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異世界でもう一人の俺が暴れすぎてキチガ○と呼ばれている件について  作者: 浅き夢見む氏
第一部:異世界にキチガイが舞い降りて、物語が幕を開く<曇の奇術師編>
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第2章NPCでも主人公でいられる場所part1

第二章が一番難しかった・・・

水中に潜る前に皆が最初にすることは何だろうか?

人によっては準備体操。

人によっては覚悟。

でも大前提として、、、息をしっかり吸い込むことが必要である。

それが出来てないと、、、


「ぶぼごえあぎゃばびゃああああああ(たすけてえええええええええええええええええ!)」


しにます


いきなり俺の意識がプツンと切れる感覚。

風船のように空から俺は溺れている『俺』を見つめていた。

ほがっ、ほがっ・・・ともがきながら、水面に上がろうともがく『俺』を傍から見つめている感じだ。

残念なことに幽体離脱とかそういうノリではなさそうで、今俺が見詰めている『俺』は元気にもがいてる。


夢というわけではなさそうで、溺れ・・・NOW!な『俺』と感覚共有しているのか、鼻のツンとした痛みや、水が肺に入った時のむせる苦しさを俺は感じていた。

水の中からようやく這う這うの体で上がって来た『俺』は、げはっ、げはっと咳き込みながらようやく立ち上がった。

脚がしっかりと地面に着く感覚があるから、もがいてるうちに浅いところにでも出たのだろう。


ようやく水から這い出た『俺』の咳き込みが少なくなるのに合わせて苦しさは軽減され、俺も『俺』の真上から周囲を見渡す余裕が出てきた。

全くもってクリソツな真下の『俺』が今までいたのは、湖の中のようだ。

本当に死ぬかと思って、怖かった・・・


辺りは、森の中。


森の木々は、広い葉っぱの木や、針葉樹などのさまざまな種が入り混じっていた。

ここまで、種類が揃ってないという事は相当な田舎だなここは・・・都会の森の木々は伐採や管理の効率化などを考えて同じ種の樹木で造られたものが多いからである。

つまり、ここは鷺ノ宮からかなり離れた場所という事だ・・・

やばい、、、なんか怖くなってきた。


「・・・・・・い、異世界キタ――――――!!!なにこれ!?このまえ、なろう小説で見たよ!この展開!主人公ルートけってええええええええい!」


どうやら、俺とこの叫んでいる『俺』とやらは随分性格が違うらしい・・・感覚だけ繋がってるようだ。

だって俺がシリアスになってる真下で、バカみたいに叫んでるんだもん。

もし俺が真下のアレなら、NPCの俺にそんな主人公っぽい事起こるわけないと真っ先に否定するところなのに・・・

でもこの『俺』は、寧ろ主人公になりたいって思いを前にドンドン押し出している感じだ。

なんか、気が抜けた。


「ひゃっほーーーーーーい!」


・・・って、何上半身裸になって泳ぎ始めてんだ、あのアホ!

誰かに撮影されてたらどうするつもりだあのアホ!

アホ!もっかい、アホ!


念のためにと周りを一応確認してみたが、妙な白い霧が湖の周囲を妙に正確に縁取っている為、ぼんやりとしか遠くを見渡せなかった。

よし、、、誰もいない。


「ひょおおおおおおおおお!」


湖からいきなり飛び出した俺は興奮冷めぬまま、ふおおおおおおおとか叫びながら全力で広い湖の周りをダッシュし始めた。

・・・いい加減にしろ!

とっ捕まえたかったが、俺からは走り回ってる『俺』に対して声をかけることも触れることもどうやら出来ないようだ。

それどころか、もう一人の『俺』の体に引っ張られてしまうぐらいだ。


守護霊なのか!?スタンドの一種なのか!?俺エェェェェェェ!?

不便で、理不尽すぎるこの状況を俺が把握する前にもう一人の『俺』がまるで『主人公』のように後先考えずに行動するせいで、NPCの俺は考えに集中できない。

せめて、ぐいぐい引っ張られるのだけでもなんとかならんかなーと半ば諦め気味で反対方向に進もうとしていたら(ヤケクソ)、いきなり『暴走俺』は動きを止め、直立不動の姿勢で気を付けをした。

鏡を見ているかのような俺の顔は物凄い真っ赤になっていて、何事かと辺りを見渡いてみれば、目の前には同じく真っ赤な顔をした女の子がいた。





ただし、全裸です。






・・・・・・ふあっ!?


俺とほぼ同じ年だろう銀髪のその少女は、顔を真っ赤にしてフルフルと震えながら体を隠した。

腰までの深さしか湖の水はなかった為、どうしても白い肌が露出してしまうようだ。


日本人では引きこもりか・・・とか思われるぐらい肌は白いのに、この銀の髪の少女にはとっても色白なその肌が合っていた。

勿論、他人事だからこそこんな冷静に考察できているが、俺じゃない『俺』は全然冷静じゃなかった。

真っ赤になってがちがちに強張った顔を必死で動かしながら、『俺』は口を開いた。

・・・流石だな、NPCの俺だったらごめんなさい!って叫んで逃げるところだが、どうやらこいつは相当な『主人公』格らしい。






「良い体してんね!眼福だったぜ!」






・・・相当なあほらしい。

ねえ!?俺そっくりな顔で何言ってくれてんの!?


しかし、少女は開き直って、グッと親指を突き出している俺にニコッと笑いかける。

マジか!最近の女の子ってそういう冗談通じるのか!?

