~」
「・・・?」
目が眩む・・・
ぼうっとする光の中で映ったのは
キラキラと光る電灯と
星と
如峰月桜の顔
・・・・・・・・・・・・・あ?
「離して!」
「イだダダだっ!暴れんな!」
ゆっくりと動く時間の中で白凪を何とか抱きしめて白凪が届かなくなるのは防げた。
・・・でも体は既にほぼ外に飛び出し気味
ゆっくりと重力に引っ張られる中、視界に移った銀色のバーに何とか足首をひっかけられた。
そこで走る激痛
・・・二人分の体重を足首にかかってるんだもん
痛いよ!
外付けの乗り降りする際の補助バーに掛けてる力が大きすぎるのかなんかミシミシ言ってる
そんななか白凪は意識を取り戻し暴れるもんだから更に手すりがミシミシ言ってる・・・
「落ち着けって!下見ろ、下!」
「・・・いやあッ!?」
「落ち着け・・・頼むから!」
「顔近いっ・・・」
「・・・・・この状況でよくそれが出て来るな」
白凪の顔が間近で歪む。
それもそのはずだ・・・白凪と俺は今おでこをくっつける程密着してるんだから。
抱きしめたはいいけど白凪の脚は重力に引っ張られてるから俺の今の体勢はとんでもない。
足首には二人分の体重がかかって今にも血流が止まりそうだし
白凪の脇の下から背に掛けて回した腕は既にプルプルしてるし
おでことおでこがくっつくぐらい密着してるから吐息が頬にあたってくすぐったい。
「・・・せめておっぱいが密着すればよかったのに(ぼそっ)」
「離れろッ!・・・んっ!・・・んっ!」
「ちょ!?そんなに暴れたら・・・」
「ひあっ!?」
白凪の胸防具のホックが俺の手に触れたまま暴れるもんだからオートパージした。
「この変態ッ!」
「ブハッ!?やめろ、暴れんなって!」
片手で必死に胸を抑えてるのか片手でビッシン!バッシン!グーで顔を殴ってくる。
いやいやいや!俺のせいじゃねえだろ!?
だんだん逆さづりのせいで頭に血が上ってきてるけど流石にやっていいことぐらい分かるよ!?
段々俺達の異常に気付いた人たちが増え始め下がガヤガヤ言っている
そんな中でも俺達をひっかけた観覧車は回り続ける・・・
今が大体頂上だから・・・・後十分このまんまか?
やっべ、無理・・・!?
「白凪!」
「きゃあ!?」
ガコン!と大きな音が上で鳴る。
そしてガクンと体が傾く。
下での悲鳴が一段と上がる
白凪を本能的に守ろうとしたのか更に強く彼女を抱きしめ衝撃に備える
・・・白凪の首筋に埋めていた顔を上げた
どうやらネジが飛んだみたいだ。
手すりのねじが俺達の体重を支えきれずにぐにゃあと曲がり始めてた。
「・・・こりゃあいつ壊れてもおかしくねえな」
「私を捨てて」
「あ?」
既に感覚無い足の方を見ていた視線を元に戻すと白凪が泣きそうな顔で俺を見てた。
「なんで私を助けたの?・・・死なせてくれたらよかったじゃない!」
「んなこというなよ・・・・よっと」
白凪が腕からずり落ちないように腕をグッと引締め白凪を引き寄せる。
・・・まだ観覧車は下につかないのか?
人間が落ちて助かる高さは約五メートル。
とてもじゃないが持たないぞ!?
「あなたまで犠牲にならなくてもいいじゃない!なんで私を助けたの!」
「・・・・・・うっさい!無駄口叩いてる暇があるならせめてお前からも俺にしがみつけ!もう俺の方も限界なんだよ!」
「私が落ちれば済むことでしょ!もう離して!もう疲れたの!本当に怖くなる前に死なせて!」
「できるわけねえだろ!・・・っ!?またネジが落ちたのか?」
更に手すりが歪み俺と白凪が助かってる現状が不思議だ
白凪はそんなことになってるのにそれでも暴れ始め更に手すりが歪んでく・・・
やばいこのままじゃ手すりの強度の方が先に終わる。
俺がいくら頑張ったところでこのままじゃ二人ともお陀仏だ!
