第3章HURUHATA☆QUESTpart2
今回予想以上に分厚くなりそうです・・・第三章もpart4までいきます。
文化祭で部活動合同フォーラムを行なった体育館に全校生徒が集まっていた。
生徒会長の引き継ぎ式のためだ。
毎年形式的なものであるはずのこの式は今年に限っては重要な意味を持っていた。
「古畑さん、後はよろしくね」
「はい」
まさか黄金比元生徒会長と古畑さんが握手する時が来るとはねー
黄金比派は黄金比元生徒会長の卒業式の答示を除いては生徒会長として最後になる彼女の舞台を泣きながら見ているし、普段は敵対している朝日奈派も彼女に対しての敬意か息を潜めている。
「ふああっ、、、早く終わんねえかな」
俺としては対岸の事なのでどうでもいいことだが。
欠伸で涙が溢れる。
古畑さんはあの後新聞部部長を兼任することを条件に生徒会長選挙に立候補した。
荒れるかと思われた今回の選挙だったが意外なことに候補者№1は勝てない戦はしないと立候補を取り消し、候補者№3は健康上の理由(?)から辞退した。
そんなわけで脅されて立候補させられた新聞君と古畑さんの一騎打ちとなった。
黄金比派として担ぎ上げられた新聞君なのに、黄金比元生徒会長が古畑さんを担ぎあげているんだから勝てるはずもない。
それでも真面目な人や普段から新聞君を評価している人から古畑さんが手に入れられなかった10パーセントの投票をもぎ取った。
敵が古畑さんでなければ彼が生徒会長だったかもしれない。
そして今日名実ともに
古畑さんは鷺ノ宮高校生徒会長に就任した。
黄金比元生徒会長がにこやかに差し出した手を、少し気まずそうに握り返す古畑さん。
周りの注目が否応にも注ぐ。
いやあ蚊帳の外でよかった、こんなに大変そうなことは関わりあいたくない。
新聞部も古畑さんがいなくなるわけじゃないから俺への影響は全くない。
俺の隣の人も同じ気持ちなのか手をブンブン振って古畑さんに聞こえるぐらい大きな声で叫ぶ。
「古畑さーん!選挙では負けちゃいましたけど応援してますよー!蚊帳の外から!」
「背後から小陽ちゃん」
「!?」
新聞君は首がねじ切れるかと思われるほど首を背後へ急激に回転させ後ろを確認する。
「い、、、いない」
さっきまでゆるみきった笑みを浮かべていたというのに瞬時にいつもの顔に戻った。
新聞君は彼女がいないことを確認するとぐでえっと床に座り込んだ。
油断しきってんなあ・・・最近小陽ちゃんは彼の元を訪れていないようだ。
黄金比さんの後を継ぐのは私(?)だと最後の最後まで新聞君を頑張らせていた分、負けたことに相当落ち込んだんだろう。
「ひどいよ、如峰月君・・・最近小陽ちゃん見ないから油断しきってるんだよ?」
「絶対負けた腹いせに小陽ちゃんに消されると思ったんだけどな・・・何で生きてるんだ?」
「おいおいおい、縁起がわるいこといわないでよ!?そ、そもそも君が先に消されるんじゃないかい?黄金比元生徒会長と結託して古畑さん担いだんでしょ?」
・・・え?
あの娘の攻撃は新聞君限定じゃないの?
いや・・・でも考えようによっては俺も対象になるかも・・・
冷汗が頬を伝う。
「い、、、いやいやいや!俺に攻撃するようなことはないだろ!?」
「黄金比さん関わったらあの子何するかわかんないよ?」
「・・・・(確かに)・・・・いやいや!期待に応えられない役立たずと新聞君が一番に消されるんじゃ?」
「負けた原因作った諸悪の根源を先に・・・だろ?古畑さんは消されるたまじゃないし。」
「「・・・(ガクガクブルブル)」」
どちらが先に小陽ちゃんに消されるかをお互いに主張するが、、、どちらも酷く現実味がある。
まさか新聞君か俺を消す準備をしてるから新聞君や俺の前に姿を見せないんじゃ・・・
だって普段のあの娘だったら絶対そうするもん。
ヤバいよ・・・この歳で消されたくねえよう
いや、もしかしたら新聞君に飽きただけかも・・・
「し、、、新聞君、、、いつごろから小陽ちゃんは姿を見せなくナッタノカナァ!」
「ま、ま、ま、投票結果を聞いたその日の内ダヨ!」
「「・・・(間違いねえ。腹いせに殺す準備進行してるぅ!?)」」
「こ、、、こんな式に出席してる場合じゃねえよう!?小陽ちゃんがどっから狙ってるか分かんねえ!」
「た、、、確かに!群衆に紛れて僕たちを刺殺するつもりかも!」
「お、、落ち着け!俺達はそもそも過敏になり過ぎだ!人がそう簡単に人を殺そうとするわけ・・・」
そ、、、そうだ!
