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規律

自由すぎる。


この間相棒に言われたのだが、些か不服である。1度たりとも遅刻したこともなく、規則もきちんと守っていている。


それなのに『自由すぎる』とはどういうことなのか。相棒に問い詰めてみたが呆れた顔をしてそのまま去っていったので未だに真意は分からない。


私ほど真面目な人間も居ないだろうに。


そもそも、相棒の方が『自由すぎる』だろう。遅刻するし、規則は破る。


ギャンブルに興じては、小遣いを巻き上げられ小銭を無心されたのも1度や2度ではすまないし、休憩時間外に勝手にタバコ休憩と称して休憩しているのは『自由すぎる』と常々思っている。


そう思案しながら、騒がしい食堂の中で黙々と食べ物を口に運ぶ。


ゆっくりと食べ物を食べる習慣がないので考え事をしながらも手は勝手に食べ物を口に運んでいる。これも、私が真面目な証拠だろう。


なにせ、昼食をまともに食べる暇もないほど忙しいなか効率的に栄養を補給するために体得した技術なのだから。


それにしても、今日はやたらと五月蝿い。

飛んできた皿を適当に避けるとそのまま壁に当たってガチャンっと大きな音を立てて割れる。中に入っていた食べ物も床に散らばっている。


なんて勿体ない。


にしても、物騒である。


巻き込まれる前にさっさと食べ切って、自宅に帰ろう。


最後の一口を口に詰め込み適当に咀嚼して喉に流し込むと私はその場を後にする。


店員は全員、野太い声で叫ぶ男と甲高い声を上げる若い女性に夢中になっている。


先払い方式で良かった。

無駄に待たされるところだった。


なんだか背後で破裂音がしたが、私には関係ないので振り向かない。


それが私に狙っていないなら、振り向くことに意味はないからだ。


そのまま歩いて店の正面玄関から外へ出ると同僚が武器を片手に身構えていたのでお疲れ様の意味を込めて軽く会釈すると怪訝そうな顔をされる。


「こんばんは、今日は非番なので外食したんだ。それでは、お仕事頑張って」



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