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怒り

その人を知りたければ、その人が何に対して怒りを感じるかを知れ。


誰かにそう言われたのだったか、本で読んだのか忘れたがそんな言葉があったことを覚えている。


怒りとは原初的な感情であり、自身を守る「防衛感情」だ。


価値観や立場、プライドなと自身が大切にしているものをまもるためのものだ。


怒りの原因が分かれば、相手にとっての大切なものは自ずとわかってくるのだから手っ取り早く相手を理解できる。


その言葉を知った時、他人を知るのにこれほど適している言葉はあるまいと納得していた気もする。


ならば、その逆も然りで自分が何をされれば怒るのかを考えれば自分が分かると言うことだ。


私が怒る?


いまいちピンとこない。


自分で言うのもなんだが、私は穏やかな人間だ。滅多に怒ることはない。


いや、怒った記憶はない。


……と思う。


少なくともここ1年は怒っていないはずだ。

そんな記憶はない。


なら、自分には大切なものはないのだろうか?


そんな事はない気がする。


相棒のことは大切だ。

たまに面倒だとは思うが信頼のおける人物だ。こんな場所では信頼できる人が居るのと居ないのとでは生存確率が全然変わってくるのだ。大切でない筈がない。


ならば、相棒が傷付けられたら怒るのか?


それは明確にノーと言える。


なぜなら、先程怪我をしたからだ。


でも、私は怒ってはいない。


怒ると言うことは冷静では無くなるという事だ。


冷静ではないということは隙ができるということだ。


つまり『死』だ。



なるほど?つまりどういう事だろうか?


私は彼が大切だが、それ以上に命が大切と言うことだろうか?


私も相棒も死んでいないから、私は怒っていないのだろうか?


私はそんな事を思いながら、武器を下ろすと血塗れになった床に倒れ伏した死体の山を見下ろす。


「つまり、『命』を大切に思う平凡な人間というわけだ」


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