第2章サクラと白髪の姉妹part2
貴族編(?)完結。
「いいな、その杖。」
「ありがとう、おにいさん。」
「サニアにあまりべたつくんじゃない!」
「お主も相当過保護じゃのう・・・」
神官のような白を基調としたローブに対して、余りにもとげとげしいデザインの魔杖ゲルーニカを持ち歩くサニアに声をかけると、サニアの隣を歩いていたシノンに怒られた。
仕方ないと、再び先導に戻る。
俺達四人はのんびりと元ドン=クラーク領を歩いていた。
管理するものがいない為、人もいなければ街もない。
あるのはただただ伸びる、一本の道。
何もなさ過ぎて、歩いた距離が分からなくなってしまいそうだ。
ドン=クラークが公王に爵位を奪われたことで衰退したこの領地は、現在ではニ、三の男爵が分割統治しているようだ。
・・・しかし、ドン=クラークほど能力が無かったため、こうして盗賊の縄張りになるほど荒れ果てるところも出てしまっていた。
「なあ、いい加減依頼内容を教えてくれないか?ここら辺はゴブリン盗賊団の縄張りなんだ。あまり、長いしたくない。」
シノンは皮鎧の調子を落ち着かなさげに確かめながら、腰の細剣に手を置く。
「まあ、もうすぐ獲物が来るから待ってな。」
この一か月である程度操作が向上したのか、密度を極端にまで下げることで、目に見えないぐらいの薄い黒雲を張ることが出来るようになった。
戦力的には全然役に立たないが、『曇の網≪ネット≫』で辺りを探っていることを周りに知られないようにするのには役立つ。
今でも、周りを探っており獲物がどれくらいいるのかを把握していた。
「全員戦闘準備だ。獲物が北から迫ってきている。」
「北から?・・・あっちには城しかないはず?」
俺は周りに声をかけて、剣を抜く。
シノンが不可思げに首を傾けながらも剣を抜く。
サニアは後衛の為、俺達の後ろへ。
スカイはわずらわしげに欠伸ひとつ。
俺達のパーティーの構成は前衛三、後衛一。
バランスは悪いが、俺とスカイは遠距離もいける口なので問題はない。
徐々に土煙が前方に見え始め、敵の姿があらわになる。
緑の化け物、ゴブリン。
それがナイトであったり、メイジであったり、ロードであったり、デュークであったり・・・
腕がなる。
黒雲を細剣から漂わせる中、シノンがまさか・・・という調子で声を震わせながらこっちに話しかけてきた。
「おい、、、サクラ?お前まさか、ゴブリン盗賊団を獲物としてるのか?」
「そうだけど?」
白髪の姉妹は膝から崩れ落ちた。
「「どうした!?」」
土煙を上げながら、敵が近づいて来ているというのにシノンもサニアも呆けたままだ。
シノンがやさぐれながら、俺に突っかかって来る。
「何故だ・・・何故、下級クエストを軽く受けに来たはずなのに、、、こんな上級冒険者パーティーがレイドを組むようなクエストを受注することになっているんだっ!ここまで近づかれたら今更逃げきれんわっ!このキチガイっ!」
・・・なんだって?
もしかして、騙されたのだろうか?
ちょっとくらっと意識が遠のいてしまうが、何とか踏みとどまった。
あんな善良そうな顔をしてふてえ野郎だ。
アイツは童貞に違いない。
童貞だから、ハーレムパーティーになっている俺に嫉妬したんだろう。
童貞だと、考えれば妬みも寧ろ心地いいものだ。
優越感すら感じる。
「へっ、ざまぁ。」
「んだと!!サクラアァァッツ!」
「そっちじゃねえよおう!」
ちょっといってみたら、シノンが超絶に反応した。
マジごめんて、ほんま堪忍やでえ。
大きな笛の音が戦場となる、元ドン=クラーク領の草原中に響き渡る。
それに合わせて、ゴブリンメイジが前面に立ち列をなす。軍隊みたいな動きだ。
よくよく見れば、ゴブリンの軍勢の後ろ側には人間が混じっている。
「人間がいる・・・?」
「ゴブリン盗賊団は文字通り、ゴブリンを人間が操る盗賊団!ナイトからメイジまで幅広い層に、高い繁殖力による千以上の数。しかも人間が指揮を執るから、高い指揮能力まで持っている!」
「説明ありがとさん!『曇の網≪ネット≫』!」
シノンがやけくそ気味に叫ぶ中、黒雲を軍勢に広げていく。
精密な状況を取るために、不可視化の靄から具体化した黒雲に変えてそれを草原中に広げる。
ゴブリンの数は1342。人の数は96人。
ゴブリンの分布は主にノーマル:メイジ系:ナイトなどの上級=5:4:1
