2.私の罪
ここは正義の村!私はこの村でみんなに笑顔を振り撒くよ!
私はこの世界で一番完璧に近い人間だ!
私は通称正義の村と呼ばれている所で生まれ育った美少女!皆を笑顔にする性格に、近所のおじさんも知らない豆知識を沢山持ってる知性、それにお父さんを負かせる運動神経!私は絶対に正義の味方だ!
そんな私は今日が誕生日!今年で20になるよ!
あの日、私は浮かれてしまっていた。初めての酒を大量に飲み、顔を赤くした私は机にぶつかってしまった。その机に置いてあるコップが音を立てて地面に落ちた。そのコップを使っていたのは、せっかく私の誕生日を祝いにわざわざ隣の笑顔の村から来てくれた親戚だった。私はヘラヘラとした口調で「あぁ、ごめんなさ~い」と言ってしまった。その瞬間、家の空気が凍りついた。さっきまで私を祝ってくれていた家族が皆こちらを見ている。そこで私は自らの過ちに気付いた。
「あっごめんなさい!つい酔っぱらっちゃって…本当にすみません!」
私は誠心誠意謝った。しかし空気に暖かみが戻ることはなかった。
「だ、大丈夫ですから…」
笑顔の村の親戚はやはり寛大だった。しかし、その人以外は私を許してくれなかった。ここは正義の村。誰一人として罪人がいない。そこに私という小さな罪人が生まれてしまったことは、家族にとってはとてつもない罪になる。母は私の腕を強く握ると力強い足取りで家から出た。
「どこに行くの?」
苦笑いして母に聞いた。
「貴方みたいな罪人を裁くための所。」
いつも優しくて暖かい母は冷たく囁いた。
ー裏話ー
裏話のネタ切れしてきたお。