第4章NPCはロリに興味がおあり?part4
お待たせです!ロリが出るよ!
「きひひひひひひひひひひひひひひひひっ!あ~~~~~~RI~~~~~~A~~~~!!!」
一人で目を覚ました瞬間、超回復していた魔力で再びごり押しの高速移動をして、逃げていった悪い子アリアちゃんを懲らしめようとココノハ村に戻った。(魔力枯渇にぜんぜん懲りてない)
黒雲で辺りを覆いつくして、すぐにアリアとサマンサが一緒にいる場所へとまた走った。(黒雲が辺りを覆いつくしたので、周りが大パニック。そのさなかをキレテル俺が走り回ってるのでさらに大パニックになった。)
「ありあさ~~~~ん?こ~こ~か~な~?」
一軒の木造建築の家の前に俺は立っていた。
おそらく、サマンサの家なんだろうがほかの家よりずいぶん大きかった。
旦那さんは相当稼いでいるんだろう。
ま、それより今は、アリアちゃんのお仕置きがさ~き~だ~べ~!
開いていた玄関を思いっきり開き中に入る。
「アリア~~~~~~~!・・・なんかあったんすか?」
家の中はあちこちが荒らされたかのようにぐっちゃぐちゃで、そんな中、片付けをしているサマンサさんが疲れた表情でこっちを向いた。
「あれ?サクラ君帰ってたんだ?アリアに何かあった?」
「あ~、ま~、ちょっと・・・」
魔物の大群が攻めてきたなんてギルド嬢の彼女に言ったら、間違いなくそれは緊急依頼となりギルドメンバーである俺たちは参加を強制される。
しかし今のアリアだと、最悪ギルド資格剥奪されたとしても意固地になって参加しないだろう。
さすがにアリアのない状況で危ない橋を渡るほど俺も馬鹿じゃないから、彼女に説明はできない・・・
「やっぱり、なんかあったんだ。いきなり二人で旅に出ようなんて言い出すからおかしいと思ったんだ。さすがに急には無理だとか言ったら何でよとか怒鳴り出して、あとはもう喧嘩・・・はあ。」
「あ~、もしなんですけど・・・この村にやばい数の魔物が攻めてきたとしたらサマンサさんは、旅に出ますか?」
「え?なにそれ!何で、旅に出るのよ!そこは避難じゃない!変なの!」
俺がしどろもどろに口にした言葉は彼女のツボに入ったらしく、彼女はけらけら笑い出した。
「ははは・・・(アリアも俺も不器用すぎる・・・)」
俺とサマンサさんが何となく笑いながら作業をし、片づけが終わったころ旦那さんが帰ってきた。
「ただいま~、、、おっ、あん時の頭のおかしい兄ちゃんじゃんか。どうして俺んちにいるんだ?」
「あ、あん時、俺に木刀貸してくれようとしたり、手を貸してくれようとした親切なおっちゃん。」
お互いにびっくりしていると、おっちゃんの胸の中に小さな影が飛び込んだ。
「お帰りなさい!あなた!」
「おう、今帰ったぞ!サマンサ!」
・・・通報しなきゃ。
どう見ても40歳の中年にしか見えないのに、こんな幼妻を嫁にしてるとは・・・
異世界じゃなかったら、間違いなく捕まる・・・てか、俺がヤッツケル。
俺が黒い感情を持ってると、ラブらぶなお二人がやっとこっちに気を回してくれた。
「で?なんで飛び級冒険者君がここにいるんだ?」
「ほら、今日から友達を泊めるって話したじゃない!その娘の弟子よ!」
「おお!そうだったな!ようこそ、我が家へ!俺は冒険者ギルドココノハ村支部の支部長、コンボスだ。年齢は今年で40になる。」
・・・権力で幼妻をゲットしたのか?このロリコンめ?支部長とか顔からして似合ってねえよ!マジ驚いたわ!と言いそうになった口を必死で押さえつけながらお願いしますと頭を下げた。
「どうも、サマンサさんの親友アリア=レイディウスの、、、、、、、弟子みたいなもんのサクラ=レイディウスって言います。」
「おう、ゆっくりしてけや!・・・?アリアちゃんはどうしたんだ?」
「と、とりあえず、お風呂に入ってきたら?夕飯はいつもより盛大なものにするから!」
「お、おう?わかった。楽しみだな!」
そんなことを言いながら、彼女はリア充中年を風呂場らしい部屋へと押し込んだ。
扉に背を傾けながら、彼女は俺に向かって笑いかけた。
「アリアは、体調を崩し部屋でこもってることにするから。」
心配かけたくないんだろうな。
美人ではないが、気配りのできるいい嫁さんだ。うらやましい。
幼いし。
「愛してるんですね旦那さんを。羨ましいな。」
俺がそういうと、彼女はいやんいやんと体をくねらせて照れ始めた。
可愛い、、、サマンサたん、まじカワユス。
そんな彼女はそうだ、、、といってこっちを見た。
「そういえば、この村にやばい数の魔物が攻めてきたとしたら私は旅に出るかだったっけ?多分、、、出ないと思うよ。支部長であるあの人は義務として全員避難するまで避難できないし、たとえ避難できたとしても最後まで村を守ろうとするでしょうから。」
「・・・つまり、最後の最後まで一緒にいるってことですか?」
「いるって言うより、、、一緒にいたいって感じかな・・・あはは。」
彼女は顔をまっかっかにして。うつむきながら答えているが、俺としてはちょっと複雑だった。
いや、支部長に嫉妬してるってわけじゃないよ!?
