考えろ
京は、薫を探すため町を走っている。
「(さて、薫を見つけるには…心当たりがあるところを探すのが一番だが、急用なバイトが入ったって言ってた。なら当たるとしたら……薫のバイト先だな。)」
京は薫のバイト先に到着した。最近オープンしたようなとても綺麗な建物だった。その建物の中に入ると、見た目は25~30歳ぐらいの若い男性オーナーいた
「あれ?京くんじゃないか?今日は、薫くんは来てないぞ。」
「えっ?今日は薫が来ていないのですか?今日は、「急なバイトが入った」と薫から聞いたんですけど?」
「もともと今日はバイトがあったのだけど、薫くんは「明日は用事があるので休みます。」と言ってきたからバイトを休みにしてあげたけど?薫くんになにかあったのかい?」
「いや、なんでもありません。ただ薫を探していただけです。失礼しました。
(バイトに来ていないだと?たしか急なバイトが入ったと言っていたが、オーナーはバイトはないと言っていた。どういうことだ?
次はどこを探せばいい?考えろ。)」
だが若いオーナーは京の心の中を見透かしたように
「そんなに焦っているなら薫くんのいる場所を見つけようか?」
京はその言葉を冷静に聞き、言葉を返した
「いちよ聞いてみますが「見つけようか?」とはどういうことですか?」
なぜ京は「見つけようか?」の部分に反応をしたのか、それは普通の人なら、「一緒に探そうか?」と言うのが、一般的なのだが、若い男性オーナーは、「探そうか?」ではなく「見つけようか?」という言葉を言ったからである。
若い男性オーナーは軽々しく
「だから「薫くんを見つけようか?」と言っているのだけど?」
「本当に見つけることができるのですか?」
と京は真剣な顔で聞くと、若い男性オーナーは
「高くつくけどどうする?」
「(薫は京バイトと言っていたが、本当はバイトじゃなかった。ってことは、俺たちに秘密にしたいことでもあるのか?それとも……それは最悪の状態として頭に入れておくとして、実際は薫が無事かもしれないし、どうする?考えろ、考えろ、考えろ。)」
「どうするんだい?」
オーナーは急かすように聞くと
「(考えるのは、やめだ。)オーナー。薫を見つけてください。」
「ちょっとだけ待っていると良いよ」
若いオーナーは笑顔で薫を見つけるための準備に取り掛かったのである