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第43話「奴隷戦士との戦闘」

洞窟を取り囲む人たちは筋肉隆々で武器を構えた、如何にも戦士と言う風貌だった。

しかし様子がおかしい。

目には光が宿っておらず、まるで人形のように表情が硬い。

そして、彼らの首元には大きく頑丈そうな首輪が嵌められていた。


……どうやら彼らも奴隷の様だ。


「……侵入者か、排除する!」


戦士達は一斉に私達に向けて矢を放つ。


「バリアーッ!」


私はリーナを庇うように前に立ち、リーナがバリアを展開する。

更に魔力を込めて体を強化し、頭を庇うように両腕で防御する。


矢は私に当たるが、特に刺さる事は無くポトリと落ちていく。


「リーナは洞窟に戻って!」

「はい、気を付けてくださいね!」


リーナは攻撃を受けないよう、急いで洞窟に戻っていった。


その間にも戦士達は私達に向かい、剣や斧と言った武器を振るう。

だが、今の私にとっては遅い動きだ。


私は彼らの振るう武器をひょいと避けると、ナイフの柄で殴打する。

彼らは嫌々主人の言う事を聞いてるのかもしれないと思い、気絶させる程度に手加減する。


リーナも洞窟の入り口から魔法で援護し、戦士達を光の球で倒していく。


後少し!


戦士達の数も減ってきた時、背後から強い殺気を感じ、後ろを振り向く。

そこには大柄な戦士が大剣を振り下ろす所だった。


私はとっさにそれを跳んで避け、ナイフの柄で殴りつける。

しかし、その戦士の体から岩石が現れ、私の攻撃を受け止めた。


コイツ、魔法も使えるのか!


岩の戦士はその大きな剣で私に切りかかる。

見た目に反して動きは素早い。


「シャインショット!」


リーナが光の球を、岩の戦士に向けて放つ。

しかし、岩の戦士はそれを素早く避けると、剣を思い切り地面に突き刺した。


するとボコボコと地面が盛り上がり、それが洞窟の入り口の方へと向かっていく。


「リーナ!奥に逃げろ!」


マズい予感がして私はリーナに叫んだ。

地面のボコボコが洞窟の入り口に達した時、そこから大きな岩石の塊が飛び出した。


ズドンッ!!


大きな岩石の塊は天井に突き刺さると、洞窟の入り口をしっかりと塞いでしまった。


「リーナッ!!!」


もしあれに巻き込まれていたら、ただじゃ済まないだろう。

退避は間に合ったのか?彼女は無事なのか?

私が不安を感じていると、容赦なく岩の戦士は私に向けて攻撃を仕掛けてきた。


私はその剣を紙一重でかわすと、両手のナイフに魔力を込める。

ナイフに激しい風が纏う。

さっきの戦いから生半可な攻撃は効かない事はわかっている。

奴隷だからと言って、手を抜いて倒せる相手じゃない。

私の持てる全力で、この人を倒す!


「くらえッ!必殺!ウィンドスラッシュ!」


私は竜巻を纏わせた2本のナイフで彼に切りかかる。

彼はその攻撃を岩石を身に纏わせて防御しようとする。

たが、私のナイフはその岩石をアイスクリームのように切り

後ろに隠れていた彼の体も切り裂いた。


そして彼はそのままばたりとその場に倒れた。


私は急いで洞窟の入り口に駆け寄った。

入り口はほぼ塞がっているが、かろうじて向こうの様子が見える小さな穴があった。


「リーナ!大丈夫!?」

「私は大丈夫です!何とか攻撃される前に避難できました!

それよりそっちは……ミサキさん後ろ!!」


リーナが青ざめた顔で叫んだ。

その瞬間、私の腹に激痛が走り、お腹から血に濡れた剣の刃先がちらりと生えてるのが見えた。

ゆっくりと後ろを振り向くと、先ほど倒したハズの岩の戦士が燃えながら

私に剣を突き刺しているところだった。


こいつ……まだ動けたのか……!


岩の戦士は剣を引き抜くと、大きく振りかぶって、私にトドメを刺そうとする。

私は必至でその攻撃に反応しようとするが、体が上手く動かない。


そうしてる内に、岩の戦士が大剣を勢いよく振り下ろす。


避けられない!


私はせめてダメージを軽くしようと、腕に魔力を集中させ、体をガードした。


しかし、剣が私に当たる前に、爆炎が吹き岩の戦士を吹き飛ばした。


「よくここまで戦ってくれた。ありがとう」


そこで剣を構えていたのは、セントラル王都に来る時の馬車で一緒になった戦士。

ジャンゴだった。

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