第3章HURUHATA☆QUESTpart1
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「ソーラのことは忘れろ」
俺はサクラに掴みかかろうとしたがひょいとかわされた。
「落ち着けって・・・」
「落ち着けって!?ソーラがもし朝日奈楓とかかわりがあったらどうすんだ!」
俺がサクラと感覚を共有しているようにソーラと朝日奈楓に繋がりがあるとしたら・・・
『思い出し痛』みたいな苦しみを与えるようなものだとしたら・・・
精神的な重い苦しいストレスで・・・感覚鋭敏化などが起こったりしたら・・・
最悪ソーラが死んだらそれが朝日奈さんに・・・
「お前が好きなのは朝日奈楓?それともソーラ?どっち?」
「・・・は?朝日奈楓だけど?」
サクラがため息つきながら、地面にズカッと座り込んだ
「座れよ」
「・・・わかった。」
ちょいちょいと促してくるので向かい合って座ることにする。
「お前のしたいことは朝日奈楓の重要NPCになることじゃねえの?」
「そのためにソーラを!」
「彼女を笑顔にできる立ち位置にお前は今いんの?」
「!?」
「一番したいこと疎かにして他のもんに手ぇ付けてんじゃねえよバカ。」
言い返せないときって人は一瞬呼吸が出来なくなる。
サクラは俺の眼をジッと見るが俺は彼の眼を見れない。
・・・主人公はずるい。
いつだって簡単に会話の主導権を握ることが出来る。
「ソーラのことは俺に任せろ」
「だい・・・じょうぶなのか?」
「任せろ・・・そのかわり現実の方で手ぇ抜くんじゃねえぞ?」
「でも、、、ソーラの無事が、、、」
「龍応石がこんだけギラギラ光ってんだ・・・本体も元気いっぱいだろうよ」
「分かった・・・現実に集中するよ」
俺は・・・『主人公』を信じることにした。
生きている以外何も分からないけれども
俺は自分の現実にだけ集中することにし、ソーラのことをサクラに任せることにした。
朝日奈楓と文化祭をまわったり
伊月とういるるにハブられたり
不覚にも白凪に見惚れてしまったり
・・・と想い出多い文化祭だったが気付いたときには終わっていた。
次の日の体育祭も決められたスケジュールを淡々とこなしていたらいつの間にか全体の結果発表。
あ、うちのクラスのオブジェは一応最優秀賞だった。
みんなそれなりに喜んでたけど、、、俺は文化祭終わっちまうことへの残念な気持ちの方が強かった気がする。
そして打ち上げやら後片付けやらしているうちに文化祭良かったとか終わって残念だとかいう思いよりも文化祭中は忘れてしまっていた疲れが頭を埋め尽くし次の日は丸一日寝てしまった。
本当に最後の最後まで忙しい文化祭だったよ、、、全く。
しかも一日振替休日を挟んだらいきなりテスト祭りにむけた試験予備期間に入りやがった。
忘れていたが一応この学校は進学校だったな。
ちなみにこの試験の目的は夏休みの間も怠けず学習を積んでたかの学力調査であり、夏休みだからと勉強サボって赤点取ったバカにペナルティーとして補習授業+課題をプレゼントすることである。
そんなわけでまるで夢のように楽しかった文化祭の余韻に浸る間もなく、一気に忙しい現実へと引き戻されたのであった。
でもそれでも、楽しかった思い出にしがみつきたくなるのも仕方ないんだろうなあ。
「ああ、文化祭楽しかったで・・・帰りたいわあ~あの頃へ・・・」
文化祭から二週間が経ちテスト祭りが終わった。
これからはようやく落ち着いた学校生活が送れるだろう。
試験結果発表のその日の放課後、清廉君(赤点保持者)が机で沈んでいた。
文化祭でのクラスのヒーローは夏休みを全て文化祭に捧げ我がクラスに勝利を捧げた。
そのために夏休み期間内一切勉強してないという犠牲を払ったのだった。
「くそう!テスト期間が終わったのに何故部活に行けねえんだ!」
「ハマリュウ君、鉛筆折る余力があるなら四段活用ぐらい覚えてよ・・・」
鷺ノ宮高校は私立ではあるもののバカに意外と厳しい。赤店保持者は課題が終了し、担任の許可が出るまで部活に出れないのだ。
夏休みの間野球と睡眠しかしてなかったハマリュウ(赤点保持者)も新聞君に課題を手伝ってもらっていた。
「くそう!新聞部や文化祭実行委員会で過労死寸前だったくせに、何故如峰月は成績上位で俺たちは底辺なんだ!」
「そやで!不公平やわ!わいら試験予備期間の二週間は詰め込みでずっと悪あがきしてたんやで!こない差が出るのおかしいで!」
毎日コツコツやってんだよ・・・○研ゼミ舐めんな。
普段勉強ゼロのくせに一週間程度の詰め込みで赤点回避できる方が怖い。
ちなみに新聞君は死の危険が常に迫る環境下にありながらも毎日努力し続けた結果学年トップに近い順位をとった。
俺も○研ゼミのお蔭でこの忙しかった中でも何とか学年20番以内はキープできた。
上位の余裕という奴か世話になってるからか、、、見捨てればいいのに気の迷いでバカ二人の課題が終わるように新聞君とマンツーマンで教師役をしていたが面倒臭くなってきた。
「そもそも英語の出題おかしいわ、、、難関大の過去問使うとか反則やで、反則!絶対あれのせいで調子崩れて英語以外も赤点になったんやわ!」
「そうだそうだ!教科書から丸々出ると信じて丸暗記していた俺の努力を返せ!」
「「・・・」」
こいつら救いようがねえクズだ!
