第47話「またまた次の街へ」
聖なる泉も見られた事だし、私達は満足して、次の村、
フルエーレ村に向かう馬車に乗る所だった。
すると
「おお、ミサキとリーナじゃんか。また一緒だな!」
なんと、またジャンゴが乗り合わせて来た。
「ジャンゴ!!」
「ジャンゴさん!!」
「まさかこんな早く再開できるなんてな」
ジャンゴは嬉しそうに私の前に座る。
「ミサキ達もフルエーレ村に用事か?」
「用事……ってほどでも無いけど、この街の辺りも大体見終わったから
次の街に行こうかなって」
「ジャンゴさんは何か用事なんですか?」
「ああ、実はあの後奴隷達から情報を聞きだせてな。
その情報から大体の犯人を特定できたんだ」
「そうなんですか、あんな酷い事をする人って、一体誰だったんですか?」
そう聞くと、ジャンゴのおちゃらけた表情が、急に真面目になる。
「……闇の大魔術師ソロモンの事は知ってるか?」
「ソロモン……?誰ですか?それ」
「私知ってます。魔術師ソロモン。ユーロティア大陸でも最恐のダークエルフの魔術師で
戦士のシュヴァルツ、魔術師のソロモンと言われるぐらいの強さを持ってるらしいです。
確か懸賞金は……1億」
「1億!?」
1億と言えば、私達がかつて戦った盗賊ジードのなんと100倍だ。
そこまで来ると、どれだけ強く、どれだけ危険なのか想像にもつかない。
「ああ、奴隷達の証言に、あれだけの服従魔法を扱える力を持つ事を考えると
奴しか考えられない。
それでだ、同じエルフなら何か知ってる事は無いか、
フルエーレ村に聞き込みに行くと言うわけだ」
「なるほど……」
私達がこれから向かうフルエーレ村は、別名エルフの村と言う、
エルフの沢山住む村だと言う。
「エルフってどんな種族なんだ?」
「エルフは人間よりも強い魔力を持っていて、基本的に自然を好む種族ですね。
後、耳が長く尖がってるのが特徴です」
「普通のエルフとダークエルフの違いって何?」
「うーん……ダークエルフに関してはよく知らないんですよね。
肌の色が白いか黒いかの違いなんじゃないでしょうか……?」
「それは違うな。ダークエルフはかつて魔王に魂を売り、その代償に力を得たエルフの事だ。
そのほとんどが勇者に倒されたと聞くが、ソロモンはその生き残りって事だろう」
「魔王に魂を売ったエルフか……」
そう聞くと本当にヤバそうな相手だ。
「だからダークエルフに出会ったら戦おうとしないで逃げる事。いいな」
「わかった」
「わかりました」
流石に魔王から力を授かったエルフなんて厄介な相手はしたくない。
懸賞金1億の超危険人物である魔術師ソロモンならなおの事だ。