休日最後のさつまいも?〜学校に宿泊だ?!
昨日は、子供の頃からずっと一緒にいる幼馴染の鎌田健と、思い出の場所へ行き、
久しぶりに子供の頃に戻れたような懐かしい気持ちになりました。
そして今日…三連休最後の日。
今日翔は、一人で家にいます。
いいえ…今日だけではなく、両親ともに共働きなのでいつものことでした。
翔「本当は話を聞いて欲しいとか…
俺は子供かよ…課題終わったしなぁ。
健、今何してるかなぁ?」
意外と寂しい部分もあり、隠れかまってちゃんな翔。
珍しく健に連絡をしてみました。
(発信音)
翔「あ、もしもし?健」
健「おー!翔、元気かぁ〜?
って昨日ぶりか!どうした?」
翔「いや、何してるかな〜?って思って。
」
幼馴染とはいえ、あんまり自分がかまって欲しいとかそんなの…言えるわけがない。
小さい子供が言うならまだしも、いい歳して寂しいから電話したなんて…
恥ずかしい。
健「俺さ、今からお前ん家行こうとしててよ〜!母ちゃんがさ、田舎のばあちゃんからたくさん!さつまいももらってきたから「翔くんの ところにもって行ってあげたら?」だとよ。だから今から行くからよろしくなー」
翔「(大量のさつまいも…?どれだけもらったんだ。)うん。わかった。じゃああとで」
いまから健が家に来る…
なんと言うか、時間は潰せそうだけど、
大量のさつまいもを目にした時、
リアクションに困るかもしれない…
チャイム
(ピーンポーン)
翔「いらっしゃい、って…
本当にすごい量のさつまいも持ってきたな…」
ダンボール一箱分って…
健「おじゃましまーす!
いや〜本当だよ。母ちゃんと田舎のばあちゃん仲良くてさ!父ちゃんの親だけど、
仲良すぎてこの有り様だよ。」
翔「重いだろうからとりあえず中に入って。」
ダンボールいっぱいに入ったさつまいもをキッチンに置くと、健を翔の部屋に案内した。
翔「飲み物どうぞ。」
健「サンキュー!(ゴクッ…ゴクッ…)
はぁ〜、うま!家ちけーのに、この量運ぶのも一苦労だぜ…まったく。
うちの家系が仲良しなのはいいことだけどさ、限度ってものがあるだろ…
親しき中にも礼儀ありって言うやつか」
翔「健の言いたいことはわかるよ。
(その使い方合ってるのかどうかわからないけど…)」
健「あ!もう一つあったわ…ゲームサンキューな!めっちゃ面白かったぜ!
まぁ、開始10秒でしんだけどな。」
翔「あはは…。アクション系苦手だもんね…」
健との距離は変わらずに、今もこうして話して、遊んで、何気ない日常が俺は好きだ。
この後もひと通り話終わって、夕方までゲームして、今晩はさつまいもパーティーになりそうだった。
三連休明けの学校。
クラスA「昨日やばかったよな?」
クラスA2「だよな〜新作ゲームの迫力マジすごかった!」
クラスメイトは、それぞれ楽しい休日を過ごしたようで、いつもと変わらない日々をまた送る。
ザーザー
(雨音)
クラスA「雨やばくね?」
クラスA2「俺、今日傘持ってきてねーんだけど。」
クラスA3「マジか…俺もだ…」
クラスA4「そういや、台風近づいてるって言ってなかったっけ?」
外はあいにくの大雨。
警報が出るほど強く叩きつける雨の音。
道は水溜りというより川になって行った。
放課後何人か帰宅して行った生徒もいるが
うちのクラス9人ほどは残った。
先生のアナウンスによると、
大雨警報により土砂崩れや洪水の危険があるため、今日は学校に泊まるようにと放送した。
クラスA「マジかよ…俺家遠いから帰れねーじゃん」
クラスA2「俺もだ…。」
ここは男子校だったろうか?
そう錯覚するほど、女子はみ〜んな下校して、男子ばかりが残っている。
クラスA「なぁ、この学校ってシャワーとかあったっけ?」
クラスA3「あったんじゃねーか?」
クラスA2「でも、一階だよな?
暗いじゃん」
残念ながら、シャワーもお風呂もなし。
学校だから当たり前だが、トイレの行き来は可能(当たり前だけど)
みんな体育館に集まりジャージに着替えて、荷物も持って…
これではまるで修学旅行だ…。
夕ご飯はというと、非常食用の簡単なパックご飯。
夕食を終えると、体育館に集まり就寝の準備を始める。
が、ここまでは普通の学校…
うちの花咲高校は少し変わっている。
普通の先生なら、早く寝ろよ。
とか出歩くと注意するもの
普通の学校と何が違うかというと、
「学校見回り、戸締り隊」がある。
そう、この学校は不良か多数いるため、
戸締りが疎か(おろそか)になりがちで、
一年から三年の教室、トイレを含め学生それぞれが、班ごとに分かれて行われる
ミニ行事のようなもの。
※この行事は、緊急時の宿泊に限らず
暇なものは各自担任から連絡が行くようになっており、少ない数人でも行われます。
そして…午後8:04分
班ごとに一組3人ずつ分かれる。偶数になる場合はどちらかの班に入る。
翔達はというと…
B班 健と翔とクラスA6
A班は、3階
B班は、2階
C班は、1階
先生は職員室で待機。
各自、戸締り終了後は職員室へ報告に行き帰宅という形だ。
今回は、見回り兼戸締り終了後は、報告後
体育館へ移動し、就寝。という流れだ。
こうして、ミニ行事がはじまる。
健「毎度毎度、なんで俺たちなんだろうな…。言っとくけどな、俺と翔は結構参加して見回りやってんだからな!」
クラスA6「そうなんだな…お前ら真面目だな〜俺なんか家でゲームしてるから
めんどくさくて参加したことねーよ。」
翔「結構してるって言っても…一年のころに2回ほど参加して以来、2年に上がってから一回も行ってないんだけど…」
健「そうだったか?
