表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/9

ゼラニウム

「俺が美肌で悪いのか」2012年11月16日、ピクシブ公開。

「鈴木さん、肌綺麗!」

 「どうしたんですか?」

 「くださいよ、その美肌」

 いじられキャラで職場では有名な、鈴木正直がサロン・ドゥムンに通い始めたら、美肌になっていたらしく、本人よりも同僚さん達が先に気がついた。

  

 サロン・ドゥムンは古い住宅街の昔は歯医者さんだった建物をリフォームしている、オーナーの名前は諏藤かやさん。大きな看板はない。敷地内にサロン・ドゥムンの要項が書かれたボードが、イーゼルに乗せられている。


 鈴木の営業先に向かう途中にあるので、ドゥムンをたまたま知っていたが、もうくたくたで、もの凄く疲れたと、そんな時に思い切ってドゥムンを訪れた、それは最良の選択、本人はここ最近の運をそこに使ったとさえ言う。

 カラン

 何しろ、予約とかしなくても、ふらりと行けば、そのまま施術してくれるのである。

 腕がいいのに、予約がいらないと、予約しないのは、結構駄目な客であるが、疲れた、限界だ!というのは、前もって察知出来るものではない。

 「いらっしゃいませ」

 元気のいい娘が受付にいる、この元気さが若さなのかなと思うと、少し悲しくはなるが、彼女はこのサロンの受付係。

 「鈴木様、これをお使いください」

 施術用の着替えとロッカールームの鍵を渡してくれる。部屋着のようなリラックスした格好をしたら、施術を行う部屋に向かう。


 詳しくは知らないが、たまにオーナー以外のマッサージなどもあるらしく、そのための部屋らしい。

 (腕がいいなら、試してはみたい)

 コッ

 珍しく他の人が、この建物で初めて会う男の人が向こうから来た。

 「こんにちは」

 男の方から挨拶してきたので。

 「こんにちは」

 と返事を返す。

 ニコ

 男は微笑んだが、男は男に微笑えまれてもなと、正直まさなおは正直思った。

 「私もここのスタッフでして、いつもはいませんが」

 「あっ、そうなんですか?」

 「修業しているので、いつもはいないのですが、よろしければいつでもどうぞ」

 名刺をいただきました。

 「それでは」

 一礼して、名刺を見ながら歩くが、名刺には名前と住所とメルアドレスしか書いてなくて。

 (営業としては落第点だな)

 と思った。

 さあ、今日はどんな天国だろうと、いつもの部屋に入ると。

 「しばらく鈴木様には通っていただきましたので、スペシャルといいますか、おそらく今日からちょっとびっくりする違いがわかると思います」

 「えっ、そうなんですか?」

 「最終的には生活の改善することが、健康には一番なので、鈴木様はちょっとした改善をアドバイスしましたら、ほとんど行ってくれましたので」

 「いや、そんな」

 「こういう方は、私の宝だと思います」

 そう言われると、とても照れた。

 寝転がると、恐ろしいほど睡魔に教われるベットに寝ると、後はオーナーにされるがままである。

 温かいタオルを顔に当てられて、毛穴を開くために蒸され、それが終わると、ペタペタと毛穴の汚れを吸着する泥パックが始まる。それを洗い流し、保湿しながらマッサージ。

 このマッサージで小顔になったらしい、四月の自分の写真と、この間免許更新した写真が、指一本分顔の大きさが違うのだ。

 フットバスに移動し、ぽちゃんと足を入れる、アロマの事は知らないけども、前に俺が必要としている香を探してくれて、その精油が入っている、俺の香りはゼラニウム、気落ちしている時に効くらしい。

 実際、ここ店に始めてきたとき、営業先で叱られたりと、身も心も参っているときであった。

 優しい、いい香りがして、右足をタオルで巻かれ、左足からフットマッサージをされる。

 多少痛みを伴った方がすっきりはするそうなのだが、せめてマッサージぐらいは気持ちよくなりたいので、痛みは無しの方向で伝えている。

 そのせいか、痛みはない。

 あれだ、耳かきとかで寝てしまうっていうのがあるが、あれだ。

 全てを任せられる、それがサロン・ドゥムンのクオリティ。


 「鈴木さんの美肌は無駄だよね」

 「私にその肌くれっていうの!」

 そうお弁当の最中に話していた同僚を見たら、もちろんサロン・ドゥムンの事は教えない、絶対に!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