第6話「反省」
ようこそ
ダンジョン攻略を終えた俺は最下層攻略成功すると現れる宝箱を
前にため息をついた。
(なんで…こう……ボス戦になるとやりすぎるんだ、俺は…)
毎回、反省をするがこれだけは治らない。
(魔導時計の欠点だな、テンションが上がりすぎる)
魔導時計、爺さんが戯れに作ったが
放置されていたのを俺が改造しまくった。
結果、時間の領域を侵すほどに加速することになった。
その弊害は俺に害をなした連中に埋め込んである魔石が爆発する。
大した害はない。
今日もどこかで悪党貴族が爆発した程度。
俺は宝箱を開け、30個目の賢者の王冠を取る。
売れば出所を問われ、
使おうにも文化的価値しかないただの王冠。
(いらねえ…)
宝石は魔石に比べると魔力順応度がとにかく低い。
売るもしくはアクセサリー代わりにつけるしかない。
ある程度の冒険者になると
アクセサリーにすらならない。
使い道のみつからぬまま、
ゲートを潜る。
賢者の王冠はいらない物BOXに投げ捨てた。
(また一週間待ちか…)
ダンジョンは一度攻略されると、
ボスの復活まで最低一週間かかる。
俺は椅子に座り、
冷めたハーブコーヒーを飲み干す。
(めんどくせえな……)
一週間、この街で昼間どうやって暇をつぶすか
考える。
・盗賊狩り(魔石を埋め込んだうえで兵士に突き出す)
・奴隷商人(同上)
・悪い貴族(同上+敵対貴族に告発の情報流布)
・買い食い
・街を散策
(やることねえなぁ……)
「管理者モード、移動要塞ガッテムから宿屋へ機能チェンジ」
一瞬で元の宿屋へと戻る。
(まあ、ビーフシチューでも作るか)
俺は厨房へと向かう。
{あっ、野菜忘れてたわ)
「管理者モード 移動農場コルホース発動」
地平線の広がる農場へと移動した。
またあいましょう。