俺は結構参加してる気になってたけどな。」
クラスA6「だとしたら、お前の感覚が大物だわw2回を結構といえる大物なw」
翔「たしかに…」
しょうもない話で盛り上がっていると、
階段から廊下へ、
健「2階って俺らの教室だからさ、
だいたい戸締りしてんじゃねーの?
うちのクラス意外と真面目なやつ多いからさ」
懐中電灯で照らしながら見回りをしていると、紙が落ちている。
健が拾いあげると、
クラスメイトのテスト用紙だった。
しかも、7点の答案用紙。
クラスA6「それ、やばくね?
ここにおいてく奴も悪いけど、みられたくないもん放置するかねふつー」
点数が悪くても仲間は仲間なので、
そっと机にしまい、見回りをつづける。
翔「窓は閉まってるみたいだね。
鍵は…かかってない。」
クラスA6「今日窓開けてた奴いたからな〜。ここ一番風が入ってきて気持ちいいとかで、」
健「こっちも窓は閉まってるが、鍵は開いてんな。閉めとくぜ」
俺たちは黙々と戸締りを終え、見回りも終了。
職員室へ報告に行き、体育館へ向かうも
体育館には誰もいなかった。
健「俺らMVPになれんじゃね!!
なんか表彰されねーかな?」
クラスA6「っハッハ無理だろ?w
学校の見回りも先生たちが決めてるし、
俺らは悪くいうと使いっ走り的な?」
翔「まぁ、戸締りと見回りはちゃんとやってるし、なんか貰ってもバチ当たらなそう」
クラスA6「それ言えてるw」
夜なので薄暗い体育館で3人仲良く雑談していると、3階担当の班が戻ってきた。
クラスA6「おー!おつかれー」
クラスA「おつかれ!
あれ?お前らはえーな?」
健「結構早く終わったぜ!しかもちゃんと戸締りしたしよ!」
クラスA2「お前ら見回り隊続けたら?
向いてんじゃね?w新記録」
クラスA6「えーめんどくせーよー
健と翔がいたから早かったんだよ。
こいつら真面目だから」
クラスA「はいはい。みんなご苦労さん。
って言うかさ、なんで一階が一番早く終わりそうなのにまだきてねーんだ?」
クラスA2「サボってんじゃねーの?
あいつらめんどくさそうだったし。」
B班も同じことを思っていた。
なぜ一番終わりそうな一階担当のC班はまだ戻ってきてないのか?
噂をすればそこにC班が戻ってきた。
クラスA「どーしたんだよお前ら、
おせーじゃん。」
クラスA2「まさかまさか、サボってたんすか?」
クラスA4「ちげーよ…なんかさ
なぁ?」
クラスA5「おー…なんか…な」
C班全員、なぜか震えていた。
クラスA「どーしたんだよ?
まさか夜の学校が怖くてビビってたのか?
」
クラスA2「あぁ〜お化けの沙汰もなんとやらってやつ?」
クラスA9「マジだよ…」
そこにいる9人全員が黙り込んだ。
最初は嘘だろとか見間違いだろとか、
怖くて幻でもみたんだろ?とか言って
とりあえず話を聞くと、
教室の戸締りを終えて、トイレの見回りもしたらしく、それはA班もB班も同じく見回りをして何もなかった。
A班、B班が話していた通り、
サボって先生に報告に行こうと会話していた時だった。
C班はトイレを最後に見回りをしていると、何もないから報告に行こうとトイレを出ようとしたら、ドアが開かなくなったらしい。
押しても、引いても開かなくて、
誰か呼ぼうとするも誰も来ず、
個室のほうから声が聞こえたんだとか。
「あぁ…ここにあったんだね」
と老人の声が聞こえた直後に個室の扉がバタンッ!と閉まり、怖くなった3人は
トイレの扉を思い切り引っ張り、さっきまで開かなかったドアが開き、そのまま逃げてきたらしい。
クラスA「マジかよ…。」
健「こえ〜…」
翔「え…ホラー?」
クラスA6「こわ。うちの学校の七不思議か?」
しょうがないので、職員室への報告がまだなC班に付き添い、みんな一緒に行った。
そのあとは、ちょっとだけ距離近めに
体育館で就寝し、大雨の影響で明日から2日間休みになった。
見回りでお化けやら、大雨で休校やら
色々起きすぎて、疲れた9人でした。