第41話「謎の洞窟」
あれから半月。
幽霊屋敷なんて物が存在したから、他にはどんな物があるのかワクワクしていたが
あれ以降目新しい物は全く無く、流石の私もそろそろ探索に飽き始めていたところだった。
「全然見つかりませんねぇ……聖なる泉」
もちろん最初の目的である聖なる泉も見つかっていない。
「今回の探索でも見つからなかったら諦めようか」
「諦めちゃうんですか?」
「流石にこれ以上探索を続けるのも辛いからね、そろそろ他の所にも行きたいし」
「そうですか……わかりました。今回の探索で見つかるといいですね」
「そうだね」
今回で聖なる泉を見つけるために、今回は特にテキパキと探索することにした。
しばらく歩いていると、地面が盛り上がり、ぽっかりと大きな穴が開いているのを見つけた。
「もしかして、ダンジョンの入り口だったりするのかな?」
「どうします?」
「もちろん入ってみよう!」
「でも、聖なる泉はどうするんですか?
今回の探索で見つからなかったら諦めるって……」
「じゃあ、それは無かったことにしよう。
折角洞窟なんて面白そうな物を見つけたんだから入ってみなきゃ損だよ」
「……わかりました。ミサキさん、こう言う事になると言っても聞かなさそうですからね」
リーナは少し呆れ気味に答える。
少し申し訳ない気持ちはありつつも、好奇心には勝てない。
私はその洞窟の中に入っていった。
洞窟の中はクレン山のダンジョンほどでは無いにしろ広いが、緩めの坂道になっていた。
「モンスター……は、どうやら居ないみたいですね」
「そうだね。となると、ここはただの洞窟かな」
「そうみたいですね、モンスターが出ないなら安心です」
「まあ、ダンジョンならダンジョンで面白かったと思うけどね」
「そうですか?私ダンジョンにいい思い出ありませんけど……」
「確かに初ダンジョンは壮絶だったからなぁ……でも、今の私達なら
ダンジョンでも大丈夫だよ」
「ダンジョンクリアはジャンゴに取られましたけどね」
「それは言わないで……」
そんな話をしながら、私達は洞窟内を進んでいった。