アリアはサマンサさんさえ助かればいいって考えてるのに、その彼女が死ぬつもりだなんて・・・って思っただけだ。
てか、英雄が嫌いとかわけの分からん強がりをするぐらいなら、俺に協力しろよあの不器用敬語娘め・・・
サマンサさんの命と、俺に対しての怒りとどっちが大事かなんて分かるだろ普通。
「はあ、、、アリアめ、、、あの頑固者、、、」
俺がため息をつきながら、そんなことをボソッとつぶやいたが意外と大きな声だったようで、サマンサさんはその声に反応した。
「ねえ、、、もしかして、『英雄』って言葉に関連して喧嘩してない?」
「!? な、なんで分かるんすか!?」
サマンサは言葉を必死に選びながら一言一言を呟いた。
その表情は、まさに苦痛そのものだった。
「私は、、、心が折れたから、、、今では、、、大丈夫だけど、、、彼女は、、、とても強いから、、、ずっと、、、引き摺ってるの、、、どこまでも、、、強くて、、、優しいから、、、過去のことにできてないの、、、」
「・・・どういうことです?」
「やっぱり、聞いてなかったんだ。」
そういって彼女は、風呂場の扉の前に大きな置物を置いてこっちに向き直った。
「長い話になるよ。」
アリアと現実世界の俺はよく似ている。
状況は大きく異なるかもしれないが、てか、アリアの方があまりにも重い事情だが、、、
彼女は英雄を嫌っていて、俺は主人公に嫉妬している。
そして、そんな自分を自分で固定している。
どっちも頑固だから、、、しなければならないことがあるのに自分を曲げたくないから逃げている。
二か月過ごした俺だから分かる、おそらくアリアは死ぬ寸前までサマンサさんを守る為にここに居続けるだろう。
例え、自分が死ぬことになっても。
少し冷静になれば、村を守れば自分もサマンサさんも守ることが出来るだろうに。
俺だって、今の自分が許せないくせに自分を変えようともせず、ただ無駄に日々を過ごすだけで結局この甘っちょろい世界に逃げ込んでしまってる。
俺が彼女に何か言う資格なんてあるわけない。
状況は刻一刻と悪くなっていく。
すぐにでも、彼女を引きづりださなきゃなんないのに・・・俺は彼女の籠る部屋の扉の前でただ、座り込むだけだった。
「おにいさん、、、おにいさん、、、」
「ぐりゅ・・・ぎるるっ」
どうやら、ずっと考え事をしていたようだ。
・・・というよりは、現実に戻らない程度の浅い眠りに入っていたようだ。
まあ、こんな木の板の上に座ってて、熟睡できるわけがないが・・・体が痛い。
近くの窓を見ると、既に夜は明けていた。
けども、ずっとこの扉の前に座っていたが、アリアは一切出てこなかった。
食べ物どころか飲み物すら持ち込んでないのだ・・・いい加減腹も空かせてるだろうに。
起こしてくれた人に礼を言おうとその顔を見つめると、、、
「トーリにクリムゾン!?なんでここにいる・・・むぐっ!」
そこにいたのは旅衣装の一人と一匹だった。
トーリとクリムゾンに馬乗りにされ、トーリの柔らかい小さな手でがっと塞がれた。
『黒曇衣≪コート≫』でも纏っていたら、幼龍と幼女の重さ程度で押し倒されることなんぞ無かっただろう。