どんなに恨みがあったとしても現代社会で人が人をそう簡単に殺すわけがない。
小陽ちゃんだって姿が視えないのは体調崩しただけだろうし・・・
そうだ!
例えば古畑さんだって俺に嵌められた恨みがあるだろうに今のところ俺を抹消しようとはしていない。
だよね古畑さん!・・・と彼女に手を振ってみた。
彼女は俺の手の振りに合わせてこっそり手を振り返してくれた。
ん?
にこやかに壇上で黄金比さんと笑いあっている古畑さんがこっちを見ながら口を動かしていた。
-イマノウチニ『イショ』カイトケヨ?・・・ツイデニ、アラフミモネ♡-
「「うわあああああああああああっ!消されるうっ!?」」
二人で体育館を飛び出した。
「謝って許してもらおう」
新聞君が遺書を書きながらそんなことを言ってきた。
俺は医療保険の詳細を確認しながら答えた。
「古畑さんに?それとも小陽ちゃんに?」
「いや、なにさりげなく古畑さん加えてんのさ。僕はどちらかというと古畑さんに負けたっていう被害喰らってるんだよ?なんで謝りに行くのさ。」
「あんなに嬉しそうに負けたこと喜ばれたら、生徒会長になることは本意じゃなかった古畑さんのことだ・・・ちょっとイラッとしたんだろうさ」
「イラッとで遺書書かされてたまるかあ!」
「お客様、お静かにお願いします」
「あ、すいません・・・・」
俺達二人はあんな人が沢山いるような場所ではいつ人ごみに紛れて暗殺されるか分かりやしない。
というわけで俺と新聞君は学校を早退(無断で)し、近くのカフェに入り浸っている。
流石に古畑さんでもこんな人目がつく場所で抹消しようとはしないだろう。
制服は目立つからと適当な店で購入したセンスのいいお洒落な私服を着た新聞君とジャージを着た俺。
せっかく目立たないように私服に着替えたのに遺書やら生命保険のチェックやらと作業をしているせいで目立ちまくっている。
新聞君が興奮して声を張り上げた瞬間マークでもされていたのかすぐにウェイターが走ってきて注意してきた。
「「はあ・・・」」
「お互い女性には苦労するね・・・」
「しかも一切恋愛絡みは無いっていうね・・・ハハ」
「「はあ・・・」」
二度の溜息・・・お互い苦労してんなあ本当に。
新聞君はアイスコーヒーを少しだけ口に含むと疲れた目を指で揉みほぐした。
俺はいつも通り味付き牛乳か緑茶がよかったのだがカフェなので置いてないからと同じように頼んだカフェオレを少しだけ口に含み・・・苦いと眉をひそめて涙目で飲み込んだ。
新聞君みたいにちょっとおしゃれに物事をこなせるようになりたい・・・
「さて、、、出るか」
「え?まだ残ってるじゃないか半分以上。」
「これ以上こんな苦いの飲めるか。それに行くんだろ?」
「・・・付き合ってくれるのかい?」
「友達の死に目ぐらい付き合ってやるさ」
「冗談でも止めてくれないかなあ!死亡フラグとかいらないから本当に!」
「冗談でも言ってねえとやってらんねえよ!怖えもん!超怖えもん!」
「ああもう行く気失くした!」
「でも行くんだろ!勝手に逝って来い!」
「今『逝く』って字使ったね!?止めてよ!死亡フラグだからね!」
「でも心配だから行くんだろ!」
「そうだよ!なんかこのままじゃ僕が負けたせいみたいな感じじゃん!今日なんて学校きてないみたいだし!」
「じゃあ行けや!」
「ああ行かせてもらうさ、彼女の家へ!」
「お客様!LET´S GO OUT!!」
「「・・・ごめんなさい」」
小陽ちゃんの家というよりは屋敷にやって来た。
意外な事に良家のお嬢様だったようだ。
背の高い木の塀が並べられ、大きく立派な門。
なんかその隣には普段使う用か使用人用かは知らんが小さな門・・・うん、門二つとか間違いなく金持ちの家だな。
「「は、入りにくい!」」
「じゃ、後は頑張ってね」
「お願い!一緒にいて!」
「小陽ちゃん心配なのは新聞君だけでしょ?俺は金持ちの家に入るとじんましんでる病気なんだよ」
「嘘つくな!」
「はいはい、、、」
気圧されまくっているというのに、新聞君の選択肢に帰るという文字は無い。
わざわざ自分の首晒しに来るなんて、新聞君もなんだかんだで相当なお人好しである。
加害者を心配する被害者ってなかなかねえよ?