まあ英語の問題は確かに難しかったけど・・・○研ゼミを受けてない者以外には。
なんと『偶然にも』○研ゼミに載っていた問題が『丸々そのまま』出題されていた。
お蔭で点数が微妙かと思われた英語が意外にも成績良くて成績上位入りできた。
いやあ『偶然』って有り難いもんですね!
と、そんなことを考えていたら校内放送で穂のちゃん先生の声が聞こえた。
「如峰月桜君、如峰月桜君。至急生徒指導室まで来なさい」
「「「・・・穂のちゃんに手を出した?」」」
「止めて!冗談に聞こえない!」
生徒指導室に相変わらず俺と穂のちゃん先生。
先生はため息をついて俺に聞いてくる。
「責任取ってくれますよね?」
「ソ、ソウデスネ・・・」
俺は背中が汗でびっしょりになりながら首を縦に振った。
穂のちゃん先生は辺りをキョロキョロ見渡して誰も盗み聞きしてないかを確認してから俺の耳元で囁く。
彼女は楽しげな声で囁いてくるがそれがとても色っぽい。
「ばれたら二人とも人生終わりですよね・・・うふふ、まるで共犯者。」
「きょ、、、共犯?」
俺の無機質な返しに少しムッとした彼女は、あ!と何か思いついたのか俺の胸を人差し指で優しくなぞる。
合法ロリのくせに・・・どこでこんな知識を!?
「もう、、、さっきから単語しか言ってないじゃないですか?ほら、、、言ってください?一生責任取るって?」
「お、、、大げさすぎやしませんかね?先生?」
「先生だなんて・・・いつもみたいに穂のちゃんでいいんですよ?」
「・・・ほ、、、穂のちゃん」
「失礼しま、、、うわ、やっぱり手を出してた。」
「「!?」」
ハマリュウが偵察に来やがった。
また学校中にとんでもない誤解が広まった。
・・・もうゴールしていいですか?