どうする・・・どうにかして彼女が暴れるのをとめないと・・・
でも腕は彼女を持ってるから使えないし・・・口で言っても聞く耳が無い・・・
どうすりゃ・・・・
全てが限界を迎えつつあるその瞬間目に一つの物が飛び込む
他の観覧車・・・飛び移るとかそういう答えじゃなく・・・
・・・たった一つのシンプルな答えが思い浮かんだ
・・・・絶対に彼女を硬直させられるたった一つのシンプルな答えだ
でも、、、それはラノベ主人公の手段であって、、、あくまで重要NPCにもなれてない俺程度がしていいモンじゃない
それに、、、心理的抵抗が・・ある。
またギギィと大きく手すりが歪む・・・・これ以上暴れられたら二人そろってお星さまだ。
迷ってる暇はないか!?
「恨めよ!」
「むぅっ!?」
背中に置いた手のひらを白凪の後頭部に添える。
そして逃げ場をなくした白凪の唇に俺の唇を強引に押し付けた。
白凪がびくりと震え完全に硬直した。
視界に広がるのは驚愕の表情で固まる綺麗な顔
彼女正気を取り戻さないように彼女の唇を少しだけ吸う。
それだけで彼女は動きを完全に止める。
よく手入れされているのか滑らかで柔らかいそれを
咥えて
舐って
蹂躙する
・・・初めてのキスがこんなことになるとは
もう少し幻想的なものを期待していたのに非常に残念だ
歯や鼻がこすれ合うこんな強引なキスしたくなかった
でもやだ、、、くせになっちゃう。
「・・・・がぶっ!」
「っだ!?やっぱり舌はまずいっすか!?」
この際死ぬ前に舌を入れた方もやってみようとしてみたが流石に白凪が正気を取り戻し俺の唇を嚙み切ろうとしてきた。
白凪は顔を真っ赤にして俺の髪を掴み、ボカボカ殴り、ケリをくらわそうと足をブンブンふりまわ・・・やっぱラノベみたいに上手くいきませんね!
「あ、、、あんた、、、なにしてっ!」
「くっそう!また暴れ出しやがった!」
白凪が俺の顔を今までのは何だったのと言う勢いで暴れ出し、観覧車が右に左にと揺れ始める。
下の悲鳴も一気にヒートアップする。
てかいい加減マットとかネットぐらい用意しろや!
係員気づけよ!
ぱきん
足にかかっていた力が無くなった
すっと体が無重力状態になり頭の血が一斉に下腹部へと・・・
やばい・・・遂に壊れたんだ・・・
今度こそ落ちると落下に備え白凪を抱え込み目をつぶる
下からの大きな悲鳴
大きなブザー音
足に再びかかる重力
白凪の吐息
下からの安堵の吐息
体がブランブランと揺れる感覚
「M・M≪マスター・マスター≫、あなたは本当に危なっかしい人ですね・・・普通この状況でキスしますか?それともこういう状況でしか出来ない真正の変態様なのですか?」
「・・・え?」
ゆっくりと目を開くとメイド服姿の少女が俺の足首を片手で持ち上げていた。
「よっこらしょっと」
「うおっ!?」
『俺』より少し高めの声のその少女は一声かけるとすっと俺達を観覧車の中へ投げ込んだ。
「なあ、君はいったい・・・」
「じゃ、また会いましょう」
「ちょ!?・・・消えた?」
そして何が起こったか分からないでポカンとしている間にそのメイド少女はすうっと消えた。
・・・何が起こった?
てかマスター・マスターって何?
俺のこと?
てかあんなメイドさん俺達と一緒に乗ってたっけ?
てか片手で軽々と持ちあげるとかドンだけ力あんだよ!
「・・・・何が起こったんだ?」
間違いなく何かが起こり始めてるのは分かった。
あの世界と俺の世界が何か変わりつつあることも。
・・・だから異世界に急に行けなくなったり、急にメイドさんが助けに来たりとなってるんだ。
今回は寧ろ助かったが・・・今後どうなることやら
あ、そうだ・・・
「白凪、、、だいじょ「大丈夫じゃない!」・・・デスヨネ」
唇を抑えた涙目の彼女は腰が抜けてるのか女の子座りをして俺を睨みつけていた。
唇が未だに痺れる・・・緊急事態とはいえやっていいことと悪いことあるな。
本当にごめんなさいって謝っても許してくれないと思う
でも一応
「すぁーっせんっしたぁー!!!」
「許さない・・・初めてだったのに・・・こんな状況で・・・してくるなんて・・・」
「・・・ごめん、土下座にしようにも足痛めたみたいで動かねえんだ。」
白凪はぼろぼろ涙をこぼして俺に殺気を込めた呪詛の言葉を放ち続ける。
いやあ、、、一応君の為でもあったんですけどね?
