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第39話「闇の魔術師グレイヴ」

部屋の外にはまだ沢山のレイスが居た。

しかし、倒し方を知った今なら怖くはない。


「ウィンドカッター!」

「シャインショット!」


私達は風の刃や光の球体をレイス達に放つ、

風の刃や光の球体に当たったレイス達は、閃光や爆風と共に消滅していった。

そうやって邪魔をするレイス達を蹴散らしながら、撃退しながら騒音が鳴る方に急いだ。






エントランスまでたどり着いた私達の目に飛び込んだのは

ボロボロになって倒れてるマリアンさんと ローブを着て空に浮かんでる何かだった。


「グゴオォォォ……ボウケンシャ……ハ……ドコダ……」

「お願い!正気に戻って!」


ローブを着た何かはマリアンさんに向けて闇の球を放った所だった。


「マリアンさん!」


私はとっさにマリアンさんの元に走る。


「バリアーッ!」


リーナがバリアを張り、私はナイフで闇の球を弾き飛ばす。

弾き飛ばされた闇の球体は柱に当たり、ゴーッと言う音を立てながら柱を削って消滅した。


「大丈夫ですか!?マリアンさん!」

「どうして貴方がここに……それよりもここは危ないから早く逃げて!」

「何言ってるんですか!そんなボロボロで、あいつがやったんですね?」


私はギロリとそのローブを着た何かを睨みつける。

恐らくだけど、アイツがマリアンさんの行っていた闇の魔導士。グレイヴだろう。

実際、彼の魔力は凄まじい。私の倍ぐらいはありそうだ。


「いつもは彼は私の言葉だけは聞いてくれるんだけど、今日は様子がおかしいの

完全に暴走していて、私の事も分からなくなってる……!」

「ボウケンシャ……ドモガ……ユルサン!!!」


動揺し困惑の表情を浮かべてるマリアンさんに構わず、怒りと憎しみの籠った声でグレイヴは叫ぶ。

そして、グレイヴは闇の球を大量に展開した。

あの闇の球は危険だ。

さっきは何とかナイフで弾き飛ばせたけれど、そのナイフの刀身が無くなってしまっていた。

これをマトモに受けるのは絶対にマズい。


「シャインショット!」


その隙にリーナが横から光の球を放つ。

しかし、光の球はグレイヴに当たる前に、黒い闇の様な物に阻まれ消えていった。


「そんな!」

「彼に生半可な攻撃は通用しないわ!」

「じゃあどうすれば……!?」

「シネ!」


グレイヴは展開した闇の球を四方八方に放つ。

私達はそれを素早く横に跳んでかわす。

闇の球は壁に、柱に、階段に、床に当たると、それを削り取っていった。


「……なんとか彼の気を逸らして。その隙に、私が何とかするわ」

「……わかりました」


私は残ったナイフを構える。


「来い!冒険者はここだ!!」


私はグレイヴにしっかりと聞こえるように大きな声で挑発する。


「ボウケンシャ……コロス!!」


グレイヴはこちらに体を向けると闇を周囲に集め始める。

また闇の球体を作るのかと思ったら、今度は剣や槍の形に固め、それを飛ばしてきた。


私はそれをとっさに避ける。


床に、壁に当たった闇の武器は、強烈な衝撃波を放ち、その周囲をえぐり取る。


「くっ!」


直撃してないのにこの衝撃波はマズい……!


だが、誘導自体は上手く行ってるようだ。

グレイヴの攻撃はかなり大雑把だが、少なくとも私を狙っていることは確かだ。


マリアンさんの魔力がどんどん膨れ上がっていくのを感じる。

後もう少しだ……!


私はグレイヴの猛攻から必死で逃げる。


しかし


ザシュッ!


「あっがああああああああっ!!!!」


闇の武器の1本が私の足をかすめた。

かすめただけだと言うのに私の足は深くえぐられ、血が噴き出してくる。

痛みを堪えながらもグレイヴの方を必死に見る。

彼は無慈悲に次の攻撃の為に、大量の闇の武器を周囲に浮かび上がらせていた。


マズい……!こんな足じゃ避けられない!


「シャインキャノン!」


絶体絶命だと思ったその瞬間、リーナが特大の光の球をグレイヴに飛ばす。

その光の球はグレイヴを覆う闇の力で少し小さくはなったが、確かにグレイヴに直撃し

閃光と共に破裂した。


「ガアアアアアアアッ!!!ゴロズゴロズゴロズ!!!」


悲鳴と怒号が混じり合ったかのような叫び声をあげ、リーナの方を向く。

そして闇の武器を飛ばそうと、腕を振り上げる。


「させるかぁっ!!」


リーナに攻撃はさせない!

私はナイフに魔力を集中させる。

ナイフに小さな竜巻のような暴風が纏う。


「くらえッ!ウィンドブレード!!」


私は渾身の力を込めて、竜巻の宿ったナイフをグレイヴに向かって投げ付けた。


ザシュッ!


ナイフはグレイヴの肩あたりを貫き、風がローブをズタズタに引き裂く。


「グアアアアアアッ!!!」


グレイヴは苦しそうな叫び声を上げ、フラフラと降下し始めた。

しかし、それほどの傷を負っても彼は私の方を向き、攻撃をしようと闇を集める。


その瞬間だった。

マリアンさんの体が眩しい光に包まれる。

私は直感した。グレイヴを倒す魔法の準備が整ったんだと。


「これで最後よ!ホーリージャッジメント!!!」


彼女の叫びと共に、目も眩むほどの強烈な光が屋敷の屋根を突き破りグレイヴに降り注いだ。

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