一人じゃ女の子の家なんて行きづらいだろうしとついきている俺もだけどね
「ほんと、でかいねー」
「新聞君来たことないの?」
「選挙の『一方的な』打ち合わせはいつも僕の家だったからね・・・」
「それ何の罰ゲーム?」
新聞君の家族は小陽ちゃんと新聞君をくっつけようと全力で活動し、それにブチ切れた小陽ちゃんの鉄拳が新聞君に降り注ぐ。
・・・新聞家よ本当に小陽ちゃんでいいの?
「てか気後れするね、このでかさは」
「ああ、帰りたい・・・」
俺も新聞君も基本住んでる家は一般的な一戸建てなのでこんなでかい屋敷は無理無理。
気軽にピンポン押す気になれなかった。
「格式が違い過ぎる・・・門前払い確実じゃない?」
「でも、、、ここで逃げたら暗殺されるっ!」
やだこの人かっこいい
新聞君は遂に呼び鈴に震える指を押し込む。
そのまましばらく待つとインターホンから男の人の声が聞こえた。
「はい、山梨組本部でございます」
「「・・・組?(土木現場の組でありますように!!!お願い!!!神様ァァァッ!!!)」」
「ご用件は?」
「や、や、や、山梨小陽さんに会いに来たんですけど」
「・・・お嬢の?もしやご学友でごぜえますか?」
「「はい・・・(OZYOU!?もしや此処はヤ印団体の活動拠点でごぜえますかあ!?)」」
「少々お待ちを!」
屋敷内から不自然なほどバタバタと音がする。
特殊警棒を隠せだのスタンガンはどうするだの聞こえて来る・・・茶か?度す?
ヤバい・・・別の意味で帰りたくなってきた!
「新聞くん、俺ちょっと用事「ピンポンダッシュ的に捉えられて落とし前つけさせられるよ?」・・・何でもないよ」
扉の奥からガタガタしてるのがようやく収まったようで小さな扉が押し開かれた。
「「「「「「「ようこそ!山梨組本部へ!」」」」」」」
いわゆる若い衆が沢山出てきた。
若い衆たちがどうぞどうぞと言うので仕方なく魔窟へと足を踏み入れる。
門を潜るとさらにたくさんの若い衆たちが一斉に礼をしてきた。
・・・もう決定だよね?あれだよね?
怖くて一歩も足を踏み出せないでいると若い衆の塊が急に開け中からスーツを着た若い男の人が出てきた。
右目に傷さえなければ好青年であろうその男性は柔らかい声で笑いかけてきた。
「いやあ、お待たせして申し訳ありません。お嬢がまだ出られないようなのでしばらく中でお待ちいただけますか?」
「・・・どうもありがとうございます」
流石社会的な新聞君だ。
若い衆の笑みを浮かべているであろう顔にキチンと笑い返す。
俺?
笑う努力はしたよ?