ま、、、こんなもんか。
正確な情報を得れたことで、ようやく安心できた。
これくらいなら問題ないだろう。
黒雲に刺激されたのか、再び笛の音が鳴り響きメイジたちが杖の先に光を溜めそれをこちらに向ける。
メイジたちは全体の4割とはいえ、457もの光が一斉に4人へ向けられるのは圧巻の一言に尽きる。
「シノン・・・加減してる場合じゃないよ。」
「ああ、、、サクラ、後でOHANASIしようか?」
サニアが普段のほんわかとした様子を無くし、険しい視線を前方に向けている。
シノンはそんなサニアに応えると全身からいきなり水色のオーラを発し始めた。
『嵐曇魔術≪スーパーセル≫』を使えば、難なく片付くことは分析の結果分かったので、少し様子見させてもらおうか。
・・・あ、そういや今は使えなかったわ。
ま、まあ、いろいろ隠し事の多い我がパーティーは少しお互いの隠された実力を知る機会が必要だしな。
スカイも本能的に問題ないのは分かっているのか、手のグローブをぐっぱぐっぱして、楽しそうにしている。
「『氷』系統の私が、初撃を防ぐ。その後に、サニアが砲撃。前衛の二人は開いた戦線から内部に潜り込み、暴れ回ってくれ。」
「あいよ、シノン。いたッ!悪かった!悪かったから!」
ちょっと、ふざけてみたら氷の弾がビシビシと俺に当たって来た。
威力自体は大したことないが、目とか関節を狙ってくるので地味にえぐい。
ドタバタやってるうちに、笛の音が再度聞こえる。
それに合わせて、457人のゴブリンメイジが全員詠唱終了し、魔法を発動する。
ゴブリンは基本土属性寄りらしく、殆どが岩石弾。後、たまに火の玉が一気に空へと打ち上げられ、そして俺達の元へ降り注ぐ。
弱い魔術と言えども、流石にこの数の暴力は理不尽だ。
特撮かよとうなってしまうぐらいの、魔弾がこちらに近づいてくるのが見える。
そんな中、シノンは細剣を眼前に掲げると詠唱を開始する。
詠唱級か・・・まあ、それぐらいしないと防げないかこの規模は。
「『求むるは氷の壁』『氷の特性、摩擦軽減』『壁に付加されるは魔力と氷の加護』」
青い光のドームが俺達を余裕で覆い隠すぐらいの大きさでサッと広がり
それを核に、厚い氷が纏っていく。
「『攻撃が意味を成さぬ魔法の守りをなせ』『アイシクルドーム』」
氷のドームが形成された瞬間に、数百もの魔弾が接触する。
氷のドームに弾かれた、魔弾はあちこちに飛び散っていく。
貫く弾は一切なし。
しかしそれより異常なのは・・・壁と魔弾の衝突音が一切なかった。
「え?なにこれ?」
思わずそう言ってしまう光景だった。
弾かれたというより、氷のドームにあたった瞬間、滑ってどこかに行ってしまっているので一切壁に衝突ダメージがかからないようになっている。
「すごいでしょ?シノンの本質能力は『攻めは能わず≪ノー・アタッカー≫』。いかなる攻撃も反射的に最適解を用いて受け流すんだよ!」
サニアが興奮したかのように、俺に話しかけてくる。
そっか、氷で滑らせることで直撃させない魔法の盾を一瞬で作ったんだ。
なんつう才能だ・・・魔法の選択から発動まで殆どラグが無かった。
術式も完璧で、一切俺たちは怪我をしてない。
「シノン、便利な本質能力だな?」
「え、ええ!?…そ、そうだな!便利だよ!」
シノンの反応が妙に遅かったのが気になるが、今は戦場だからそっちを気にしておこう。
「お?あいつら、火の詠唱級魔術を一点に集中させる気みたいだ。どうする?次弾は俺かスカイが替わろうか?」
氷属性の『氷剣士』である彼女には炎の詠唱級魔術は相性が悪かろうと、そう提案してみたがシノンは首を振った。
「あれくらいなら、問題ない。予定通りに頼む。サニア、あれを返すからそれに合わせて術式を。」
「おっけー」
ゴブリンメイジたちが生み出していく炎弾が一点に集まっていくことで、まるで太陽かのような大きさの炎弾になる。
流石に、『アイシクル・ドーム』で滑らせて流すのは、相性的に無理だろう。
溶かされて、貫通するだろう。
それが分かっているのか、シノンはドームを解除すると俺達より二三歩前へと歩み出た。
「『氷の特性、停止の概念』『拡張されるその概念』」
サニアはその詠唱が始まるや否や、魔杖ゲルーニカに白い光をギラギラと灯し始める。