残念ながら寝起きにそこまで警戒をできる程、俺はゴ○ゴのように常時戦場形態にはなってない。
幼女トーリは、そんな俺の心情なんて知らずに、押し殺した声で必死に言った
「おにいさん、、、内緒でここにきてるんですっ・・・静かにしてくださいっ!」
オッケーのしるしを俺が出したので彼女は俺から離れた。
クリムゾンを抱きしめながら、彼女は俺と向かい合った。
どうやら早朝のようだ、クリムゾンは眠そうな顔をして欠伸をしているし、家じゅうが静かだ。
「トーリ、、、どうやってここまで来た?龍人の里へと避難の最中だったろ?こんなとこに寄り道してる場合じゃない。」
「クリムゾンはまだ小さいから飛べませんが、私を背負っておにいさんと同じくらいの速さで走ることは出来ます。トツカにいさんにも、ここによることは伝えてあります。だから、そんなに心配しないでください。」
ちょっと涙ぐんでるこの子の顔にちょっと胸を打たれて気まずい気分になった。
トーリが感情を爆発させそうな様子を見て、、、逆に落ち着けるようになってきた。
視界が広くなってまず最初は・・・腹が減って来た。
そういえば、夕飯も適当に済ませて、ずっとここに座り込んでたな。
「・・・腹減ってるだろ?下に降りて、三人でご飯を食べよう。」
いつの間にか、飯を食うとかそういうことを考える余裕すらなくなっていたようだ。
彼女に会えなければ余裕がなくなっているなんて、、、そんなことすら分かんなかったみたいだ。
三人で机に座り、クリムゾンには生肉を。俺とトーリは夕食の残りを食べることにした。
やっぱり生存本能なのか、支部長という身分の家にある肉は相当上等なものなのかクリムゾンは嬉しそうに肉を食いちぎり咀嚼している。
「おにいさん、何でそんなに暗い顔してるんです?」
その声にハッと気づきトーリを見る。
トーリの皿は一口も手が付けられてなかった。
「ごめんな、、、ちょっとまだ眠いんだ。ほら、旨いぜ。」
がっつくように食べてみたが、トーリの様子はあまりにも真剣でその目は真剣に俺を見つめていた。
幼女のくせに賢いな、彼女は。
本当に、子供は子供なりに賢い。
「元々はお礼を言うために来たんです。でも、お兄さんにはその前に言わなきゃいけないことがあるみたいですね。」
トーリは椅子から立ち上がり、俺の前で大きく頭を下げた。
「もう私たちは十分逃げ切れる場所に来ています。飛龍様ももうすぐ私たちの元に帰って来れるそうです。だから、、、もう逃げていいんです。時間稼ぎなんてしなくていいんです!」
「トーリ、頭を上げてくれ!」
トーリの顔を無理矢理上げさせると彼女は涙でくっちゃくちゃの顔だった。
な、トツカ。
やっぱり、田舎の女の方が怖いだろう?
幼女が、こんな顔できるんだぜ?
トーリを元の席に座らせ、落ち着かせる為にお湯を沸かして茶を入れようとする。
緑茶以外のお茶は現実・異世界の銘柄に関わらず、俺は苦手なんだが、彼女にはこういうのは何よりの落ち着く薬になるだろう。
「トーリ、そういうの関係なく俺は戦うつもりだから。幼女が、、、子供がそういう事気にしちゃ駄目だ。」
「・・・ぐずっ、ぐずっ、、、でも、この世の終わりみたいな顔ずっとしてるじゃないですか。」
そんな顔・・・してたかな?