「絶対におまわりさんに言いつけてやる・・・このセクハラ野郎・・・」
「それだけはっ!それだけはっ!」
ただでさえ伊月が来たせいでそういう方面ではピリピリしている我が家におにいちゃんが強制わいせつ罪で捕まってますよ?なんて連絡が入った日には・・・俺の命は無い!
白凪はもういや!といって再び外へと飛び出そうと這い始める・・・ちょ!?
「それは駄目だって!」
「いや!もう死ぬ!死んでやる!死んで如峰月の心に一生モノのトラウマを植え付けてやる!」
「もう既にトラウマ化してるよ!」
右に左にとあまりにも揺れすぎたせいで緊急ブザーが今更鳴り観覧車が停止する。
「「はあ、、、、はあ、、、、はあ、、、」」
白凪を羽交い絞めにしたまま背中を床につける。
二人してボロボロの体で暴れ回るもんだから遂には二人してばててしまった。
「許さない、、、殺してやるっ、、、、ううっ」
「・・・・・・・」
白凪がふるふると震える。
主人公の皆さん?
これが現実だ・・・・無理やりキスしたら女の子ってこうなるんだよ?
さて、、、どうするか
このまま救助が来たら俺は豚箱行きになってしまう。
・・・・・・・・・・・こうなったらいい話にまとめ上げるしかない
「白凪、、、、俺の話を聞いてくれ」
「・・・ううっ・・・ちょん切る・・・・ちょん切ってやる・・・」
「聞いて!お願い!」
俺のマイソンの危機を回避するために白凪を強引に俺の方に向かせる。
座ったまま強引に肩を掴んで向かい合おうとするが彼女はそれを拒否する・・・そんな彼女に掛けるべき言葉は・・・
「俺も初めてだから!」
「知らないわよ、そんなこと!後はおまわりさんに話しなさいよ!」
・・・だからお巡りさんはまずい!
青い皆のヒーローが鎌を持って俺においでおいでと言っているビジョンが浮かぶ。
やばいって、、、このままじゃ社会的に・・・そ、そうだ!
「じ、自分の力で復讐しに来い!」
「・・・はあ?」
お、、、、おう、、、、取り敢えず勢いのまま言ってしまおう
「今日のキスはお前が自分を大切にしなかった罰だ!悔しかったら俺を殺すまで生き抜いて見せやがれ!疲れたとか言ってんじゃねえよ!」
「あんたあ!開き直ってんじゃないわよ!」
「う、、、、うっせえ!お前に死なれちゃ俺は嫌なんだよ!俺の初めて一つでお前に生きる理由を与えてやれんならいくらでもしてやるさ!ほら、むちゅ~」
「シネ!」
「ぼべんなはい!」
彼女の渾身の左フックが脳天をガンガン揺らす・・・でも、、、取り敢えず俺は司法のお世話になりたくない。
彼女を心配したからこそこうしたんだと情状酌量を狙わせてもらう!
愛情無罪!
「白凪!」
「なにどさくさに紛れて抱き着いて来てんのよ!離せ!」
「お前は可愛い!」
「っ!?」
「外見も中身もすごくかわいい!」
「い、、、、いきなり何言って、、、、」
「そんなお前が!こんなところで死んじゃだめだ!まだ、、、運命の人にだって会えてねえだろ!?」
「ちょ、離して!」
白凪が渾身の力で突き飛ばしてくる。
突き飛ばされても俺は彼女を再び抱きしめる。
うん、、、、外はすごく寒いけど、、、白凪はとても安心する暖かさだ。
「白凪、、、俺を殺すためでもいい、、、復習するためでもいい、、、せめてお前に運命の人が現れるまで自分を大切にするって約束してくれ!」
「自分を大切って、、、私にそんな価値・・・」
「ある!何故ならお前はとても可愛い!可愛い女の子はそれだけで幸せになる権利を持ってるんだから!」
「・・・・・・・・・・・・・・離して!」
「約束するか?」
「離して!」
「自分を大切にし、、、俺を警察に突き出さず自分の手で始末するようにするって約束できるか?」
「約束するから!」
「約束破ったらまたねっとりとしたキスをお見舞いするからな?」
「っ!?・・・・・ぶ、ぶっ殺すわよ!」
「はいはい・・・・」
よし、上手くいった!
