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1.僕の人生

ここは森の中の村。僕の故郷だ。

僕のモットーは「ゐぬい様のために生きる」だ。

先日、僕はゐぬい様の生け贄になった。

午前4時。僕は暗闇の中、寸分の狂いもなくぴったり4時に起きた。今日も素晴らしい1日の始まりだ!

午前5時。僕は支度を済ませると、隣の部屋に行った。今から朝ごはん!どんなメニューかな?今日はゴマのふられた玄米、色とりどりの菊の花、あとは良く水洗いされた苔!どれも神聖な食べ物だ。ゐぬい様はこういうのを好んで食べてくださるからね!それに、玄米、それもゴマのふりかかってる!大好き!僕は音を立てない様にフォークとナイフを持って食べた。こんな神聖な行為中に音なんて立てたらどうなるか…考えるだけで怖いなぁ…

午前7時。僕は今から15時間、ゐぬい様へ祈りを捧げる。右側にはおっきな窓があって、日光が差し込んでる様な部屋で指を組んでずっと立ちっぱで祈るんだ。正直足がとっても辛くなるけど、ゐぬい様のためなら頑張る!

午後12時。僕を見張ってる大人達がお昼ごはんを食べに行った。僕もお腹がギュルギュル鳴ってるけど、我慢だ我慢!すると、右側の窓がパリンと割れた。僕はつい、怪我が怖くて手で顔を覆ってしまった。どうしよう、叩かれちゃう。どうしよう、どうしよう。窓の奥の子が急に僕の手を引っ張ってきた!僕の足は自然と動いて、彼の後ろをついていった。駄目なのは頭で分かってるのに…何でだろ?僕の後ろを大人達が追いかけてきた。彼の足は少しずつ加速して行き、大人達は巻かれてしまった。同じ様な森の中、木の根元でうずくまり、僕が泣いていると、彼は言った。「お前!もうすぐ俺の家につくから!安心してくれ!」僕は呆れた。なぜ生け贄という素晴らしい役を失う危険があるのに、彼は安心してくれ!なんて…でも、意識に反して僕の心はどこか安心していた。「あとちょっとだ。走るぞ!」彼はそういった。僕は逃げるのが嫌なはずなのに、首を縦に振ってしまった。少し走ると、僕らは開いた所にある彼の家を見つけ、中に入った。「あ、■■■君だね?」彼の母親らしき人が優しい眼差しを僕に向けてそう言った。なんで僕の名前を知ってるんだろう?僕は彼女に聞いてみた。すると「そりゃあ生け贄の名前なんてこの村では常識だよ」と哀れむ様な目で言った。まさかそんなことになってるだなんて…すると僕のお腹は欲を満たそうと声をあげた。「お腹が空いてるのか!?だったらうちのお握り食ってけよ!上手いぞ!」と彼が自慢げに言った。僕はせっかくのことだし、頂くことにした。僕の元には暖かいお握りがやってきた。「お食べ。」僕はその言葉を聞いてお握りにかぶりついた。その味は僕の忘れていた感情を思い出させてくれた。「生け贄なんて嫌だ!死にたくない!美味しい物を食べたい!」そんな感情を、僕が押さえつけていたことを感じると、自然と涙が溢れそうになった。必死に涙を堪えようとする僕に彼の母は「泣いても良いんだよ。」と言ってくれた。僕は泣いて泣いてそれでも食べた。世界一美味しいお握りを。

ー裏話ー

勇者一行の名前は全部一秒ぐらいで考えたお

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