表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Ddays  作者: 山猿
NO.1 オリジナルヒーロー
1/2

1.this man

よかったらコメントください。


「あなたの夢は何ですか?」


何もない部屋に椅子が一つ。

そんな殺風景な空間で、

見覚えのない男は唯一の椅子に腰掛けたまま俺に問いかける。

先生の様な質問に答えたくは無いと思いながら、視線を上げると彼と目が合った。その瞬間、何故か馬鹿正直に答えてしまった。


「…夢は、ないです」


視界が変わる、目が覚めた。

—————-


「This Manかよ...」


眠たい目を擦りながら携帯を確認すると母からモーニングコールがかかってくる時間だった、階段を降りて気だるげな声で母親に朝の挨拶をする。


「おはよう」


すると母さんは少し驚いた様子で


「珍しいわね?自分で起きれたの?」

「なんとなくだよ、なんとなく」


 適当に返事をし、朝食を食べ、学校に向かうため身支度をして、玄関のドアを開ける。


「行ってきまーす」


 駅に向かい電車にのる。まだぼんやりとした頭の中で自分、山﨑 鷹斗(やまざき たかと) の人生について考えてしまう。

このままやりたいこともないまま大学に進学するのだろうか、と考えているうちに電車は到着し、回りと一緒に波のようになって学校に向かう。

その時、急に後ろから勢いよく肩を組まれた。


「おはよう!その顔はたっちゃんもついに見たなThis Man」


 朝から元気よく絡まれる。


「ああ、そうだよ」


 コイツは親友の 山田やまだ たける 通称タツ 

名前の通り元気のいいやつである、


「で、なんて答えたんだ、」


 猛は少し期待の目線を送る。


「特に何もないから、ないと答えたよ」


 驚いた顔をして、猛は不満そうに話出す。


「おいおい夢がねーなー、This Manは夢を叶えてくれるってゆーのがオカルト界隈では常識だぜ。」


その言葉に反論するように返事をする。


 「This Manが出てきたのはここ2ヶ月だろ、あとタツの夢の医者にもなれてないじゃねーか」


朝の何気ない日常、いつも通りの世間話、気づいた時には学校に着いていた。


 「じゃ俺、教室こっちだから、また放課後になー」


 猛が軽く手を振り別れる。自分教室に向かい、授業をうける。

何も変哲のない日常の中、淡々と時間が過ぎていくだけだだった。

そんな日常が少しずつ壊れ始めるとはつゆ知らずに、六時間目の授業中、唐突に眠気に襲われた。ふと周りを見ると自習だったせいか他の生徒も先生までうつらうつらしている様子だ。

これなら少し寝てもバレないかと思ったが最後、睡魔に身を任せてしまう。

—————-


そして次の瞬間、今朝の夢の空間に居るのに気づく、だか違うのは、人が沢山いる。まるで有名バントのライブみたいに圧迫感を感じ、苦し紛れに上に目線を上げると、あの男This Manが空中を歩いていた。


「私は神です」


 あの男がわけのわからない事を話し始める。


「そして私は人の夢に可能性を感じました。今からは努力した分だけ、夢が近づいてくる様にします。」


いきなりにも急すぎる発言に皆が驚く、誰かが声をあげようとした瞬間目が覚めてしまった。

—————-


どのくらい寝たのか時計を確認すると、不思議と時計の時間は進んでなかった。


「おい、見たか」


 クラスの誰かが少し興奮気味に問いかけている。その声を皮切りにクラスがざわつき始める。


「俺も見た」「私も」「あれなんだよ」「集団幻覚?」


 様々な憶測が飛び買う中何もなく学校は終わり、放課後になった、猛と合流しいつも集会所にしているファストフード店に向かう。

「おい、たっちゃんも見たか?This Man。」


 少し興奮気味に猛が話す。


「ああ、見たよ」


 正直わからない努力した分だけ夢が近づく?どう言う意味だ?頭の中でぐるぐる様々な考えが巡る中、急に叫び声が聞こえてきた


「うぁぁあぁぁ」


 声が聞こえてきた方を見ると、ひどく、そして訳のわからない惨状に立ち止まって見てしまう。

刃物が飛んでいる!?そして人が刺されている!?そして突然飛んでいる刃物の近くに立っている男が大声をあげていた。


「超能力を手に入れた俺は無敵、世界はオレのモンだ!」


あまりの出来事に呆然と立ちつくしていると、刃物がこっちに飛んでくる、もう無理と思って目を閉じてしまった。

不思議と痛みは無かった。恐る恐る目を開けてみると、目の前で刺された猛がいた。

そして刺されているのはどうでもいいかの様に、俺の手を引っ張っている。


「おい、何ぼーっとしてんだ!逃げるぞ!」


少し冷静になった頭で猛と一緒に逃げ始める。しばらく走ったあと、後ろを確認するあの男は追いかけていない様だ。

安心をして再び猛の方を向くと猛が倒れていた。急いで猛に呼びかける。


「猛!?大丈夫か!?」


胸をみるとかなり深く刃物がささっている。


「待ってろよ、いま救急車よぶからな」


焦りのあまり震える手で救急車を呼ぶ。

何かできる事は無いかと猛の元に近づくと、猛が震えた声で話し始めた。


「おい、覚えているか、ちっちゃい頃なりたかった俺たちで考えたスーパーヒーロー、懐かしいよな」


猛は苦しそうだが少し安らかな顔で話す。


「俺の夢はなそれになりたかったんだよ、医者なんかじゃなくて、小さい頃からずっとお前と一緒にスーパーヒーローになりたかった。」


見てられないほどに深く胸刺さった刃物、少しも体はうごさせないはずなのに猛は俺を顔の近くまで引っ張った。


「ありがとう」


そう言うと猛は喋らなくなってしまった。急いで猛に呼びかけるが返事は帰ってこない、救急車が来ても猛は返事をしなかった。

そのまま病院に運ばれ結局来た連絡は猛の母親からの猛が死んだ事について。


(猛が死んだ?俺のせいで?)


その日は何かなんだか実感も湧かないまま帰路に着く。ベッドに潜り、何も考えられないままその日は眠りについてしまう。

—————-


「あなたの夢はなんですか」


this manが現れ俺に話しかけてくる。返事を待っているその顔を見るとコイツがいなければと考えてしまう。

コイツが現れなければ猛は死ななかったんじゃないかと、だが不思議にこの空間では怒りが湧かない。

コイツさえいなければと思えば思うほど、なぜか穏やかな気分になる、


「あなたの夢は何ですか?」


再度その言葉を聞いた瞬間に猛の言葉を思い出した。


「、、、スーパーヒーロー...俺、いや俺たちがなりたかった俺たちが考えたあのスーパーヒーローになりたい!」


その瞬間目が覚める。

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