俺はようやく柔らかく心地いい白凪の体から離れた。
彼女は顔を覆ったまま身動き一つしない。
・・・・どさくさに紛れて約束させたが本当に警察に通報しないだろうな?
流石にもう一度キスする勇気はないぞ?
「お~い、白凪たん?」
「・・・・・・・・」
「・・・白凪さん?」
「・・・・・・・」
シカトかこんにゃろ・・・・こうなりゃ意地でも反応させてやる
一番嫌がりそうなのは・・・・よし決めた。
「優子?」
「っ!!!??????」
ぶおん!
意識が刈り取られた
手すりに引っかかった足は足首が脱臼していた。
まあ、、、、二人分の体重がかかったんだもんしょうがないよな。
あの後無事に生還した俺達だったが相当下は大騒ぎだったようだ。
警察官に何であんなことになったのかって聞かれたり、テーマパークの支配人が管理が甘かったってめっちゃ謝って来たり
挙句の果てには身元引き受けとしてスーザさんや白凪母までやって来る事態になった。
本当だったらもっと大事になったかもしれない。
白凪が自殺しかけたりとか俺達を助けてどこかに消えたメイドさんとかいろいろ説明出来ないことも多かったし・・・・
白凪は明日は試合だし俺もさっさと帰りたかったから古畑さんにワンコールすることにした。
そしたらすぐに帰れた・・・・古畑さんェ
そして翌日病院のベッドで朝刊を読んでみると昨日の事故が『某テーマパークの観覧車の鍵が故障!乗客落下しかける』・・・と随分とぼかした内容になっていた。
なんか事件が小さく感じる・・・・古畑さんいろいろと捻じ曲げすぎです。
二日間の入院の後そのまま月曜なのでと学校に行くことになった。
あ~あ、、、日曜潰れた。
松葉づえをついて電車に乗りいつも通り学校の門を潜る。
「どしたの、その足・・・」
「ああ、ちょっとな」
朝刊では事故に会った人たちについて一切書いてなかった。
そのせいか俺の脚を見た人達は皆転んで怪我したという俺の説明を受けて納得してくれた。
・・・・そういえばまだ行ってなかったな
面倒事をほぼ引き受けてくれた古畑さんに礼を言わなきゃな。
松葉づえはめんどくさかったが何とか古畑さんの新たな城の生徒会室へと辿り着いた。
「しつれいしまーす」
「桜君、ちょうどいい所に」
「?・・・白凪!」
生徒会室に入るとそこには古畑さんと白凪がいた。
白凪は俺を見るなり唇を抑えて顔を赤く染める・・・俺も顔が真っ赤になってしまうような反応するんじゃねえ!?
古畑さんの『あれ?キスしたの?あれれ?』みたいな視線を感じながら白凪の横に座る。
「よ、、、試合どうだった?」
「全然集中できなかった・・・・ベンチに下げられた」
「そ、、、、そっか」
白凪は俺と目線を合わせようとしない・・・
検察官とお話ししなくても良くなったのは良かった(?)が・・・気まずい
これは気まずい
「ふ、、、古畑さん、、、ちなみに白凪は何でここに?」
「ん?これのためにね」
「・・・え?」
古畑さんから手渡された書類を見て愕然とした。
何かの間違いかと思ったが二人の様子からして間違いはないらしい。
「白凪・・・これ」
「言いたいことは分かってる・・・でもこれは誰かの為に自分を犠牲にする選択肢じゃない・・・自分の為だから!」
「自分の為ぇ?こんな嫌な上司に相棒はセクハラ野郎だぞ?」
「桜君、後で話がある」
「・・・」
「そっか、ならいいけどさ」
「無視か、、、いいよ戦争だ。」
「古畑さんうるさい」
「・・・・はい」
「白凪、、、本当にそれでいいのな?」
「・・・・・・」
白凪はじいっと俺を見ている。
流石に唇をもう抑えてはいないけど、じいっと俺を見て来る。
・・・何か言って欲しそうだな
でも、、、、何を言えばいいかな?