「「はあ・・・・」」
「先生のせいでロリコン疑惑がやばいんすけど?来年朝顔さん入学すんのにどうしてくれるんですか?」
「あなたが全責任被ってくれないからじゃないですか」
「いやいや、俺は素材提供しただけでまさか丸写しするなんて誰も思わないでしょ?」
「あなたに分かりますか!〆切まで後十分という時にテストの問題作成が名前の欄しか出来てないというあの時の絶望感を!目の前に垂らされた超良問と言う名の糸が垂らされた時の抗い難い誘惑を!」
「だからって〇研ゼミの問題丸写しはダメだろ!」
夏休みの間穂のちゃん先生の雑務を手伝わせられていたがその時に英語のテスト問題がまだ出来て無いと泣きつかれたことがあった。
どうやら〆切ギリギリまで面倒臭いからと逃げていたらしく気づいたら〆切当日だったらしい。
その時になって初めてヤバイと気づいた穂のちゃん先生は一から作っていたら到底間に合わないから俺に何か良い素材はないかと泣きついてきた。
俺としてはせいぜい1問使うぐらいかな?と〇研ゼミの教材を貸してあげたのだが、追い詰められたこの合法ロリは丸々テストに出しやがった・・・
自分が散々やり込んだ教材なんだから満点取って当たり前だ。
そんなわけで『百点取ったんだから私達は共犯だというこの教師とは言えないよ論』を強権を振りかざしながら述べる彼女と、『俺はまさか丸々使うなんて思わなかった責任はないよ論』を主張する完全無罪のか弱い学生は責任を押し付けあっていた。
「幸いなことに現在は特に問題は起きてませんがこのことが公になった場合、主犯の如峰月君は停学+補習授業。従犯の私は給与30%カット2ヶ月です。お互いに黙っていましょう」
「おい合法ロリ教師。さり気なく俺を主犯にすんじゃねえ。社会人なら潔く責任とれや。」
「清濁合わせ飲むのが大人ってもんですよ?」
「カッコよく言っても穂のちゃん先生がダメな大人ってことはかわらないからね?」
ぶたれた
穂のちゃん先生は俺を殴るのに使った凶器をぱらりとめくる。
どうやら『せいとめいぼ』の英語成績表のようだ。
「満点取れてたのあなただけですからねえ、、、私の協力抜きじゃ怪しまれるかもしれませんよ?」
「しょうがないですね、、、すべて正直に話しますか?」
「「・・・はあ」」
どちらが悪いとか言ってられない・・・
これはお互いが責任を被そうとすればするほど泥沼だ。
「おたがいなかったことにしましょう?若いころの過ちだったということで」
「そうですね・・・お互い忘れましょう。」
「ごめんなさい、、、生徒にこんな重荷を負わせてしまって・・・」
「いえ俺こそ軽率でした・・・せめてあの時(テスト問題をきちんと作ってるかのチェック)つけてれば・・・無責任でした、、、本当にすいません。」
「桜、、、お前、、、つけないのはないわあ・・・」
「「!?」」
変なところだけ盗み聞きしていたハマリュウの誤解を解くのに一時間かかった。
ハマリュウはしどろもどろに『だ、、、ダマッテルカラダイジョウブダヨ!』としきりにスマホを気にしていたから彼のスマホを叩き割るのにさらに5秒を要した・・・疲れたあ
ようやくハマリュウを追い払った俺と穂のちゃん先生はソファーにぐでえっと横たわった。
「たく、、、教師のくせに俺に面倒回さないでくださいよ・・・」
「くっ、、、六月の時点ではむしろ問題児だったくせに・・・すいませんね本当に。」
「まったく反省の様子が見られないんすが、、、まあいいや。穂のちゃん先生、今から教室まで戻るのも(ロリコンからペドと化したことについての追求が)面倒そうだしここで作業していいっすか?部室は遠いし」
「構いませんが何をするんです?」
「生徒会長選挙の候補者にインタビューしてきたんすよ。それを記事化しないといけないんでパソコン貸してもらえますか」
「ああ、もうそんな時期でしたか・・・作業の邪魔はしませんから原文のインタビューメモを見せてもらえませんか?生徒会顧問なので候補者がどんな考えを持っているか気になります。」
「いいっすけど、普通の記事ですよ?候補者発表もまだ公表されてないから匿名ですし」
「また古畑さん情報ですか・・・」
「いえ今回は古畑さんじゃないです。」
「?・・・まあいいですけど」
俺は穂のちゃん先生にインタビューをした4人との会話メモを手渡した。
