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第6話 ドラゴンとの商談?!

ストックできたので、12話までは毎日19:00に更新します。

よろしくお願いします。

 ニャミーさんとホフマン商店に向かった。

 子供たちは、年長者が下の子供たちを見てくれているので、洗濯さえ終わればお昼までは多少自由に出来るそうだ。


「ホフマン商店は私も利用させて頂いています。とても親身に相談に乗ってもらっています。ただ、ロンド商会には全く歯が立たないようです」


 ニャミーさんが言うには、父から引き継いだ商店でやる気はあるものの、人族では無いため中々上手くは行っていないようだ。


「シスター、本日はどのようなご用件でしょうか?そちらの方々は……」


 物腰も低くて丁寧な対応で虎の縞模様の猫獣人。

 この人がホフマンさんらしい。


「本日は紹介したい方を連れてきました」


 紹介してもらうと、ニャミーさんはどこか誇らしそうだ。


「初めまして、和馬と申します。今回は商品を買って頂けないかと思い、ニャミーさんにお願いして来店させていただきました。こちらは妻の美鈴です」


「妻の美鈴です。宜しくお願い致します」


 丁寧な挨拶をあまり受けた事がないのか、少し慌てたように店内に案内された。

 営業をやっていて良かったけど、奥さんの方を見て慌てていたような……


「狭くて申し訳ありませんが、どうぞこちらへ!!」


 慌てているというよりは怯えているような気がするけど、振り向くと奥さんはいつもの優しく可愛らしい笑顔だぞ。

 何に怯えてるんだ?


「この胡椒なんですが、買取はできますか?」


「お預かり致します」


 小さな袋に入れ替えた胡椒を、ホフマンさんは少量をつまんでから入念に確認している。

 時々奥さんをチラチラ見ているのは、やはり魅力的だからだろうか。


「素晴らしい品質の胡椒です。大銅貨7枚で買い取らせていただきます」


 大銅貨7枚は銅貨70枚。つまり7000円だ。銅貨1枚で買った物が70倍とは……


「それでお願いし……」


「お待ちください」


 オレの言葉を遮るように、奥さんは静かな声で呟いた。周りの温度が5度くらい下がった気がするのは俺だけ?ホフマンさんの目が泳いでいる。


「失礼ですが、素晴らしい品質の割には正当な評価では無かったと思いますが?」


「しかし初めての買い取りとしては、かなり頑張らせて頂いたのですが……」


「銀貨1枚と大銅貨2枚が適正では?」


 流石に12000円はやり過ぎでは……


「?! それはいくらなんでも高すぎます!!」


 ですよねー。


「これから定期的に卸させて頂こうと思っています。ロンド商会にも行こうと思っているのですが……」


「……もう少し頑張らせて頂きます……」


 それから数分だったと思うが、結局1袋で銀貨1枚(10000円)での取引となった。

 奥さんが味方で本当に良かった……


「有意義な時間を過ごさせて頂きました。店内を拝見しても宜しいでしょうか?」


「どうぞご覧になってください……」


 奥さんはウキウキしてるけど、ホフマンさんは10歳くらい老けた様な気がする。

 大丈夫だろうか……? 近づいて話してみよう。


「グッタリしてますが大丈夫ですか?」


「あの方は何者なんですか?まるでドラゴンを相手に商談している様でしたよ……」


 流石は商売人だ冗談が上手い。

 後ろで奥さんの目が光った気がする。


「ところでこの道具なのですが、作ることは出来ますか?」


「どの様な道具なのでしょうか?」


 ネット検索で調べたポンプを、木の板に木炭で書いてみた。

 咲なら絵が上手いからもっとすぐに伝わったのに…とりあえず時間は掛かったが伝わったようだ。


「すっ、すっ、スゴいですよこれは!!!」


 今度は若返ってる。

 この人元気だなー。


「是非、ホフマン商店で取り扱わせて下さい! 絶対に売れます! 売ってみせます!」


 テンションが凄い、どうやら領主に売り込もうとしているようだ。

 商店を大きく出来ると目を輝かせている。野心はかなりありそうだ。こういう人(猫族だから厳密には違うが)の方が信用出来る。


「ありがとうございました!!」


 ホフマンさんはペコペコしながら最後まで見送ってくれた。

 ニャミーさんは大金を見ながら、同じくらい奥さんを見てぽーっとしている。


「これで軍資金ができたね♡」


「とりあえず何を買おうか?」


「もちろん、まずは美味しいゴハンだよ!」


「確かに!」


 お昼ゴハンに子供たちが喜びそうなのは……オレのスキル『百均』でホットケーキミックスと牛乳、バターとケーキシロップを人数分購入。


「やっぱり百均じゃあ生クリームは売ってないかぁ。そしたら代りにジャムを塗れば美味しいよね♡」


 奥さんはさっきの商談が成功した以上に、ウキウキしながら購入する商品を考えている。


「それにしても、よくあんな金額を提示できたね」


「話してれば何となくわかるよー」


 奥さんは元の世界では某・有名百貨店に勤務していたが、何度も売上トップになっていた。

 今回はお客さんではなく商人相手だけど、何ら問題無いらしい。


「お互いにメリットがあるんだから、高くてもいいんだよ。いくらで仕入れたかよりも、どれだけの価値があるかってことだから」


「……」


 奥さんは『ふふっ』と微笑んだ。その横顔は小悪魔のような、ゾクリとする笑顔だった。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 お昼ゴハンのホットケーキはあっと言う間に無くなってしまった。

 ポンポコリンになった子供たちが幸せそうに寝転んでいる。

 ニャミーさんも幸せそうに寝転んでいる。

 スープシチューのときはまだ大丈夫だったが、ホットケーキはの時は制御不能になってしまったようだ。


「こんなに美味しいもの食べたのは生まれて初めてなので……恥ずかしいです……」


「喜んでくれて嬉しい!!たくさん作ったかいがあったなぁ」


「オレもこんなに喜んでくれて良かった!」


「晩ご飯は何にしようかなぁ〜♡」


「もう晩ご飯のこと考えてるの??」


「だって喜んでほしいじゃん!」


 奥さんは聖母のような、そして恋人のような表情を見せてくれた。


 やっぱり美味しいゴハンが大事ですね!

 晩ご飯はみんな大好きなあの料理です。その前に何か起きるかも……

 読んでくださる方がいると励みになります。

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 よろしくお願いします

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