万物選択
「すいませんでした。」
なぜか、部屋で正座させられて、謝っているのは京である。
「なんで私があんなものを…とりあえず京は死になさい(笑)」
薫が、部屋にあるバットを持ち、京を撲殺しようとしている。
だがバットが京に当たろうとするとき、京から声が聞こえた。
「自身に当たった物の拒絶」
すると京に当たるとバットが消滅した。
「その能力を使うのは卑怯よ。だから早く死になさい!!」
薫からは、殺意がみなぎっており、物投げ連打をしている。
だが京の目の前でがどんどんと投げた物が消えていく。
薫は諦めて、投げるをあきらめた。
「いつも思っているけど、その能力は卑怯。なんだっけ万物選択だっけ?」
京の能力は「万物選択」
この能力は、「万物を選べる」権利を持つことができ、触りたくなければ触りたくないものが通りすぎ、また触りたければ触ることができる能力である。
京はこんなすごい能力を持っているにも関わらず能力の話をすると
「まったくもって嫌な能力だよ。」
とつぶやく。
「なんで京は、毎回毎回そんなことを言うの?」
薫が皮肉そうに聞くと
「「自分が触れたいものを自由に選べる」なんて神様みたいじゃないか」
と京が遠い目で言うと、薫たちに軽い沈黙が訪れた。
その沈黙を消したのは、京の母親である、柚香である。
「京!!早く朝ご飯食べないと学校遅れるわよー。あと薫ちゃんは朝ご飯食べてなかったら一緒にどおー??」
と柚香の声が聞こえ、京が無理矢理な笑顔で
「とりあえず朝ご飯でも食いに行きますか。」
と京が部屋に出ようとすると、薫が京だけに聞こえる声で言葉を発する
「もし京が神様だったとしても、日向薫はずっと上泉 京の友達だよ。」
京には、今の言葉に感謝と言う気持ちを乗せ、次は無理矢理な笑顔ではなく、ごく自然な笑顔で
「早く朝ご飯食わないと学校に遅れるぞ。」
「うん!!」
と言うと薫が元気な返事で言うと京が小さな声で喋る
「ありがと」
「ん??今小さな声でなんか言った??」
京が照れた声で
「なんにもない(テレ)」
「えっ?なにその照れた顔は??なに言ったか気になるんだけど」
と朝ご飯を食っている間は、ずっとその話を薫から聞かれ、母親の柚香には、ずっと顔をニマニマとされていたのである。