生徒会長選挙候補者にこっそり意気込み聞いちゃいました特集! 記者 如峰月桜 編集 同名
【候補者№1とある筋肉な元体育委員会副委員長二年生】
記者「生徒会長選挙に立候補するみたいですね!」
候補者№1「いきなりなんだ!?物陰から出てきて!?」
記者「とぼけても無駄です。あまりにもおとぼけが過ぎる場合は例のあの人がやってきますよ?」
候補者№1「貴様新聞部かあ!?・・・公表前なんだぞ一応」
記者「大丈夫です。公表後に候補者皆さんのマニフェストとかを特集した記事を出したいだけですよ。でも今からインタビューしないと間に合わないんです。ご迷惑はかけませんし、いい広告にもなります。ご協力お願いします。」
候補者№1「・・・・・(しばらく考え込む)・・・・わかった。できる限りの範囲でなら答えてやるよ」
記者「ありがとうございます。ではまず最初の質問です。立候補しようとした理由はなんですか?」
候補者№1「一番の理由は部活動の設備を全体的に底上げをしたいと思ったからだ。確かにうちの学校は成績が優秀な生徒も多いし女子バスケ部とか全国に行く部活も多い文武両道な学校といってもいいと思う。でも一方で実力のある部活とそうでない部活での待遇に差が出てしまってる。部員が少ないからとか実績がないとかそんな小さな理由で設備に差が出るのはどうかと思ったんだ。」
記者「なるほど。次の質問ですが、今回の生徒会長は実質的に黄金比元生徒会長から生徒会長の座を継ぐことになりますがプレッシャーなどは感じてますか?」
候補者№1「ああ、それな。そういや黄金比生徒会長の跡を継ぐ自信がないからって生徒会役員全員が出馬を断念したって噂があったな。まあ俺はあの人と一緒に仕事した回数が少なかったから、そこまでプレッシャーは感じないなあ。もちろんあれだけの文化祭仕切ったんだし尊敬はしてるけど」
記者「ありがとうございます、最後にこの記事を見てくれている生徒達に一言お願いします」
候補者№1「分かった、、、皆が楽しく過ごせる学校になるように全力を尽くすつもりです。よろしくお願いします。」
記者「ありがとうございました」
【候補者№2 脅されて立候補させられた学年トップの成績を持つ一年生】
記者「やあ、新聞君。生徒会長候補にインタビューしにきたよ」
候補者№2「FUCK(笑顔で)」
記者「立候補した理由を聞いてもいいかな?」
候補者№2「FUCK(笑顔で)」
記者「黄金比生徒会長の後を継ぐことになるけどどう思う?」
候補者№2「FUCK(笑顔で)」
記者「・・・最後にこの記事を見てくれてる皆に一言!」
候補者№2「ド~♪レ~♪ミ~♪ふあ〜〜〜っく♪(すんげえムカつく顔で)」
記者「・・・ありがとうございました」
-あまりにも会話が成立していないため急遽候補者№2の応援弁士に来ていただきました
候補者№2「こ、こ、こ、小陽ちゃん!?ちょっ!?待っ、、、むー!んむー!うむー!?」
応援弁士「しばらくお待ち下さい」
記者はしばらく席を外すことにしました。
1時間後
記者「白目を剥いていらっしゃってますが大丈夫ですか?」
候補者№2?「はい、大丈夫です。(何故か応援弁士が後ろに立っている)」
記者「・・・深く突っ込めば自分にも危害が生じるのでこのまま進ませていただきます。では立候補させた・・・立候補した目的はなんですか?」
候補者№2?「応援弁士に黄金比生徒会長を崇拝しているなら黄金比生徒会長の後を継ぐのは当たり前じゃないかといわれたためその通りだと思ったからです(候補者№2の口はこの間半開きで涎を垂らしている)」
記者「うわあ、少しも学校の為とか考えてねえ・・・」
候補者№2?「何か?(顔は安らかなのに彼の背後からドスの利いた声)」
記者「何でもありませーん!・・・次に黄金比生徒会長の後を継ぐことになるけどどう思いますか?」
応援弁士「光栄です」
記者「・・・でしょうね!最後に生徒の皆さんへ一言!」
応援弁士「黄金比派の皆、、、私に力を!」
記者「・・・もう小陽ちゃんが立候補すればいいのに」
【候補者№3なんか既に傷だらけの温室系イケメン】
-記者が皆の想いを背負って後ろから追い打ちをかけるが失敗
記者「・・・ちっ」
候補者№3「うわあ!?いきなり何をするんだ!?」
記者「生徒会長選挙に立候補するみたいですね?」
