後悔の無い選択にも後悔はありますか?
このエピソードもまじです。
目覚めると夜だった。
またリビングのソファで寝ていたようだ。
カレンダーを見ると10月になっている。
いやなんで?
色んな可能性を考えていると父親が真面目な顔で話しかけてくる。
「なぁ転校することになって後悔はないか?
今なら何とか前の学校でも大丈夫だぞ。
次は6年生でも友達も前の学校だろうし修学旅行や卒業もあるし」
懐かしいな、この頃転校することが怖くて、たまに泣いたりして、それを慰めるために俺がハマってたイギリスの魔法使いがテーマの小説を仕事帰り買ってきてくれてたよな。
実際転校した学校は雰囲気が合わなかったし、あんまり仲良くもなれなかった。
前の学校は校長先生の長い話はなくてその代わりマジックをする面白い校長先生、
新しい学校は挨拶をしないと腕を強く掴んで止めてくる校長先生、
バレンタインに学校でリストカットをする激ヤバメンヘラ小学生、
委員長キャラの元イジメられっ子小学生
普通に考えて転校なんかしたくない。
「うん。転校するよ。
学校遠くなるし、送り迎え大変でしょ。」
そう転校なんかしたくないのだ。
それ以上に親に苦労をかけたくなかったのだ。
それは1度目も2度目も変わらない思いだった。
1度目は怖くて優しい父親に迷惑をかけたくなかった。
2度目も優しくてかっこいい父親に迷惑をかけたくなかった。
「そっか、じゃあ頑張れ。
なんかあったらいつでも言えよ。
あと日曜日ロードショーは9時まで見ていいが最後まではダメ。早く寝なさい。」
「わかったよ。もう寝るから」
そう言って布団に入ると今までのことを整理する。
俺は昼間意識を失って、いつの間にか家にいた。
転校はすると伝えた。
父親は日曜ロードショーは最後まで見るなと言った。
つまり今日は日曜日だ。
なら俺はなぜ昼間がっこうにいた?
今日は平日だったはず、そもそもどうやって帰った。
まさかだが俺は『人生をやり直してる訳じゃなくて、記憶にある選択の瞬間に戻っている』のか?
だとするとおれはリコーダーの選択を変えなかった、だからすぐに次の選択に飛んだ、転校の選択も変えなかった。
そうか、やっぱり俺は俺だ。
やり直しても変わらない。
有名な異世界転生や人生逆行ものには申し訳ないがあれはフィクションが過ぎる。
人は急には変われない。
それ相応の努力と時間がいる。
だがこのままでは意味がない。
もし次選択の瞬間があるとすれば確実に思い当たる瞬間がある。
中学の部活選択だ。
俺は吹奏楽部に入りトランペットをやったが、
2ヶ月でやめた。
音楽が好きで入ったがトランペットはあんまり好きになれず、男の部員は俺含めて2人。
珍しい男部員でチヤホヤされて最初は気持ちよかったし、初恋の先輩もいた。
けど初恋のゆか先輩は部内で仲間はずれにされていたし、あんまり部活にも来なかった。
五線譜も読めないまま、空気感に負けて幽霊部員になってしまった。
2度目の人生ならこの選択をまえにおればどうするべきなのか?
転校先で無理やり委員長にされた私。
委員長どうにかしてと隣のクラスの名前も覚えてない人に連れてこられた先にいたのは泣いてる隣のクラスの女の子
「バレンタインチョコを渡せないくらいならここで死ぬ」
そう言いながら錆びたカッターを手首に当てる子を前に
お好きにどうぞ、そのカッター汚いから病気になっちゃうかもよ。
と答えた私は人でなしなのでしょうか?
それとも早めの厨二病なのでしょうか?




