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第7話「ホーンラビットと戦闘」

今日は雲一つない、絶好の冒険日和だ。


装備を買い、準備を整えた後、ミサキ達は街の外に出ていた。目の前には大草原が広がる。

……もう後には引けない。

ミサキは両手で頬を叩き、気合を入れる。


「頑張ろうね!」

「はい!」


ミサキ達はゆっくりと歩き始めた。

風通しも見晴らしも良く、これが現代世界ならピクニックにピッタリな場所だった。

でも今はそんな事を考えている余裕は無く、始めてのモンスター狩りと言う事で

心臓がドキドキしていた。


街が小さくなるぐらいに歩いた所で、白くて丸い物がちらほら見え始めた。


「あれがもしかしてホーンラビット?」

「そうみたいですね。注意してくださいミサキさん」


私達は道を外れ、慎重にホーンラビットに近づいてみる。


ホーンラビットは見た目はほとんど普通の可愛いウサギだった。

しかし唯一違う点として頭にほんの小さな角が生えている。

ホーンと言うだけあって、さぞ長い、串刺しにされそうな角を想像してただけに

ちょっとほっとした。

しかしゴブリンと同じモンスターと言う事なので、油断は禁物だ。


「ミサキさん、頑張ってください!」

「……うん!」


リーナが少し離れたところで応援してくれる。

私はナイフを構えてウサギの前に立つ。

しかしいざ狩ろうとすると躊躇してしまう。


……本当に殺さなきゃいけないのかな。


そんな罪悪感が私の中で込み上げてくる。


そんな事を考えていると、1匹のホーンラビットが私のお腹めがけて飛び込んできた。


ドカッ!


「うぐっ!」


お腹に強い衝撃が走る。

マズい……油断した。

そうだ、可愛くても相手は狂暴なモンスターなんだ。


「ヒール!」


ミサキが攻撃を受けた直後に素早くリーナが回復魔法をかける。

淡い光と共に、お腹の痛みが引いていく。

……流石リーナだ、頼りになる。


私は改めてナイフを構え、ホーンラビットを睨みつける。

今度は油断しない。私達も生活がかかってるんだ!


次の瞬間、ホーンラビットは再び私に向かって跳び込んできた。


今だ!


私は構えたナイフを思い切り突き出す。


ザシュッ!


ナイフはウサギを切り裂き、血を流して動かなくなった。


……死んだのか。

生き物を自分の手で殺したのはこれで2回目だ。

だけど、ゴブリンを1度殺して経験したおかげか、さほどショックは受けなかった。


「ミサキさん!後ろ!」


後ろからすかさず2匹目のホーンラビットが飛び込んできた。


ドコッ!


背中からホーンラビットの1撃を食らい、その場に倒れ込んでしまう。


「ヒール!」


すかさずリーナが回復魔法をかける。

背中の痛みがすっと引いてくる。

ミサキは素早く体制を立て直すと素早くナイフを構える。


再びホーンラビットが飛び込んでくる。

ミサキはその動きに合わせ、ナイフを突き出す。


ザシュッ!


その1撃はホーンラビットに命中し、血を流して動かなくなった。


「ミサキさん!後ろ!」

「またか!」


こんな感じでミサキ達はホーンラビットの群れと死闘を繰り広げたのだった……


◇◆◇◆◇


「はーっ……はーっ……はーっ……」


あの後数十分は死闘を繰り広げただろうか?

辺りには何匹ものホーンラビットの死体が転がっていた。

流石にもう襲ってくるホーンラビットはいないようだ


「……やりましたね!ミサキさん!」


後ろの方でリーナがぴょんぴょんと喜んでいる


「ありがとう。リーナのおかげだよ」


ミサキはナイフの血をぬぐいながら答える。

実際何度もホーンラビットから攻撃を受け、その度に回復魔法をかけてもらわなかったら

間違いなく危なかっただろう。

つまりこれはミサキとリーナ2人での勝利と言える。


ホーンラビットの死体は2500ガルで買い取ってくれた。

ゴブリンの半分以下しかないが、その分沢山持ってきたので、それなりの金額になった。


初日ならこんなものかな……?

ミサキ達はヘトヘトになりながらも、ちょっと満足して帰路についた。

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