第55話「ソロモンの最期」
「合体技……って、どうやるんだ?」
「2人でこの剣に魔力を流し、そして気持ちを合わせるんだ。
アイツを倒すイメージを……!」
「……わかった。もう今はそれに賭けるしかない」
私はジャンゴと一緒に同じ剣を握る。
そして、意識を手に、剣に集中させる。
ジャンゴの心臓の鼓動が伝わってくる。
息遣いが重なり、1つの存在になったかのように感じる。
「お前達雑魚が何をやっても無駄だ。死ね」
ソロモンは闇で巨大な槍を作り出し、打ち出してきた。
凄まじい威圧感。
普段の私だったらその威圧感に押しつぶされてただろう。
でも、今は違う。
1人では怖くても、2人ならば怖くはない。
「行くぞミサキ!」
「ええ!」
私の風の魔力と、ジャンゴの火の魔力が混ざり合い、1つの大きな魔力となる。
「くらえ!」
「必殺!」
「フレアストームブレード!!!」
私達が剣を振ると、そこから炎の竜巻が巻き起こる。
その炎の竜巻は闇の槍とぶつかり、押し合いになる。
「ぐううっ……!!」
「「はあああああああっ!!!」」
お互いに一歩も譲らない押し合い。
だが、次第に闇の槍にヒビが入り、砕け散った。
「なっ!!!」
ソロモンは驚いた表情のまま、炎の竜巻の中に飲まれていった。
「倒した……のか?」
私達は息を切らしながら、炎の竜巻が止むのを待った。
「……クソ……お前達雑魚なんかに……!!!」
しかしソロモンは生きていた。
その表情は完全に怒りに満ちている。
「あれでダメなのか……」
ジャンゴはガクリと膝をつく。
私ももう立っているのでやっとだ。
「俺を怒らせたことを、あの世で後悔するがいい!!!」
ソロモンは勝利を確信し、ニヤリと笑うと、再び闇を纏わせ、武器を作り出す。
ここまでかと思ったその時、氷と炎の弾丸がソロモンを貫いた。
「よくやってくれたなジャンゴ。そしてジャンゴの友人よ」
「よくも私を操ってくれたな……ダークエルフの魔術師よ」
そこには傷が癒えたシュヴァルツとジークが立っていた。
私達が戦っている間にリーナが2人の傷を癒していたのだ。
流石のソロモンも、2人の形相に押されたのか、顔をこわばらせる。
「クソッ……」
「覚悟はいいな。ソロモン」
シュヴァルツとジークは同時にソロモンに飛び掛かり、強烈な氷と炎の波動を浴びせる。
ソロモンも少しの間、闇のバリアで抵抗していたが、次第に押され
そしてついに直撃した。
「この俺が……この俺が……!こんな所で……!!!」
その言葉を最後に爆発が起き、ソロモンはこの世から消滅した。