確かに現実のこととか暗めのことを考えてるときは、どうしても暗い思考になりやすいが、顔にまで出てたか。
もしかしていっつもそんな顔してたのなら、楓ちゃんスキスキな白凪たんもいらだつだろうな。
「あ~、マジで大丈夫。ちょっとうちのし、、、アリアの説得に手間がかかっちゃってなあ。」
「あ、段々顔色良くなってきました。」
トーリが涙をぬぐいながら、笑ってくれた。
・・・やっぱり、田舎の女の方がモテると思うぞ?トツカ。
だって、今俺どきっとしたもん。
お茶が湧いたので、彼女と自分の分を淹れる。
サマンサさんに一応嗜みとして教えてもらったので淹れる事だけは出来る。
「、、、異世界の茶とはいえ、俺にはあわないな。やっぱ、緑茶以外は飲めん。」
「そうですか?普通においしいですけど・・・あ、その顔はさっきの顔ですね。」
「え?こんなにしかめっ面になってんのか?おれ?」
「はい、眉間にしかめっ面まで。お兄さんは眼鏡も髪形も眉間のしわも近寄りがたいし似合ってないのでやめた方がいいです。」
すんげえ、良い笑顔だった。
「笑顔で何さらっと言ってんの!?眼鏡と髪形は俺のシャレオツポイントだしぃ!?眉間のしわはクール系主人公や無口系主人公には必須のアクセサリーだぜ!?小説家になろうでは眉間にしわ寄る系主人公の方が人気高いんだぞ!?」
「あはは、お兄さんちょっと元気になりましたね。でも、ダサいです。その全く整えてない無操作な髪はキチンと整えて、眼鏡は外して笑いかけながら話すようになれば、きっと女の子にいい印象与えると思いますよ?」
「生意気だぞ、トーリ。・・・考慮しなくはないけど。」
てか、幼女のくせに女の子にいい印象与えるとかいう言葉を知ってるなんてどういうこと!?
おにいさん、ここでも性教育が進み過ぎてることに不安を覚えるわ!
トーリはけらけら笑いながら、脚にじゃれ付くクリムゾンを抱きあげた。
そして、無邪気な笑みで、
「女の子は相手がよっぽどのブサイクですらなければ、笑いかけられるだけで良い気がするもんですよ?」
「・・・うん、トツカも俺も、たった今、もう女性が怖いものだと今認識してしまった。」
・・・そうか、田舎の幼女が一番怖いんだ。
それが、世界の真理。
もう、こんな素晴らしい結論が出たんだからここで完結で良いだろ?この作品。
ね?
くっだらねえこと考えてるうちに、茶の効果もあって落ち着いたのかトーリは食事に手を付け始めた。
やっと子供らしくなった。ちょっとほっとした
トーリは満面の笑みで美味しいと言いながら笑いかけてくる。
俺も一口食べてみると、ようやく味が分かって来た。腹も随分空いてたようだ。
この子の笑顔のお蔭で俺も随分と余裕が出来たようだ。
昨日の夜は全然それどころか分かってなかったがめっちゃうまい。マジ旨い!
・・・この子が後でまた笑顔を曇らせないように、この街を守んねえと。
この子は優しいから、、、絶対自分の家族が救われたとしても、、、この街が滅んだら自分のせいにしてしまう。
談笑しながらの食事をおえたので、玄関前で彼女を見送ることにした。
本当にクリムゾンに乗ってきたようで、クリムゾンは『さあ、乗るんだ!』という感じで地面に這いつくばりしっぽを振っている。
「おにいさん。おいしいご飯、御馳走様でした。」「ぎるっ!」
「おう、いつか龍人の郷に行くから。だから、また会おうな。」
そういうと、彼女はクリムゾンの背中に跨りながら振り返り、本当ですか?と笑いかけてくれた。
まじ、カワユス。まじ、カワユス。
設定の勝利ですな。うほっ。
・・・おっと、バカみたいなこと考えてたな。
「あ、これ帰りながら食えな。」
適当に荷物を漁って、女の子が喜びそうなものを探したらいいものがあったので、クリムゾンのおやつと一緒に詰めて彼女に手渡す。
「甘い香りがする!ありがとうございます!」
彼女はそういって懐にその荷物を詰め込んだ。
そしてクリムゾンは立ち上がり勢いよく走りだした。
「おにいさあああああん、ありがとうございましたああああっ!」
そういいながら彼女は手を振っていた。クリムゾンはガチで俺と同じ速さで走っている為すぐに彼女の姿は朝日の光で見えなくなった。
どうでもいいけど、すんげえ足の周りが早いな。
びっくりだぜ。高速で回りすぎて何本にもあるように見える。
・・・と、思ったら砂埃をたてながら一気に戻って来た。
クリムゾンはまるで犬のようにハッ、ハッと体を揺さぶりながら嬉しそうに舌を出してる。
尊厳とかないんかい・・・ガチで犬みたいだぞ。
「・・・どしたん?」
「お、おにいさん!アリアさんとケンカしてるならアドバイスしてあげます!かがんで耳を貸してください!さあ!早く!」
「お、おう?」
妙に焦るトーリに急かされ、クリムゾンに跨った彼女と高さを同じにする為に中腰になる。
そして、耳を寄せる。
幼女のほんのりと暖かい息がこそばゆい。
それに僅かに俺がいれてあげた異世界のお茶の匂いまで鼻に漂ってくる。
ちゅっ
冷たい湿った感触が頬に残って、、、え?マジっすか?
