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第45話「報酬と案内」

あの後、私達はセントラル王都のギルドに戻ってきた。

奴隷達はジャンゴが持ってきた、身に着けた者の魔力を封じる腕輪を奴隷達に付けて

縄で引っ張っている状態だ。

奴隷達は暴れるんじゃないかと思ったが、意外と大人しくついてきた。


「さて、俺は彼らを引き渡しに行くけれど、何かお前達にお礼をしないとな。

何でも言ってくれ」

「そんな!私達が助けてもらった側なのに、お礼なんて受け取れないよ!」

「そう言うな、あそこまで戦ってくれたのにお礼の1つもしないんじゃ

騎士団の恥だ。なんでも遠慮なく言ってくれ」

「うーん……」

「ミサキさん、あそこまで言ってるんですし、お言葉に甘えてもらったらどうでしょう?」

「それはわかってるんだけど……」


正直言って、今私が欲しい物は何も無い。

必要な物は全部揃えてるし、お金ももう溜まり過ぎて困っているぐらいだ。

今後も冒険を続けるつもりだから家とかも必要ない。

ならば何をしてもらおうか……


「そうだ、私達、ずっと聖なる泉を探してるんだけど、詳しい場所がわかる方法って

何かないかな?」

「聖なる泉か、それなら俺が案内するよ!あそこには1度行った事があるからな」

「本当!?じゃあお願いするよ」

「わかった。それじゃあ明日迎えに来るでいいか?」

「うん!」


明日、聖なる泉を案内すると言う約束をし、私達は別れた。


「よかったですね!ミサキさん!」

「うん、やっと聖なる泉に行くことができるよ。

長かったなぁ……ほんと」


私達がジューカ森を探索して、もう1ヵ月ぐらいになるだろうか。

本当に長い間探索したものだ。

一時諦めようとしたこともあったけど、明日、遂に聖なる泉に行く事ができる。

そう思うと、凄く嬉しかった。






「おーっい!ミサキ!リーナ!迎えに来たぞー!」


翌日の朝、ジャンゴが私達の泊っている部屋の前まで迎えに来た。


「ちょっと待ってて、今支度するから」


私は一旦ドアを開けて返事をし、準備を整えた。


「今日はよろしくね、ジャンゴ」

「よろしくお願いします」

「おう!任せておけ!」


ジャンゴは自信満々に胸を叩いた。






「ジャンゴは聖なる泉に行った事があるって言ってたけれど、

聖なる泉って一体どんな所なの?」

「そうだなー、とにかく凄ェ綺麗な所だったな」

「綺麗な所ですかー、楽しみです!」

「しかし、まさか騎士団の人に案内してもらう事になるとは思わなかったよ。

しかも、その騎士がジャンゴだったなんて」

「私もジャンゴさんが騎士だと知った時はびっくりしましたね。

しかもただの騎士じゃなくて、騎士副団長だなんて」

「ははは、よく言われるな。お前は騎士らしくないって」


そんな談笑をしながら森の中を歩いていた。

もう歩き慣れた森の中だけど、ジャンゴが1人加わるだけでだいぶ新鮮に感じられた。


新鮮に感じられたのは戦闘もそうだった。

前方からコボルトが向かってくるのを見つけ、いつもの通り戦闘態勢を取り撃退しようとした。

すると、横から突風が吹き、コボルトが真っ二つに切り裂かれた。


「今のはジャンゴが?」

「ああ。これぐらいは朝飯前さ」

「ジャンゴさん凄いです!」

「流石、騎士副団長だけあって頼りになるな」


そう、この時は私は本当に頼りになると思っていた。

しかし……


「……あれ、おかしいな、このあたりにあるハズなんだけれど」

「……もしかして、迷った?」

「そ、そんな事は無いぜ!ちょっと寄り道してるだけだから!」

「……これは迷ったな」

「……そうですね」


前言撤回。戦闘以外では頼りにならないわ。

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