第49話「ドラゴンの居る山」
「ドラゴンですか?それなら近くのワームート山に住んでるドラゴンの事でしょうね」
翌日、私達はギルドに行き、ドラゴンの事に付いて聞いてみた。
どうやらこの村の近くにあるワームート山にドラゴンが住み着いているようだ。
「そんな近くにドラゴンが居て大丈夫なんですか……?」
「大丈夫ですよ。あそこのドラゴンは温厚で、滅多に人を襲う事は無いわ」
「そうなんですか?それじゃあ見に行っても大丈夫ですかね?」
「うーん……大丈夫だとは思うけど、まず道中のモンスターが狂暴だから
腕に自信がなければ行かないほうがいいわね」
「どうします?ミサキさん」
「ドラゴンは見てみたいな……とりあえず1度登ってみて、行けそうなら行ってみようか」
「わかりました」
と言うわけで、私達はワームート山に登っているところだった。
「綺麗ですね」
「うん。綺麗だね」
真冬の山と言う事で、山には雪が積もっていた。
一面の銀世界がとても美しい。
ただ、雪が積もってると言う事は、それだけ歩きにくくなると言う事だ。
いくら体力が付いたとは言え、無暗に動くと疲れて動けなくなる可能性もあったので
ゆっくりと歩いていく。
しばらく歩いていると、複数の大きな狼が私達に近づいてきた。
クレン山よりも一回り大きな狼だ。
「シャインショット!」
まずリーナが先制攻撃として光の球を飛ばす。
光の球は狼に当たり、狼を吹き飛ばす。
しかし、残りの狼が一斉に襲い掛かってくる。
私はそれを撃退しようとナイフを振る。
しかし、雪に足を取られて動きが鈍り、1匹の狼を仕留め損なってしまった
そのせいで肩に噛みつかれてしまう。
少し痛いが、リーナがバリアを張っていたおかげでその程度で済んだ。
私は狼を振り払うと、その腹にナイフを突き刺した。
狼はそのまま静かに息絶えた。
「大丈夫ですか?ミサキさん。ヒール!」
「大丈夫。しかしやっぱり雪となると、上手く動けないもんだな」
「それならいつも以上に注意して動かないとですね」
これは予想以上に苦労しそうだと感じながら、私達は慎重に雪の積もる山を登っていった。