バッと彼女の方を見ると、真っ赤な顔をした彼女がふるフル震えていた。
おう、、、いつの間にか、幼女を攻略していたらしい。
彼女は照れで真っ赤になった顔を俺から逸らしながら言った。
「お、おにいさん!今!自分から私の方に近づいてきましたね!」
・・・畜生っ!
へっ、警察呼びたかったら呼べばいいじゃない!
ゆ、誘惑に負けました!
自分から、頬を寄せていきましたよ!
だが、ここは異世界だから、警察なんていないけどなあ!
ざまあみろっ!
「すいませんでした!ちょっと、自分からじゃ恥ずかしいかなって思って自分から近づいてみました!ほら、鈍感主人公より全然いいでしょ!?」
「うるさい!この変態!せっかく、教えてあげようと思ったのにもういいです!さようなら、変態さん!」
マジでキレ気味で真っ赤な顔をした彼女はグイッとクリムゾンの首を傾け、また走り出した。
クリムゾンはいきなりのトーリの行動に驚いたのかさっきよりも勢いよく走りだした。
砂埃がバッサバッサと俺にかかる中、ちょっともうしわけねえ・・と思いつつ手を振った。
・・・と思ったら、またクリムゾンが戻って来た。
トーリは少し遠い場所で、大きく声を張り上げながら手を振って来た。
「そのダッサイ髪型と眼鏡を直して笑いかけて安心させてください!それから、自分が悪かったってひたすら謝り続けるんです!それから、アリアさんが意地になってることを上手くだましながらごまかして自分にいいように褒めちぎりながら誘導してくんですって教えてあげようと思ったけど教えてあげません!じゃあ、また龍人の郷で会いましょうおにいさん!絶対ですからねっ!ぜったいですよーっ!」
「余計なお世話だーっ!」
大きく手を振りながら大声で返すと、トーリは笑いながら手を振り今度こそ背を向け走りだした。
本当に、、、有難うな。
彼女の小さいけど、誰よりも頼りがいのある背を見つめながらずっとおれは手を振り続けた。
・・・もう、帰って来ないよな?
「良い子だね。将来が楽しみ。」
「サマンサさん?起きてたんですか?」
見えなくなってからも帰って来るんじゃないかとびくびくしながら手を振り続けていると、サマンサさんに後ろから声をかけられた。
後ろを見ると、サマンサさんは眠そうな目をこすりながら、眩しそうに朝日を見つめていた。
「あれくらいの年だったんだよね。昔の私たちも・・・羨ましいな、懐かしい。」
いつの頃だったのか、、、なんて聞くような野暮は流石にしない。
でも、アリアについてはいい加減決着付けたいな。
いずれにしても。
「サマンサさん、俺の容姿についてご相談が・・・」
「はい?」
でもまず、幼女の気に入る格好にならなきゃ始まんないよね☆
小学校の頃にとある名探偵の子供が着けてたからと親に無理言って掛けはじめた伊達眼鏡。
無造作ヘアーのラノベ主人公に憧れて始めた無造作ヘアー。
クールやNPCを気取るつもりでいつの間にか自然になっていた眉間のしわ。
鏡で改めて見ると思う、腹立つ顔してたんだなー俺。
サマンサさんに眼鏡をへし折られて(止めてくださいと頼んだら目の前で笑顔で折られた)、腐ったように見えた目も少しは光って見えるようになった。
髪をサマンサさんにバッサリ切られただけで(泣いて頼んだが、許してもらえなかった)、随分自分でもハッとするぐらいまともな感じになった。
ウザったさや、野暮ったさがなくなって、自分で言うのもなんだがすんげえ良くなった。
扉に立ち大きく深呼吸。
廊下の端で見つめるサマンサさんに大丈夫か?とジェスチャーすると彼女はしかめっ面で自分の眉間をぴしぴし叩いた。
おっと、いけない。気をつけねえと。
笑うことを意識しつつ、彼女のいる扉の前に立つ。
「アリア、スマンな。入る。」
扉を開き、中に入る。
カーテンすら閉め切った暗い部屋の中、窓際のベットで体育座りをしていた銀髪の少女はのそりと身を起こした。
そして、顔全体で驚きを示して、後ろに逃げようとし始めた。
