泥パック
なんでサロンを始めたのか。
2012年7月18日、ピクシブ公開。
ペタリ
鈴木正直は、顔に泥を塗られていた。
「お加減はいかがでしょう?」
サロン・ドゥムンの女性オーナーは、均一に灰色の泥を塗ったくれた。
「冷たくて、気持ちいいです」
「今日は暑いですから、肌から出た、よけいな脂を泥パックで取り除くことにしましょう」
「初めて塗ったよ、泥パック」
「そうですか?まあ、泥自体がなかなかありませんからね」
「なかなかない?」
「はい、原材料の泥がないと言うことです」
「泥なんて、あちこちにありそうなものですけどね」
「いえいえ、泥は、良質な物は、何百年堆積したものでないといけません、もちろん綺麗であること…が前提ですけど」
「すごい話だな」
「これはアフリカの泥ですね」
「遠いところから、来てますね」
「日本だと、沖縄の物が有名ですね、しかし、一回有名になりますと、気軽に使えるものではありませんからね」
お客さんの財布にまで優しいのが、この店の特徴である。
「どうぞ、洗い流してください」
洗面台でバシャバシャと水を立てると。
「タオルです」
「すごいですね、石鹸使ってないのに、ピカピカですよ」
「こんな感じで、余計な皮脂を泥が取ってくれるんですよ、肌が弱い人にも使えますので、このサロンに置いているんです」
「アレルギーの人は大変そうですもんね」
「そうですね、食べられる物が限られてしまいますから」
「前に、卵の白身のアレルギーがある人がいて、クッキーとか、お菓子食べれないっていってました」
「和菓子だと、まだそのまま食べれるものがありますけど、洋菓子だと、白身だけ使っている物も多いですから、白身が使ってある物だと、ソーセージとか、ハム類もそうですね」
「俺、そういうのなくて良かった」
「やはりサロンを始めるときに、迷ったんですよ、そういうお客さんもおりますからね」
「肌荒れ起きたら大変ですね」
「ええ」
「そういえば、何でサロン始めたんですか?」
「宝くじが当たりましたので」
「へっ?」
耳を疑った。
「それでこの店を」
「…そうなんですか」
詳しく聞きたかったが、とりあえず鈴木は、自分も当たりますようにと、帰り道サマージャンボを買ってみた。