2.正義の村
正義の村はどんな顔を持つ?
「正義の村?何それ何それ!」
カミーユは目を輝かせてリーシャに聞いた。
「正義の村は村人の中に罪人がいない。掟がゆるい訳でもないし、皆正義感の強い人ばかり。だから正義の村って呼ばれてるんだ。だから気を付けてね」
リーシャの目線の先にはハルクがいた。
「だ、大丈夫でしょ。ワシら勇者一行だよ?」
ハルクはリーシャと目があうとすぐにそらした。勇者一行のいる、膝ほどの高さの平原の中心には1つの村があった。
勇者一行が正義の村に足を踏み入れると、まるで今までの罪が何処かに飛んでいく感覚がした。まず最初に宿をとった。ここは特に栄えているため、四人は食べ物などの消耗品を買うことにしたからだ。しかしすぐにハルクがいなくなっていた。きっと何かに気を取られている間に置いていかれたのだろう。
「ハルクはすぐ迷うんだから…」
そう言っていたカミーユは好奇心からすぐに何処かへ行ってしまった。二人だけになった時、ライアは少し居心地が悪く感じた。
「ライアってクリームシチュー好き?」
リーシャが口を開いたかと思うと、ライアには到底予想だにしない質問が飛んできた。
「え?まぁ…世界で一番好き…だよ?」
「そっか。この村は牛乳がおいしいんだよね。特に今食べに行く所は飽きないぐらいおいしいんだよね。」
「え!?だっ大丈夫だよ!」
「あ、ライア食物アレルギーあった?」
「無いけど…でも大丈夫だよ!それだったら二人探しに行こ!」
「でも、もうついたよ?」
ライアは知らぬ間にリーシャに誘導され、リーシャの言う美味しい店についていた。
「じゃ、食べよ。」
ライアは恥ずかしげに「うん」と言って店に入っていった。
「あ、おかえりー!遅かったね、二人きりで何やってたの~?」
宿に帰ると、カミーユはにやついた表情でリーシャに聞いた。
「…クリームシチュー食べてた。」
「美味しかったよ!」
ライアはにこりと笑ってそういった。
「え!?」
カミーユは声を漏らすと瞬く間にリーシャを連れて部屋に入れた。
「大成功じゃん!その調子で頑張って!」
「声が大きい…」
そんな会話をするとカミーユはリーシャを部屋から解放し、「おやすみ~」とだけ言って部屋の扉を閉じた。二人も部屋に戻った。
ー裏話ー
ほぼ完成状態で保存せず放置してたら全部消えたお…