後ろは窓辺だから、いくら退がっても退がれないからね
「な、な、何でそんな怖い笑い方してるんですかあっ!?ひぃいいいいいいい!?こ、こないでえええぇぇ!?こないでくださいぃぃっぃいい!?」
・・・・眉間にしわを寄せる事態がさっそく起き始めてるんだが。
「どうしたんです?ダッサイ眼鏡と髪形を直したのはいいことだと思いますが、そんな無理した笑い方をして?相談があるなら、、、、してください。師弟関係は解消されたとはいえ、私たちは他人じゃないんですから。ね?サクラさん?」
「さん付け!?・・・さん付けぇ!?超、他人行儀じゃねえか!?アリアさん!距離置くのはやめよう!ちょっとしたイメチェンだよ!」
「そうなの、、、へえ、そうなんだ・・・」
「俺が悪かったです!」
ちょっと、涙目。
俺、笑えなくなっちゃった・・・
でも、お互いに張っていた妙な気の張りがなくなったので良かったともいえるかもしれない。
「で?何しに来たんです?」
アリアが少しだけ砕けた口調で聞いてくる。
アリアの横に取り敢えず座ることにする。
「飯、昨日の夜から何にも食ってないだろ?サマンサさんからこれ預かって来た。」
アリアがうっと言って、腹を抑える。腹減ってたんだな?
そうかそうかと言って、持ってきたバスケットを開く。
サマンサさんによって作ってもらった、ミートサンドと果物サンドだ。
そして、食後にと作ってもらったクッキー。
二人で、ベッドに腰かけ窓際にもたれかかる。
窓は不健康だからと無理矢理開けさせたので、温かい日光と空気が入ってきてとてもいい。
買って来た果実水をちびちび飲みながら、彼女とゆっくりのんびりと食事を取る。
昨日の夕食や今朝の朝食の時ほど味を感じないという事もなく、味をきちんと味わうことが出来る。
アリアはどうなんだろうか?何となく彼女の方をチラッと見てみるとアリアと目が合ってしまった。
アリアはふいっと、目を逸らすと、いつもなら真っ先に手を出すクッキーや果実入りのサンドイッチには一切手を出さず、ミートサンドを一口ずつ齧っていた。
アリアらしくない。普段は俺の分まで、甘いものを食べつくしてからちょっとだけ普通の食事を食べるのに。
・・・腹減ってるだろうに、、、甘いもの大好きなくせに。
「ゆっくりでいいから、腹には入れとけな。一人の身体じゃないんだぜ?」
「・・・はい、ありがとうございます。でも、何ででしょう?凄いセクハラを言われた気がします。」
異世界ファンタジー。
取り敢えずミートパイだけでも彼女が食べきったのを見終わってから、俺は話題を切り出した。
でも、言い出すのって・・・なんか気恥ずかしくてむず痒い。
彼女と肩が触れる位置までにあったほんのわずかな距離を詰める。
彼女の体温を感じておかないと、どこかに行ってしまいそうな気がしてしまったから。
「あ、アリア・・・ごめん。アリアの言ってくれたこと何一つ間違ってなかった。俺が無茶するのを止めようとしてくれたことも、魔物の大群と戦うよりも逃げることの方が正しいって言ってくれたことも。」
「・・・」
アリアは何も答えなかった。
でも、俺の肩と触れ合い始めてから冷たく強張っていた彼女の肩は安堵したかのように緊張が抜けて、明らかに柔らかくなり体温が上がってきていた。
たく、不器用な奴・・・分かりやすすぎる。
どんな罵詈雑言をかけられると思って緊張していたのか。女の子にそんなことするわけないだろ・・・
アリアと俺は、それから何も言わずにただお互い体重をかけあっていた。
暫くしてからアリアは俺の肩に頭をこてんと乗せてきたが、まだ何も言わなかった。
・・・続けろってことか。
「アリアの過去については全部聞いた。知らなかったとはいえ、英雄なんて言葉を使ってしまったことも悪かったと思ってる。本当にごめん。」
過去、英雄という言葉にびくりと反応したものの、彼女の体温は最初の時ほど下がっていなかったし、緊張もしていないようだ。