「さ、さ、こちらへ」
どうやらそのまま案内してくれるようでその人の案内で母屋へと足を踏み入れる。
立派な庭園とか屋敷が一億二億じゃ効かないぐらいデカいとか調度品が金色だったりと言いたいことは山ほどあるがとにかくあれだね、儲かる職業みたいだね・・・
「ふ、、、普段は何をされてるんですか?」
「新聞君!?何必死に目を逸らそうとしていることにロックオンしようとしてるの!?」
「もしかしたら荒っぽいだけでただの土木関係かもしれないじゃないか。思い込みで怯えるのは失礼だよ!(コソコソ)」
「な、、、なるほど(コソコソ)お、俺も気になります!」
「あ~気になりますか?けっこう『いろいろやってるん』で一言では言いにくいですが派遣業ですね、主は。」
「「・・・派遣?」」
「ええ。任されてる店で『問題』が起こったら即座に『若い衆』を送り込むんですよ。」
「「・・・リッパナオシゴトデスネ。」」
「あとは、、、最近は『薬の販売』もサイドビジネスでやってますね。」
「「ヘエ・・・スゴイナア・・・」」
間違いない、モノホンだ。
震える足を叱咤して無心で彼の後をついていく。
コンクリート
東京湾
沈む
気付いたときにはなんか狭い部屋に男三人が座っていた
彼の案内でたどり着いたのは茶室のようだ。
若頭が手慣れた手つきで茶器で茶を沸かす。
大河ドラマで出てくるようなすんげえ狭い茶室でスーツ着てるとか、、、やくざ趣味だわ~モノホンの。
そんなことを考えながら若頭さんと新聞君と俺という男三人が黙ったままそこで待つ・・・誰を?
「若頭!オヤジがいらっしゃいやした!」
「おう!入ってもらえ!」
ただでさえ狭い茶室に熊のような大男が入って来た。
どうどうとした貫禄ある見た目に大きな特注の虎柄の和服・・・モノホンだあ!?
大男は入るや否や目をギラッと光らせて、若頭に向け腕を振り降ろした。
若頭が鼻血をぶっ放しながら謝罪する。
「バカ野郎!茶室にスーツで来るやつがあるか!」
「す、、、すいませんオヤジ!」
「「・・・(え~~~~)・・・」」
「もういい!さがれ!」
「へい!」
・・・オヤジ=組長ですね、分かります。
山梨組組長、、、山梨小陽ちゃんの親父さんはどかりと座り込むと意外と器用な仕草で茶をたてはじめた。
「すいませんのう、小陽はまだ部屋から出てこんのでしばらくの間儂が応対させてもらいます。」
キャバクラで写真で選んだかわいい女の子を指名したはずなのにヤクザが出てきた気分だ。
親父さんはダンプカーのような力強さでジャカジャカ茶をたてながらニコヤカに嗤う。
「さっきの信藤の不始末は済まんです!まさか茶室に和服以外を着るなんて無礼働くとは思ってなくです!つい手が出てしまいましたです!」
「「はははは、、、、」」
あのう、、、俺達お洒落私服にジャージなんですけど、、、殺されませんよね?
変な訛りに下手くそな敬語をマシンガンのようにバラまきながら親父さんは俺達の前に茶をガツンと置く。
「さあ、どうぞ!どうぞです!」
抹茶か・・・ギリギリ緑茶だな。
ウーロン茶とかコーヒーなら断るところだが、、、飲むしかない!
「じゃ、、、じゃあ、いただきます。」
茶器をがっと掴みぐいっと口につける。
あ、意外と緑茶・・・
「あ、、、です」
「ぶふぉお!?」
「如峰月君ッツ!?」
親父さんが血管を額に浮き上がらせながら声を出したので、鼻から抹茶を思わず吹き出してしまった。
だって、、、怖いじゃん。
親父さんはそんな俺を見てすいませんのうと頭を下げる。
「いやあ、すいませんのう。茶道知らん人間に作法を強いてしまうとは・・・好きに呑んで下さいです!おい、信藤!」
「へい!」
「お客さんが抹茶をこぼしてしまった、拭く物を!」
「え?そんなことを!?(顔を真っ青にしてこの世の終わりの表情)」
「「・・・やっちまったああああああ!?」」
「阿呆!」
「ぶはあ!?」
信藤さんブッ飛ばされたああああアアッ!?