童貞には何が正解なのか分からないよ!?

少女は俺に笑いながら、足元に置いてあったのか杖を取り出すとそれを向けてきた。


「『曇の魔術―纏』、そして『曇の魔術-喰』」


何となく、嫌な予感がしたので辺りを見渡してみた・・・

周りの・・・白い霧が・・・彼女の周囲を・・・覆って、裸体をローブのように覆い隠していた。

ぱないっすわー、どうやら俺は(正確にいうと俺の真下の俺だけどね)異世界にガチでトリップしたようだ。


なんか、傍観できるこの立場だからこのくらいの諦め感だが、真下の『俺』は・・・


「ま、、あ、、、、、ま、、、、、魔法!?いや、科学な超能力であって下さい!お願いします!誰か助けて!」


超あわてながら、周りに助けを求めようとしていた。

視界がちょっとぼやけている感覚や、鼻がツンとする感覚を共有していることから・・・かなり、泣いてる感が出てるな。

可哀想に。


少女はふふふと意味ありげに笑いながら、ローブから伸びた白い霧を近くの木に伸ばしていった。

少女がその伸びていく霧を指さすので何となくそっちを俺も、『俺』も見てしまった。


白い霧は一本の木をすうっと木が見えなくなるまでの濃さで覆い隠してしまった。

種類は特には分からなかったが、10メートルはあるんじゃないかと思えるぐらいの高さに、人が何人も周りにいないと囲えないんじゃないかってぐらいの太さだ。

目立つ木だから、それにしたのだろうがこんなでっかい木を一瞬で霧は覆ってしまった。


「戻って来て」


そして、その少女の声に反応し、白い霧はまた彼女の方に戻って行った。

それに合わせて、霧は薄まっていき、、、おっふ、見なきゃよかったわ。



なにもなかった



正確に言うと、地面スレスレで木が残っており、その表面はヤスリで磨かれたかのようにぴかっていた☆


・・・わあ、人間が喰らったら、どうなるんでしょうねえ。


「退避いいいいいいいいいいい!!!」


頑張れ『俺』!

お前が傷つけば、俺も痛いからな!

物凄い勢いで走り出した俺だったが、すぐに俺の目の前には白い霧が現れた。

昔は真面目に鍛えてた脚は俺を裏切らなかったようで、すぐにUターンして切り返す。


また目の前に来たら、右に。左に来たら右にと体を切り返していく。


この切り替えしにはついて来れまい、、、とニヤッとしている『俺』に言いたい。


上から見れば良く分かるが、段々囲まれてるぞー。

逃げる方向を徐々に無くされてきている。

凄いな、ドンドン追いつめられてる、、、くものまじゅつ?とやらは、手数が多い魔法なのかもな。

って、おい志村、後ろ後ろ!


「うわっ!アブな!」


「ちっ!」


イッツの間にか真後ろにいた銀髪の少女は、物凄く太くて重そうな杖を頭に向けて振り下ろしていた。

何とか『俺』は、よけられたようだが周囲の状況に気付いてしまった。


「観念してください、一発で終わらせてあげますから・・・その腐りきったあなたの脳味噌を湖にぶちまけるという形で。」


「それ死ねってことですよねえ!?覗きの対価が死ってやだよ!等価交換の法則に反してるよ!」


「・・・『曇の、、」


「さっせるかあああああ!」


驚いたことに俺の分身であるもう一人の『俺』は、あろうことか少女に向かって殴りかかった。

少女は望むところだと杖をブワンと振り回し、近寄れないようにする。

それに対し俺は、、、さらにスピードを上げてツッコむ。

・・・おいおい、カウンターの餌食だぞ。


少女は一瞬呆れたようだが、すぐに獲れると思ったのか、唇が半円を描く。

少女は満面の笑みで杖を殺すつもりで振り上げる。

そして有効範囲に下種で阿呆な『俺』が入った瞬間、物凄い勢いをつけて振り下ろす。


「貰ったあああああああああああああああああ」


しかし、空振りに終わる。

『俺』が、体を限界まで捻りながらスライディングすることで避け切ったのだ。

それでも鼻先を掠めた程の渾身の一振りをするために開かれていた少女の股をするっと抜け、そして地面と霧の間に会った少しの隙間をするっと抜けきった。

・・・回り囲まれていたあの状況で、よく下の隙間に気づいたな。

流石、主人公っぽい謎の『俺』。


「あはははははははははははははっ、流石俺えええええええええ、ざまあみやがれ、ば~~~~かあああああ!」


ふぉーーーーーーーーとか叫びながら彼は舌をべろべろ出して挑発しながら逃げ出した。

・・・せっかく、かっけえとか思ったのが台無しである。

そんな駄目な『主人公』にはお仕置きが必要なのだろう。


「ばっかじゃあねえのアノ女あ!あんな分り易い振り下ろしなんてえええ!運動不足ププーなんですけどおおおお!


とか叫んでる彼の横にいつの間にか、白い霧がある。

そして、そこから少女がぬっと・・・・・・・・・・・・現れてきたあ!?


「乙女の股をくぐるなんてええええええ、死いねええええええええええええ!」

「うそおおおおおおおおん!」


顔に杖めりコンドル・・・・いってええええええええええええええええええええええええええ!

俺までとばっちりじゃねえかあああ!

そして俺の視界は激痛によってブラックアウトしてしまった。



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