とっさとはいえ、彼女の肌に触れれるような位置に座れたのは良かったな。
彼女の体温のお蔭で、俺も何とか落ち着いていられる。
体温や緊張すら分かんなかったら、今頃パニックになっていただろう。
彼女はまだ、黙ったままだ。
「俺、元の世界で大事なことから逃げちゃったんだ。本当に、、、大事なことなのに。だから、、、この世界では逃げ無い事ばっか意識しちゃって、、、しかもそれが成功し続けたから、、、余計それが正しいことだって思いこんじゃって、、、自分でも、アリアにこうして否定されるまで気づかなかった。」
「・・・」
アリアは何も言わない。
顔を見ればどんな感情なのか分かってしまうのだろうがそれをしようとすれば彼女といったん離れなきゃいけない。
それが出来なかった。今の俺には。
いつの間にか離れがたい、心地よい温度になってしまっていた。
「また深林蜂の蜂蜜を取りに行って、サマンサさんと3人で蜂蜜クッキーを焼こう?2人でクエスト受けに行って、あのギルドの奴ら見返してやろう?一緒に龍人の里に行こう?紹介したい人もいるんだ。そうだ!近くに火山があるんだから温泉掘り当てよう?・・・そうだよ、アリアとこの村でしたいことがまだまだたくさんあるんだ。」
「・・・」
「サマンサさん助けたいって思うんなら、より確率の高い方法を取ろう?俺と二人で組めば、この村が避難しきれる時間を稼ぐことが絶対できる。いや、『曇の魔術師』二人でなら撤退させることすら夢じゃない。」
「・・・」
「・・・」
「それでも、、、私は、、、英雄のような、、、行動を、、、とりたくないんです、、、英雄が、、、許せない、、、勇者が、、、憎い、、、」
彼女の体が、声が、震えはじめた。
俺の肩もちょっと熱くなってきた。湿ってるかもしれない。
・・・仲直りは出来るんだ。トーリの教えてくれた方法なら。
でも俺がしたいのは、彼女との仲直りだけじゃない。
彼女と彼女の大事なものを守りたいんだ。
その為にはトーリの言う通り、意地になってることを騙して、自分のいいように誘導してくのが賢いやり方なんだろう。
トーリが教えてくれた、俺とアリアの関係を壊さないで済む方法。
・・・駄目だ。
アリアの信念を騙すなんて、ことしたくない。
彼女と離れたくなんてないけど、俺は彼女の、
こんなに綺麗な彼女の大元になっている信念を汚したくは無かった。
だから、、、
「アリア、、、違うよ。俺がしようとしてるのは英雄的な、村を救うための自己犠牲的行為なんかじゃない。」
アリアが俺から体を離して、じっと俺を見定めるかのように見る。
熱がまだ残ってるはずなのに、肩が異常に寒く感じる。
・・・けど、これでいいんだ。
「俺のこの行為の目的は女の子の好感度上げ↑↑が目的なんだっ!!!!!!」
だから、ごまかすことにした。
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「は?」
アリアがポカンと口を開く。
まあ、、、三次元の人間は普通こんな反応ですよね。
古今東西、あらゆるラノベ主人公が頑固な信念を持ったヒロインを説得するために行った説得法。
正攻法が通じないからこそ、使う方法。
ヒロインの魅力を下げない素晴らしい方法。
論理展開滅茶苦茶説得法、別名、ラノベ主人公説得法、もしくは、変態的説得法だ!
「今回狙っているヒロインは幼女、人妻、不器用な美少女師匠だっ!」
「え?・・・え?」
「この村を救うことが出来れば、人妻からは『強い男の人ステキ☆フラグ』が建つし、幼女には『おにいちゃん、私の為に村を救ってくれてありがとう、チュッ♡フラグ』が建つし、何より不器用な美少女師匠には『私の親友を助けてくれてありがとう、、、今夜は二人で過ごさない?フラグ』が建つ!最高じゃあないか!」
この方法の利点、、、それは作者や読者視点ではあるが、主人公に変態的言動を取らせて変態のレッテルを張るだけで、ヒロインの清純さや純粋なイメージが守られることだ!
