2.私の言葉
私は…きっと、良い子なんだ。
「おっお母さ…」
「何?今度は何なの!?」
"罪人"の私が鬱陶しく見えていたのだろう。私はどれだけ軽かろうと、罪を犯したんだ。罪人としての扱いは今となってはしょうがないと思うが、当時の私は違った。
「わっ私!悪いことやった!?コップを落としただけじゃん!何もそこまで…!」
母は私の腕をより強く握った。反省しない私に怒りを覚えたからだろう。
「痛っ!?」
私は母に許してもらうため、必死に考えていた。すると母は村一番に大きな建物に連れていった。その建物の入り口に看板が掲げられていた。
「罪人判別所」
そう書かれた看板を見て私は怯えた。だって、ここで許された人を見たことが無いのだから。昔、友人がここに入ってから学校に来なくなったのだ。そういえば、すぐ後に友達によく似た害獣が来たような…そう思った私は背筋がツーっと冷えた。母は罪人判別所に入ると、受付の人に何かを話していた。何を言っているのか、良く分からなかった。頭が言い訳と正当化でいっぱいだったのだ。
やがて私は小さな部屋の中に入れられた。部屋の中央には椅子が3つとその間にある机が1つあった。そして向い側には知らない人が座っていたっけ。私と母は椅子に座った。何だか嫌な臭いがただよっていた。知らない人は何かの書類を見つめ、考え込んだ。その人が顔を上げた。その人は真顔で私を責める様に見てきた。
「この子は…罪人です。今から私たちの方で然るべき対処をします。お母様もお覚悟なさって下さい。」
こうして、私の自由と呼ばれる物は何処か飛んでいってしまった。
部屋の奥の扉が開かれ、私はその先へ誘導された。とても禍々しいその部屋は、腐敗臭と吐瀉物の臭いが混ざった、最悪の臭いを放ち、冷たい風が私の横を通った。私は嫌がり無理にでも椅子から離れなかった。あの場所にいてはいけない、そんな気がしたのだ。
ドゴ。
私は蹴られた。椅子と共に倒れ、蹴られた右足を抑えた。怖くて、怖くて、怖かった。だから、私は従った。
あれから私はここの外を見ていない。
ー裏話ー
最近きがのらなくて空いちゃったお