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第3話「朝食 二組目+常連」

ようこそ

 二人が三度目のおかわりを終え、

 皿を洗い終えたころ、二組目がテーブルの席についた。


 冒険者 サクラ・エリノア(Bランク)


 こいつは昔から常連で、

 俺が他の街に移動すると後を追いかけるように

 1週間ほど経ってから泊まりに来る。


 たまにしか声を聞いたことがないが

 大の猫舌で肉好きだ。


 二人が食べ終えるのを見計らって

 テーブルについたんだろう。


 相席や誰かと食べていることをみたことながない。


「おはよう」

 俺はいつものように声をかける。


 サクラはこくりと頷いた。


 まだ10代の幼い顔立ちだが

 Bランクであり、行先も言わず、移動する俺の宿にこうして

 泊りに来れる行動力と資金はそれだけの実力をもっているんだろう。


「本当ならサンドイッチなんだが、

 ステーキで食べてくれ」


 何十回も食べる姿をみているうちに

 ある特徴があるのに俺は気づいた。


 サクラは挟んで食べるのが苦手だ。


 不器用なのかどうかは個人の才覚によるものなので

 どうとも思わないが、

 苦手な分野は俺にもある。


 特に水分の強いソースを挟んだサンドイッチを垂らさずに

 食べるのは苦手だ。


 紙で挟んで食べるという方法もあるが

 紙に残ったソースをもったいないと思ってしまう。


 サクラの艶のある黒髪がすっと別れ、

 俺をみつめてゆっくり目を閉じ、ゆっくり開いた。


 猫がみせる親愛のポーズとともとれる行動に

 俺は微笑む。


 サクラは肉だと3回はお代わりする。

 1枚目は塩。

 2枚目で甘めのステーキソース。

 3枚目で醤油をベースにした大根おろしソース。


 締めに少しグラニュー糖を加えたぬるめのミルクハーブコーヒー(リラックス+30%)


 俺がここまでするのは常連以外にとある理由がある。

 サクラは潜ったダンジョンで持ち帰ったアイテムに食材となりうるものを

 全て持ってくるからだ。


 冒険者ギルドから色々言われているらしいが

 本人は知らぬ顔。


 俺はとあるスキルで様々な食材をいつでも持ってこれるけど、

 その心づかいがありがたい。


 そういった意味で俺はすこしだけ

 サクラにサービスしている。


 3枚目の肉を渡し終え、

 フォークを置いた音がきこえたところで

 俺はミルクコーヒーとお茶請けのマカロン(ステルス+20%)を手に

 食堂へ向かった。


 今日の食材は何を持ってくるのか

 そのことを少しだけ楽しみにしてた。

また会える日を楽しみにしてます。

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