キラキラしていたのは
むかしむかしあるところにたびびとがいました。
たびびとはあるひ、とあるくににたちよりました。そのくににすんでいるものはみんななにかしらキラキラとしたじぶんじしんのたからものをもっていました。しかしたびびとはなにもたからものをもっていません。たびびとはうらやましくなってちかくにいるカラスくんにおねがいしました。
「カラスくん、カラスくん、きみはたくさんのキラキラしたたからものをもっているみたいだけどぼくはなにもないんだ。どうかひとつわけてくれないかい?」
するとカラスくんはうなずいて、キラキラとしたコインをくわえてこういいました。
「このコインはね、、、」
しかし、たびびとははやくそのキラキラがほしくなってしまい、カラスくんのはなしをきかずにコインをうばってはしりさってしまいました。しばらくしてたびひとがそのキラキラをじっくりみようとコインをとりだすとそのキラキラだったはずのコインはキラキラがきえて、すっかりさびていました。たびびとはカラスにだまされたとおもってこんどはネズミちゃんにおねがいしました。
「ネズミちゃん、ネズミちゃん、きみはたくさんのキラキラしたたからものをもっているみたいだけどぼくはなにもないんだ。どうかひとつわけてくれないかい?」
ネズミちゃんはうなずいて、キラキラとしたチーズをもってきてこういいました。
「このチーズはね、、、、」
しかし、またまたたびびとはネズミちゃんのはなしをまちきれなくなって、チーズをうばってはしりさってしまいました。しばらくしてたびびとがそのキラキラをじっくりみようとチーズをとひだすとそのキラキラだったはずのチーズはキラキラがきえて、カビだらけになっていました。たびびとはネズミちゃんにもだまされたとおもってさいごにこのくにのおうさまにおねがいしにいきました。
「おうさま、おうさま、このくにのものたちはみんなキラキラしたたからものをもっています。それなのにぼくをだましてガラクタばっかりわたしてきます。おねがいしますおうさま。ぼくにおうさまのキラキラしたたからものをください。」
おうさまはやさしくほほえんでいいました。
「よかろう。だが、おまえはたびびとなのだろう?いままでしてきたたびのはなしをわしにしなさい。そうしたらわしのたからものをおまえにくれてやろう。」
たびびとはめんどうだなとおもいながら、いままでにしてきたたくさんのたびのはなしをおうさまにしました。ドラゴンとたたかったはなし。おにとおさけをのんだはなし。そのほかにもたくさんのたのしいおもいでをおうさまにはなしました。そこでたびびとはきづきました。なんとじぶんのはなしていることばがキラキラかがやいているのです。
おうさまはにっこりわらってこういいました。
「やっときがついたか。どうだい?おまえのことばはキラキラしていただろう。それがなぜだかわかるかい?」
たびびとはようやくわかりました。
そうだったんだ。キラキラしてたのはコインでもチーズでもことばでもない。ほんとうにキラキラしていたのは、、、
それをみておうさまはいいました。
「さてやくそくどおりわしのたからものをくれてやろう。なにがよい?なんでもよいぞ。」
おうさまのおしろにはたくさんのきんやぎんがありました。でもたびびとにはそのどれもがカラスくんがもっていたコインほどきれいだとはおもえません。
ステーキやケーキまでありました。でもたびびとにはそのどれもがネズミちゃんがもっていたチーズほどおいしそうにはおもえません。
たびびとはおうさまに
「たからものはもうじゅうぶんにもらいました。ありがとうございました。」
とだけいっておしろをでてカラスくんとネズミちゃんをあつめてふたたびおねがいをしました。
「さっきははなしをちゃんときかなくてごめんなさい。このコインとチーズはどういうものだったかをおしえてくれないかい?」
ネズミとカラスはよろこんではなしはじめました。
「えへへ、このコインはね、おれがゴミすてばからがんばってみつけだしたたいせつなものなんだよ。おれのたからものだいじにしてね。」
「このチーズはね、たっくさんあるチーズのなかからとくにわたしのおきにいりのものなんだよ。たいせつにしてよね。」
カラスとネズミのはなしをききおわるとたびびとがもっているさびたコインはきんぴかになって、チーズもかびがなくなっておいしそうなきいろいチーズになりました。そして2つともさいしょにカラスくんとネズミちゃんがもっていたのとおなじくらいキラキラにかがやきました。そのあとみんなでネズミちゃんのチーズをたべ、たびびとのはなしをきき、カラスくんのコインをながめてたのしくすごしましたとさ。




