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扇風機星人

作者: 藤乃花

一昔前、夏の子供が楽しみに(そうか?)していたのは、扇風機の前を陣取り、宇宙人ごっこをする事だったような気がする。(男子のみ)日曜日ともなると、一日じゅう扇風機の前に居座り、首降りモードの扇風機が正面に来ると、タイミングを合わせて「わ・れ・わ・れ・は・う・ちゅ・う・じ・ん・だ」と誰に教えられたわけでもなく、機械的な声を風にのせる。同じ言動を繰り返し、何故か飽きることはない。(なんでかな?)特にお風呂上がりの 宇宙人ごっこは、そりゃあもう盛り上がる。何分でもひたすら機械的な例の声を出し、宇宙人でもないのに宇宙人を名乗る。そんな、あほくさい遊びを修学旅行で、目撃した私は男子が本当に宇宙人に遠隔操作されて、扇風機星人に改造されつつあるのかもしれぬ……と考えた。そうなったら、やかましい男子は皆扇風機星人になり、地球上から消えてくれるのに♪と胸を踊らせていたものだ。時は流れ、今は羽根のない扇風機が開発されてしまった。本当に扇風機星人がいるなら、関西の男子学生を残らず扇風機星に送り届けてくれや!     












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