スカイは自分の知らない魔法に興味があるのかワクワクした目をしている。
「『概念を纏え我が剣に』『刻み込め氷の概念』」
シノンの纏う青いオーラが全て細剣に集中する。
本来は赤い刀身が、青い剣に替わる。
炎の大弾がこちらへ遂に、打ち出される。
シノンも剣を掲げ、走り出す。
「『拡張される概念は時すら止める』!」
流石に457もの魔術師の魔法が掛け合わされた結果は凄まじく、熱はまだ近づいてもいない俺たちの所まで近づいてくる。
顔のうぶ毛がチリチリと灼ける中、遂にシノンと炎弾がぶつかり合う。
『氷剣・氷停』
「なんだ・・・なにがおこった・・・?」
スカイが、、、人より古来を生きるはずの彼女がその現象を見たことが無いと断言した。
炎が、、、俺達の近くにまで熱を届けてきた獄炎が凍りついていた。
一つ一つの炎弾の動きを止め、運動エネルギーを全て殺し
ただ、宙に浮くのは大きな氷の塊
全ての動きを止められたのか、その様子は超不自然なその様子は凄く不気味で
感嘆した。
「よっと」
シノンが軽く氷弾をコンと小突く。
ゴトンと地面に『氷の塊となった炎』が落ちる。
「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」」」」」」
魔術師たちはどないせえっちゅうんねんという顔で、ざわざわし始める。
てか、炎を凍らせるって何?
俺の雲以上に、説明出来ない超現象起きてるんだけど?
スカイがなんじゃあれはと呆然としていた。
守備特化の氷剣士、シノン。
リーダーとしても、戦士としてもとても優秀そうだ。
「『光線≪オーバーレイ≫』!」
そんな風に感心していたら、いきなり俺の真横を何かが通り抜けて行った。
サニアが何か叫んだのは覚えている。
その声のした瞬間、俺の横を何かが通り過ぎたのは分かった。
それに気づいた瞬間、目の前のゴブリンの軍勢の大半が消滅していた。
え?
恐る恐る、掠った?部分を見てみる鋼鉄の剣すら弾くバカみたいに堅いコートである『黒曇衣≪コート≫』ががっつりと抉られていた。
・・・え?
生身の肌が見えてるぅ?
ありえんだろ、一瞬で抉り取ったとか・・・
なんかプスプス溶けてるんですけど
「光属性持ち・・・しかもただの発動級でこの威力?え?わけわかんないのじゃ。」
同じく服の一部を光の光線らしきもので溶かされたらしい彼女は、膝をガクガクさせながら涙目で震えていた。
てか、俺も彼女も思う事はただ一つ。
あと数センチずれてたら、俺達も巻き込まれてたよね?
光線が直撃したらしいゴブリンたちは、溶解したのか溶けきったゴブリン液が沸騰していた。
・・・ドンだけ高威力の魔法を放ったんだい?
「ご、ごめんなさい!いつもは当たりそうになったら勝手によけてくれてたから!」
サニアが後ろから、必死な声で謝っているがそれどころじゃない。
シノンが本質能力の『攻めは能わず≪ノー・アタッカー≫』で生命の危機を感じ取ったのか、地面に這いつくばってブルブル震えていた。
・・・あれは避けたことに入るのかい?
何か避けたっていうより、本能が勝手に反応したって感じなんですが。
てか、長い付き合いなのに本能でないと避けられないのか?
「スカイ・・・シノンみたいに防御系統の本質能力がない俺らってもしかして、シノンの何千倍もフレンドリィファイアを喰らう危険があるんじゃないのか?」
「・・・『黒曇衣≪コート≫』どころか、儂のドラゴンの肌すら削るとか、なんなんじゃ、、、ガチで命の危険ではないか。死にたくないぞよ、我は」
・・・魔術の威力は基本、発動級、詠唱級、魔法陣級、儀式級となっている。
まず、魔法名を叫ぶだけの発動級。
次は、詠唱することによって効率的な魔法運用をしなければ発動すらできないほどのコストと難易度、、、そして威力の詠唱級
そして、専用の道具を用いて描く魔法陣によって負担を、ある程度肩代わりしてもらう魔法陣級。
『嵐曇魔術≪スーパーセル≫』並の威力がある術もあるらしい。
最後に儀式級。
詠唱、魔法陣・・・それでもまだ足りない分のリスク、コストを魔道具、そして生贄を用いることで補う儀式的魔術。
ありえんだろうというほどの威力で、国すら滅ぼすとかだそうだが、詳しくは知らない。
「サニアさん・・・詠唱してません、アレ?」
これはアリアさんから聞いた話なんですけどね?