候補者№3「あ、、、ああ。もしかして新聞部の子?何で君みたいな地味な男子なんだい?かわいい女の子じゃないと喋る気なくしちゃうんだけど」
-記者が皆の想いを背負って不意打ちをかけるが失敗
記者「・・・ちっ、ほら立候補の理由言ってみ?一応聞いてやるし」
候補者№3「わ、、、悪びれもしないとは・・・君一応後輩なんだし少しは僕を尊敬するべきじゃないか?てか男には触れられただけで虫唾が走るんだ、止めてくれる?」
記者「え~と、朝日奈楓を自分の生徒会に囲いたいから・・・と。下心満載な最悪の志望動機ですね♪」
候補者№3「男の顔は覚えない主義だけど、、、君の顔は覚えたよ」
記者「あはははは」
候補者№3「ふふふふふ」
-放送事故になりそうな冷たい笑いが響き渡る
候補者№3「ちなみに志望動機は女の子が過ごしやすい学校づくりがしたいからだよ。この学校はまだ男性の方が上に立つことが多いから、女性が上に立つ機会を増やす義務があるからね。僕は女性の気持ちがよく分かるから女性が過ごしやすい学校を作れるよ。」
記者「ちっ、これだから逆ハー要員は(小声)、、、では世間を何もわかっちゃいない御曹司先輩は黄金比生徒会長の座を継ぐことに対してプレッシャーなどといった気持ちはありますか?」
候補者№3「・・・黄金比生徒会長は現代女性の理想像を体現していた。僕も自分の生徒会で彼女に次ぐ現代的な女性の育成に励みたいと思う」
記者「最後に俺が朝日奈楓を生徒会に入れて手籠めにしようとしているとリークしたことで闇討ちを受けまくっているセクシー系イケメンさんからあちらの物陰から顔を出している朝日奈親衛隊さん達に一言オネガイシマス」
候補者№3「覚えてろよ!(運動も勉強も出来る彼は足もやはり速かった)」
記者「ついムキになってしまったが・・・編集ドウシヨウ」
穂のちゃん先生はここまで読むとふうとため息をついた。
そして笑顔のまま『せいとめいぼ』をポン・・・ポン・・・と手に軽く叩きつけはじめた。
「これはなんですか?」
「インタビューですが?」
「ド~?」
[レ~?」
「ミ~?」
「ファ~?」
「ソ~?」
「ラ~?」
「死ッツ!」
「ど!?」
音程ネタ気に入ったんだろうか?
めっちゃ勢いよく『せいとめいぼ』を叩きつけられた。
「何だよ先生!記事は普通にやるよ!」
「それじゃあ偽造でしょう!ジャーナリズム舐めんな!」
「何でです!普通のインタビューでしょう!?」
「如峰月君のインタビューが普通ならインタビューされた人間は皆死ぬわ!」
穂のちゃん先生が物凄く失礼なことを言う。
失礼な、、、候補者№1はきちんとやったじゃないか。
「何で物陰から飛び出したんです?」
「・・・ノリです」
で、、、でも候補者№2は痴情(?)のもつれであって俺のせいでは・・・
「一時間も放置してないで助けなさい。てか新聞君は友達なんだし言われなくても助けてあげなきゃ駄目でしょう?」
「ごもっとも・・・」
でもさあ、幾ら友達とはいえ自分に危害が降りかかるなら助けようと思う人間ってなかなかいないんじゃないだろうか?
つまり友人をわが身可愛さに見捨てることは寧ろ普通なことなのではないだろうか。
ならば本質能力が『友人の尊い犠牲』の俺も普通といえるな!
「あなたって人は、、、やっと部活に入ったと思ったらこうも問題ばかり起こして・・・」
「穂のちゃん先生・・・悲しそうな声を出すならその通りの態度を取ろうぜ?とりあえずさあ、その振り上げた凶器を降ろしてくれ。」
「ど~?」
「もういいよっ!」
「たく、、、これから往復喰らわせる予定なのに、、、あれ?これは・・・白紙?」
「ああ、『四人目』は今から行くんすよ。」
「・・・心配ですね。私も一緒に行っても?」
「いいですけど口出すの禁止ですからね?絶対に見てるだけで・・・お願いしますね。」
「・・・はあ」
【候補者№4】
カタカタと一心ふらんにキーボードを叩く音がする。
いつもはういるるが記事を作るために座っているその場所に座っているのは我が部の部長古畑真琴だ。
彼女はガリガリと髪をかくとうーんと背伸びをした。
彼女は顔は地味だがスタイルはいい方なので体をそらした時に形の良い胸がぷくりと盛り上がる。
・・・とそこで後ろに立っていた俺と目が合った。
彼女はその姿勢のまま首を傾げる。