「・・・よろしくな優子」
「・・・・・・バカ桜」
え、違うの?
女の子って下の名前で呼ばれるとちょっと頬を染めるのはテンプレじゃないの!?
めっちゃ呆れられてる!?
恥ずかしっ、、、、超恥ずかしっ!?
優子は俺の差し出した手をパンと払うとさっさっさと出口へ向かっていった。
・・・と立ち止まると振り返った
満面の笑みを浮かべて俺に手で作ったピストルを向けている
「貴方の人生、、、いつか頂戴」
そういうとパンと指の銃で俺を撃った。
・・・なんか大事なものを奪われた気がする
白凪は足取り軽く生徒会室を出ていった。
「・・・・・・・なにもじもじしてんすか古畑さん」
「だって、、、、あんなラブコメ全開見せられたら・・・居づらいじゃん」
「純情すぎでしょ・・・」
どちらかというと彼女のあの言葉は『お前の命いつか頂く』を可愛く言っただけだろう。
なんか警察に訴えるぐらいならお前の手で殺してくれとか俺言った気がするし
まあ、、、約束破ったらキスするって言ったし初めて奪われたしで意地でも殺したいんだろう
てか、、、、そんなに下手でしたか!?
「はあ、、、、」
腹黒生徒会長に
ヤンデレバカップル生徒会庶務
やる気だけが空回りの正義感デカ盛り生徒会書記
ペンよりも剣を握ってる時間の方が長い武闘派生徒会会計
命を狙う気バリバリの生徒会副会長
どんな罰ゲームだ?
彼女が自分を大切にする為に選んだんなら文句ないけど・・・
この先波乱しか待ち受けていない気がする。
それでも楽しみになってしまうのは・・・仕方ないか?
生徒会長 古畑真琴
生徒副会長 如峰月桜 白凪優子
生徒会会計 伊月葵
生徒会書記 朝日奈楓
生徒会庶務 新聞佑 山梨小陽
ほぼ一年生で構成された未熟な生徒会
黄金比生徒会を継ぐには『今はまだ』力不足かもしれない
それでも、、、誰もがその生徒会を肯定する
壇上でこの学校と全校生徒の為に全身全霊を尽くすと誓う彼らの眼には迷い一つ見せず、、、自信に満ち溢れていたから
ここに古畑生徒会は始動を果たした。
「・・・・・・そういえばあのメイド何だったんだろうな」
生徒会始動を祝ってこれから歓迎会をするとかで皆でカラオケに行くことになった。
とはいえまだ約束の時間には少し時間があるからと屋上でごろんと寝転がっていた。
今日は午前で授業は終わりだからほとんどの生徒が昼の子の時間には帰ってしまっている。
お蔭で人がいなくて静かだ・・・
もう冬が近いってのに今日はしかもとても暖かい
思わず強い眠気に負けてしまう
「まあいいか・・・ん?」
眠った俺の・・・夢はいつもと様子が違っていた。
妙にリアルだ。
辺りは薄暗い洞穴の中
あちこちに『刀』で斬りつけたのか鋭い斬線が入っている。
とても大きな熱線が通ったのか大きな穴がずっとずっと続いている所もある。
「おにいさん!おにいさん!」
女の子の声が聞こえる。
左腕が切り落とされた少年を抱え込む少女の姿。
・・・・・・・・・おいおい
あまりに異世界が心配で夢にまで出てきたか?
よくよく辺りを見回せば斬龍が這いつくばった姿も近くにある。
飛龍と魔喰龍は姿が視えないが・・・・戦場を変えたのだろうか?
「・・・・・・・おにいさんは死なせない」
サニアが魔法をサクラに掛けはじめた・・・すさまじい魔力が込められてる
・・・・おいおい、夢にしては現実臭いぞ
嘘だ嘘だと思いながら『自分であり自分でない者≪アナザー・ミー≫』を発動してみる
「・・・嘘だろ?」
痛みも感じる
音もはっきりと聞こえるし
体の動きも夢の中とは思えないほどよく動く
俺は門を潜ってない・・・・
ただ眠っただけなのに・・・・・
俺は・・・・眠った瞬間に異世界に来ていた
次回から第六章!
瀕死のサクラ
止められない魔喰龍
そして龍人たちに起こる凶兆
キーワードは
『聖女』
『謎の術師』
『メイドさん』・・・・?