級を一つ上げるだけで、十倍ほどの威力が変わるとか変わらないとか。
・・・余計、フレンドリィファイアの危険性高まるだろう。
発動級の魔術すら俺たちの命を削る恐れがあるのに・・・
詠唱級なんて魔術を使われたら・・・
「「うおおおおおおおおおおおっ!」」
スカイと俺は全力を使うことにした。
直ぐに戦闘を終わらせなければ=死
シノンがそうだ、それでいいんだと目で語っていた。
「サニアアアッ!魔法はもういい!マジでやめてください!お願いします!」
「「お願いします!」」
「『聖なるひ・・・』・・・え?ええ?」
サニア、、、
発動級の魔術ですら『黒曇衣≪コート≫』をぶち抜く、高速かつ超威力の魔術。
但し、味方にあてる可能性極大の職業不定な光属性魔術師。
・・・コイツには二度と魔術を使わせん!
シノンがサニアの護衛(実質は魔法使わないかの監視)に回ると共に、スカイと俺は切り開かれた戦線へと飛び込んでいく。
遠距離攻撃部隊であるゴブリンメイジやゴブリンアーチャーをほぼ壊滅(溶解)させたので、難なく戦の真っ只中につっこめる。
「よし!一気に行くぞ!『曇の一撃≪ショット≫』×沢山!」
予め散らばせてあった『曇の網≪ネット≫』から、それはそれは沢山の雲の柱が魔物たちを襲う。
最近ようやく使えるようになったのだが、雲の魔術を発動しても雲は残るからそれをさらに利用して別の魔術に利用する技術だ。
コスト削減が主なメリットだが、変幻自在というもう一つの可能性が出てきた。
さっきまで雲だったのに次の瞬間自分を襲う柱に。
さっきまで階段だったのに、いつの間にか壁に。
そんなこんなで俺の戦場は大混乱である。
俺に注目していた瞬間、後ろから攻撃。
目の前に雲かと思えば、上から攻撃。
・・・俺が敵じゃなくてよかったわ。
「『風纏≪フウテン≫』!緑がいくら成長しようが、緑は緑ぞ!」
「ぎゃあああああっ!俺まで巻き込んでるから!スカイ!・・・スカイ!」
真空の刃のような刻む風の刃を体に纏わせたスカイがゴブリンナイトを宙に吹っ飛ばしながら、こっちに突っ込んできた。
あ、あぶねえ・・・今は人化状態とはいえ、龍の筋力で突進されたら骨折だけじゃすまないから。
「・・・危なっかしいなあ。味方を攻撃するなんて。やっぱり私も参加した方がいいかな?」
「だ、大丈夫だから!二人で大丈夫だから!」
サニアさんがやる気になり始めたのか、すんごい怖いことを言い始めた。
・・・早く終わらせないと、味方に殺されるっ!?
「ら、『曇の階段≪ラダー≫』っ!」
黒雲に強化された身体能力で上へと昇っていく。
上へ
上へ
上へ
黒雲を右手に溜めながら、俺は上へ上へと駆け上がっていく。
『鳥の眼』で戦場は俯瞰してあるので、ゴブリンキングや操っている人間の位置も把握しきっている。
スカイも俺の様子に気づいたのか、徐々に戦線から離れていく。
狙うは安全圏で悠々と過ごしている人間や緑の王や貴族。
「『大きな大きな黒雲よ』『集まれ』『凝縮』『狙え』『放出』」
基本は『曇の一撃≪ショット≫』と同じだ。
違いは、その規模。
一点を貫くその技は押し潰すような別の技術へ。
矢を放つのではなく、丸太を打ち出すようなそんな技だ。
まあ、何百人を叩き潰すんだから、丸太っていう表現はねえ・・・
ま、いっか。
「『曇神宮の柱≪クラウド・ポール≫』!」
気付いたときには黒雲が目の前に迫っていた。
瞬きしたら、押し潰された。
もう一度瞬きする前に意識は途絶えた。
中枢壊滅により、ゴブリン盗賊団は壊滅した。
結論
「「「「お前ら、連携って言葉知ってるか?」」」」
その連絡はギルド内に激震をもたらした。
下級パーティーが結成したその日のうちに、上級クエストしかもレイド級のクエストを受領そして、、、成功したという嘘みたいな話だった。
しかし嘘でないことは、間違いなく確かであることを貴族であるこの少年クラナダは知っていた。
手下の人間に調べさせた確定情報だ。
・・・どうしようか
ゴブリン盗賊団を滅ぼすほどの実力者であるとしたら、今日中に闇討ちされたとしても文句は言えない。
ギルドで優先されるのはあくまで実力。
悪い意味でも有名である実力のない貴族と実力のある平民では扱いが違うのだ。
・・・取り巻き共も、この情報を得た瞬間どこかへ逃げてしまいやがった。
くそっ!