「あ、おつかれ~」
「・・・おつかれっす」
「確か生徒会長選挙の候補者3人に取材してきたんだよね?見せてくれる?」
「いいっすけどそのまんまの姿勢で読むつもりですか?」
「・・・そーだね、折角だしソファーで読もう」
彼女はデスクから立ち上がるととても高そうな一人掛けソファに座る。
・・・あんなろ、自分だけ謎予算でいいモン買いやがって
対面にある来客用の固いソファに座って彼女に4枚のインタビューをまとめた記事を渡す。
彼女は一枚目に軽く目を通しただけで笑いだす。
「ちょ、筋肉、、、確かに筋肉だけど、、、ぷくく、、、匿名にするのにそれは可哀想でしょ、、、ぷくく、、、」
「・・・(相変わらず笑いのツボがわからねえ)」
彼女はそのまま二枚目へと進む
「もう!最初から新聞君って言いきっちゃってんじゃん!しかも途中から小陽ちゃんの所信表明になってるし、、、ぷくく、、、」
「まあ、黄金比派として扱われるかもしれないっすね」
「え~本人にその気ないのに?」
「ええ本人その気ないっす」
「ふ~ん、ちなみに三人目は朝日奈派で、インタビューの内容は君と候補者との喧嘩?」
「さっすが古畑さん、読む前に分かっちゃいました?」
「面白いのはここまでって気がしてたからね~」
そして彼女は三枚目を見ることもなく机にほいっと放り捨てた。
彼女はため息をつく。
古畑さんはパソコンに目を向ける。
既に候補者について調べていたのかパソコンの画面には候補者三人の顔写真が出ていた。
「普通に面白いけど、、、黄金比に勝る人材は出ないかなあ・・・」
「勝るって、、、十分彼女に届く器でしょう?一人間違いなくやる気ないのいますけど」
体育委員会副委員長は運動部全てに強い影響力があるし
新聞君はあんな目にあってるけども何だかんだで一年の中でも優秀なかなりの隠れイケメン
あのムカつく野郎も逆ハー要員になれるぐらいにはカリスマ性あるし女性からの人気はもちろん高い。
それでも古畑さんは首を振る。
「あらふみが一番マシだね。全然ダメ。この三人の誰がなってもがっかりな年になるよ。」
「いやいや、、、黄金比生徒会長と同じくらいの実績出せるはずですよ?」
「同じじゃダメなの」
「・・・何でですか?」
彼女はため息をついて苛立たしげに口を開く。
「今の代がすごければすごいほど次の世代にはよりすごい結果を求められる。例えば今の就職状況ってどうなってるか知ってる?」
「え?就職難でしょ?」
「違う、、、寧ろバブル以上の就職好況。中堅大学クラスの学生でも五・六社から引っ張りだこなんだよ」
「嘘だろ、てっきり悪いもんとばかり・・・」
「人間てのはどんなに良くてもさらに良い結果を求め続ける。勿論、就職に関しては大学の数が増えすぎて大学生ってだけでは就職には有利に働かないって事情もあるけどね。」
「ためにはなったけど、、、つまり黄金比生徒会長よりすごいことできる人間が生徒会長にならなきゃ駄目ってことね?」
「そうじゃなきゃ皆満足しない・・・私も新聞部やめちゃおうかなあって気になるぐらい学校がつまんなくなる」
「・・・そっすか」
黄金比生徒会長と敵対してるもんばかりに思ってたが、やっぱり彼女の一番のファンは古畑さんなんだろうなあ。
「いっそのこと古畑さんがしたらどうっすか?」
「私?無理無理、そんなめんどくさいこと。第一、黄金比生徒会長も私みたいな邪道な権力者が後釜じゃあ嫌でしょ。」
「いやあ間違いなく黄金比生徒会長以上に何かやりそうな顔してますよ?」
「なにかって、、、犯罪するような顔とでもいうつもり?」
「・・・ごほんごほん!」
「・・・まあいいけどさ」
思わずむせてしまった・・・古畑さんはムッとした顔で懐から一枚の写真を取り出してこっちに放ってくる。
・・・文化祭一日目。
朝日奈さんをニタニタしながら撮りまくる変態の顔だった。
「許してください!こんな写真ばらまかれたら親衛隊に粛清される!」
「なに?聞こえないなあ?」
「古畑さんまじ天使!だから許してください!」
「ぷくく、、、いいよ。あながち間違ってないしさ。」
彼女はついでとばかりに机を介してもう一枚の写真を滑らせてくる。
・・・朝日奈楓と黄金比生徒会長がマットの上でキャットプレイをしていた。
「ください!こんな写真あったら俺希望を持って明日へ進める!」