信藤さんはまるで車に撥ねられたかのように二転三転バウンドし、ぴくぴく動くボロ雑巾になった。
「馬鹿野郎!お客さんが怖がってんじゃねえか!」
「すいません、オヤジ!」
「たく、、、茶道の作法も知らねえバカを〇〇〇にしたのは随分前のことだろうが・・・」
茶道・・・SADOU?
ミスすれば〇〇〇されるようなシロモノでしたっけ!?
新聞君が俺に耳打ちしてくる。
「・・・・・・(なにしてるのさ!茶道の基本ぐらい分かるでしょ!?しかも鼻から吹き出すとか最低だからね!?)」
「・・・・・・・(しょうがねえだろ!お茶は緑茶しか飲まねえんだよ!抹茶なんて高級なもん、高級すぎて体に合わねえんだよ!)」
「・・・・・・・(だからって鼻から吹き出さないでよ!ミスは連帯責任なんだからね!)」
「・・・・・・・(そこまで言うなら俺に茶道がどんなのか教えてくれよ!)」
「あ、ちょ!?順番交代とか駄目だって!」
「うるせえ!偉そうに言うんだから俺に手本を見せやがれ!」
「お客人。申し訳ないが茶室では静かに・・・です」
「「はい!」」
どうやら自分の席は先に茶を注がれるみたいなので新聞君を無理矢理俺の席に座らせた。
自分は新聞君の席へと座る。
「おや?席替えですかです。」
「え、、、ええ!器官にまだ抹茶が詰まってるんで、先に新聞君にお茶をたててあげてください!」
「ははは、、、仕方ないなあ如峰月君は・・・(覚えてろよ)」
「わ、わるいね、、、(おうよ、生きてたらな)」
親父さんがそうですかい、そうですかいですともう一度お茶を点てはじめた。
お茶を点ててる間は俺達に背中を向けているので作戦会議をこそこそすることにする。
「・・・・・・(新聞君!ちなみに茶道の作法大丈夫!?)」
「・・・・・(頂きます、、、茶器を回して、、、飲んで、、、もう一回茶器を回してからおいて、、、結構なお手前でと一礼、、、だね)」
「・・・・(おお、流石新聞君!でも、それで大丈夫なの!?)」
「・・・・・(大丈夫!ミスしても大丈夫な方法がある!)」
「・・・・(おお!頼もしい!)
「さ、、、どうぞ」
新聞君の目の前にこつりと湯だった抹茶が置かれる。
新聞君は・・・茶器に触れるかと思いきやその手を膝に置いてオヤジさんの顔をしっかりと見た。
「すいません、僕たちはあまりこういう場に慣れてなくて、、、不作法があると思いますがお許しいただきたく」
「お?、、、ああ!もちのろんやです!好きに呑んでくれです!」
「では、、、いただきます。」
・・・流石新聞君だ!
先に不作法があることを謝ってしまえばある程度は見逃してもらえる!
よし、、、俺も真似させてもらおう!
新聞君はまるで茶道の段持ちかと思えるぐらい自然な一礼をして茶器を持つ。
茶器を回すその仕草も優雅そのものだ。
くるりくるりと回すその優雅さや姿勢の綺麗さに思わず親父さんもほうと息をつく。
流石新聞君だ・・・器用だわあ。
やったこともないだろうに簡単に人並み以上のことをやってみせるとは・・・
くるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるりくるり
「・・・(何人分回してんだぁッ!?)」
「・・・・・・・・(超必死にクルクル回している)」
「・・・・(おい!親父さんめっちゃガン見してるって!マジ血管額から浮き出てるって!?)」
「・・・(実は僕、、、猫舌なんだ)」
「・・・・・・・(飲め)」
「・・・・・・(せめてふうふうさせて!冷たいぐらいじゃないと飲めないぐらい猫舌なんだ!)」
ガッ
グッ
バタバタバタ
ごぶっ・・・・ごぼごぼ・・・・ごきゅっごきゅっ・・・・ぷしゅっ
ばたり!
ふう・・・
「美味しすぎて昇天しちゃったみたいですね・・・結構なお手前で」
「・・・今、見間違いじゃなければ無理矢理飲ませたように見えたんですがいです。」
「ははは、、、まさかあ。」
「・・・そうですかい。じゃああなたの方はもう一杯いかがですかいです。」
「あ、気管が今詰まってるんで。」
山梨家もう少し続きます!