つまり、ヒロインの信念は全く曲げてないのに上手くいくのだ!
「・・・・・・」
「つ~ま~りっ!俺のやってることは、ただの幼女や人妻や美少女のポイントを稼ぐためだ!そもそも俺がなりたいのはハーレムラブコメ主人公であって、一日中女の子とイチャイチャして夜は18禁小説に乗ってしまうような性活を送りたいんだ!」
「ぐっ、、、聞いてられない、、、な、、、何で扉しまってるんですかっ!?サマンサ!開けてください!」
「だから、俺は、、、エロゲ主人公として、エロエロな生活をおくるためのフラグ回収してるだけで!」
「・・・あ、、、あの子、、、余計な気を利かせて、扉の前に置物でもおいてるんですかっ!?ああ、、、、耳が、、、脳が、、、変なものにうめつくされるっ!?」
「英雄になりたいわけじゃねえええええええ!」
「・・・あ、、、、あ、、、。」
「はあ、はあ、はあ、はあ、、、、、、、だから、、、今回のココノハ村を守るという行為は、、、、今後のエロパートの為のフラグづくりの為であって、、、、英雄行為じゃない、、、すくなくとも、、、俺にとっては、、、だが。」
「・・・・・・・・・・・・分かりました。手伝います。・・・だから、もう黙っててください・・・」
彼女の距離は思いっきり俺から離れ、彼女は無言で聞くに堪えない言葉の暴力飛び交う部屋から脱出しようと扉をガチャガチャしていたが、何故か扉は外から閉められていた為最後まで聞く羽目になった。
そして終わった時、、、彼女は廃人になった。
彼女は俺の説得を聞かされて、、、心が折れたのか遂に、手伝いますの一言を引きだせた。
その一言が妙にうれしくて、俺は彼女に走り寄りぎゅっと抱きしめた。
「よし!今後のエロパートの為に頑張ろうぜ!メインヒロイン!」
彼女は体を震わせながら返事をした。
「その代り・・・」
「へ?」
「一発なぐらせろおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「がはっ!?・・・・・わ、悪か、、、げはっ!?・・・・」
至近距離から鳩尾に加えられ、謝ろうとしたら顎に掌底を入れられた。
際どい所に超全力の一撃が入ったようで、あっさりと意識は飛んだ。
薄れてゆく意識の中、顔を真っ赤にしてベッドの上をむきーと奇声を上げながら転げ回る彼女の顔をずっと俺は見ていた。
あ~あ、結局いつも通りな終わり方だ。
俺が次第にからかって、アリアが切れて、俺が気絶。
でもやっぱり、アリアはああじゃなきゃな・・・
この後気絶したと思って、誰かが小声で「い、一応感謝はしてあげます!・・・でも、あなたも悪いんですからねっ、あんなカッコいい真面目な雰囲気出すから、つい本気になっちゃったのに!」といってたが、そんな気がしたことにしておく。
-ステータス-
名前サクラ=レイディウス
種族:ホモ・サピエンス
年齢:15
職業:頭のおかしい下級冒険者
本属性:曇(黒) 補助属性:
本質能力:現在のところ不明
スキル:『曇の壁≪ウォール≫』『曇の階段≪ラダー≫』『黒曇衣≪コート≫』『曇神の審判≪クラウド・ジャッジ≫』『曇の雨雨≪スコール≫』『曇の網≪ネット≫』
new『曇の沼≪プール≫』『曇の一撃≪ショット≫』『曇の増成≪パンプアップ≫』
称号:なんちゃって異世界人 甘ちゃん 災害指定生物
new 破門された人-ザマァ(笑)
ロリコン疑惑-おまわりさんコイツです。
変態-ラノベ主人公的説得において、性癖を暴露したことが『決め手』
積み重なったものがあることも理解すべきだ。「この、、、変態っ!」
帰宅拒否-二か月以上元の世界に帰ってない「僕には帰る家が、、、ない。」
兵装:未鑑定のレイピア-効果不明。魔装加工はされているようだ。
装備:村人の服
特記:学生服は旅の途中で使い古してしまったため、廃棄。第一、悪目立ちするし。