「なに?聞こえないなあ?」
「古畑さんまじ商売上手!だから五千円でください!」
「ぷくく、、、同じ流れになってるよ。・・・そうじゃなくてさあ」
「うおおおおおおおおおおっ!」
「・・・ばらまくよ?」
「はい」
おとなしくなった俺に向けてため息をついた古畑さんはだからあと言う。
「だからあ、私は朝日奈楓が跡を継ぐと思ってたんだよ。写真見ても分かる通り黄金比生徒会長と仲良いみたいだし、黄金比生徒会長が応援弁士で立候補みたいな?」
「・・・いや、ないでしょ。部活で忙しいだろうし、朝日奈楓が生徒会長になったら無計画に頑張りまくって新聞生徒副会長が過労死するだろうよ。」
「あ、新聞君が副会長なんだ・・・そしてやっぱり過労死するんだ」
「そうですよ。新聞君が可哀想でしょう。」
「何食わぬ顔で『友人の尊い犠牲』する奴がよく言うよ・・・ま、この写真で見た通り朝日奈楓は黄金比生徒会長に後継者になり得ると言わせてる。私も彼女が立候補したらそれを全力でサポートする準備をしてたんだよ?全部無駄になったけどお。」
「道理で俺の不真面目なインタビューを真面目に読んでると思ったら・・・候補者に朝日奈楓がいるかを見てたってことっすか・・・」
彼女は放り捨てた俺の四枚のメモをつまみ上げる。
そのままソファのリクライニングをぐっと下げて、ぐだあっとしながら三枚目を読みそして予想通りだとため息をついた。
そしてそのまま四枚目に手をかけ・・・タイトルのみ書かれたそのメモを持ったまま固まった。
【候補者№4とある新聞部の部長】
記者「本日最後のインタビューになりますが、頑張っていきましょう。」
候補者№4「桜君?何を言ってるか分からないんだけど・・・」
記者「どっかの親切な誰かさんがお友達紹介で立候補用紙に名前を書いてくれたようですね!お気持ちは!?」
候補者№4「ちょっと待って!?何勝手にやってんの!?私生徒会長する気なんてないけど!?てか本人が持ってってないのに何で受理されてんの!?」
記者「黄金比生徒会長が応援弁士を務めて下さるようで!お気持ちは?」
候補者№4「あ・い・つ・かああああああああああッ!?私をハメやがったなあ!?」
記者「まあまあ落ち着いて」
候補者№4「落ち着いてられるかあ!誰が生徒会長なんてこの好き勝手ばっかの協調性なしな曲者だらけの鷺ノ宮生をまとめるなんて面倒な厄介事引き受けるもんか!絶対に私はしないよ!」
記者「あなたが曲者の中でも筆頭格の曲者なんですけどね(笑)」
候補者№4「ぶっ殺すぞ!(怒りで我を忘れている)」
記者「最後にこの記事の公表は候補者の発表の前なんですがご存知ですか?」
候補者№4「ま、、、まさか、、、」
-候補者№4さんはパソコンをカタカタし始めた。
-そしてこの俺と黄金比生徒会長の合作である4つのインタビュー記事が鷺ノ宮高校のあらゆる情報網にアップされたことを知ってあんぐりと口を開けた。
候補者№4「・・・私の情報網を潜り抜けた?」
記者「黄金比生徒会長はすんげえ人でしたねえ・・・最後の最後まで。まさか後継者の為に生徒会長の
全権力だけじゃなく実家の権力まで使うと思います?」
候補者№4「・・・(有り得ないという顔でふるふると首を何度も横に振った)」
記者「では、この記事を現在進行形で見ているであろう生徒たちにメッセージを」
候補者№4「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
記者「ちょ、古畑さん!?早く一言!(小声で必死に囁く)」
候補者№4「・・・・ど~れ~み~?」
記者「え~、候補者№4さんがまだこっちに戻ってきてないようなので、、、またの日までさようなら!」
以上
一週間後
得票率90%という前代未聞の結果
・・・そして後世の代のどの生徒会長も出せなかった快挙を成し遂げて鷺ノ宮高校の新しい生徒会長が決まった。
彼女は就任直後の最初のインタビューでこう言ったそうな
「あそこまでやられたら逃げられないでしょ・・・(涙目)」
・・・まあそうだね。
他人事であるが(笑)
だが俺は知らなかった。
既に彼女の復讐の手は俺に向けて伸ばされていることを・・・
俺をずっと苦しめることになる『古畑クエスト』が既に始動の準備を迎えていることを・・・
俺はまだ知らない。