ギルド職員の人質もいつの間にか何者かによって解放されてたとか。
「くそう、、、すぐにでも、俺も逃げるべきか。・・・くそがっ、何故、貴族の僕がっ!僕はただ、『貴族の責任』を果たしただけなのに!!」
貴族は平民から信頼と税金を得、その分治世と武力を返す。
その為に名誉を傷つけられたら倍返しせねばならないのだ
自分の妾にでも、なればすぐに許してやったのに…強情な奴らだ!!
こうなったら、自分の領地から私兵を出して襲わせるか…そんなことを考えながら宿泊している宿の一室でニヤリと笑った。
そんな彼の肩に大きく何もかも包み込んでくれそうなイヤらしい手が置かれた
「何だ!?」
「Hey,boy!!☆や☆ら☆な☆い☆か☆」
「ひ、ヒイッ!?」
いつの間にか後ろに青いツナギを着込んだイヤらしくてイイ男がたっていた♂
「いやあお金もらえて、美少年でしかもノンケを喰えるなんてイイ仕事だぜ♂」
「な、なんなんだお前は!」
尻の穴がキュッてなった彼は慌てて後ずさる。
青いツナギを着た彼はふふふと余裕の笑みを浮かべてじりじりと近付く。
「いいのかい?俺の前でそんな尻なんておさえて♂俺はノンケしか喰わないガチホモなんだぜ♂おい、見てくれよ、、、こいつをどう思う?」
「ひゃああ!すごく・・・おおきいですう!!!」「クラナダくーん?…あ、まだ事前か。」
「あ、お前はサクラ!」
青いツナギのチャックをずらし始めたイイ男と逃げ惑うクラナダのいる部屋の扉を開いた。
サクラは惨状寸前のその状況を見て、眉をしかめるとクラナダに優しく声をかけた
「これから失うと思うけど、優しくしてくれると思うから…」
「!?お前の仕業かあ!!!」
「流石に、やり過ぎたんだよ、アンタは。」
桜に、街を見てもらったらあちらこちらでクラナダによる犯罪ばかりを目にした。
あんまりにも酷かったらしく桜が子分を叩きのめしたとか…
それだけではなく、今回のクエスト詐欺。
俺達じゃなければ間違いなく死んでいた、許すわけにはいかない。
「ま、後腐れないように記憶が飛んじゃうくらいの罰にしとくから。」
「き、キサマ…」
「さあ、まずはふあっくからだ♂」
「や、やめろ!尻をそんなに撫でるな!!や、やめろ!僕は貴族の嫡男なんだぞ!こんなことして…┌(┌゜Д゜)┐アッー!」
「うぇっ…お邪魔しました」
サクラは良いことしたなぐらいの気持ちでその場を後にした。
三十分後、イイ男が激しい行為により気絶した事後のクラナダを担いで裏街にやって来ていた。
「御苦労じゃ。」
「いいんだよ、姐さん♂俺は掘る穴さえあればイイ♂」
イイ男が立ち去り、クラナダが意識をぼんやりと取り戻し始めた
「く、、、あいつら絶対に後悔させてやる…」
「ほう、、、そんなことがかなうかな?」
「!?」
イシルディア姉妹とスカイが冷たい笑みを浮かべて立っていた。
本能的な恐怖を感じクラナダはまだヒリヒリする尻を抑えながら後ずさる。
スカイが笑みをうかべながら、指を鳴らす。
「サクラは甘いからのう、罰がぬるいのじゃ…」
そういうことだと、三人がゆらりゆらりと近付く。
「た、助けてれ…」
その後、クラナダはまともな人間に更生したとさ
めでたし、めでたし
クラナダはれべるがあがった!
『・・・アッ』を覚えた!
『社会の窓を開く(自発的に)』を覚えた!
『新しいセカイ』が開いた!
社交度が10000000000下がった!
その分、他の能力が上がった!
・・・総合的にはマイナスだった!




