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第32話「魔法のエンチャント」

「ここがエンチャント屋かー」

「私も始めて来ました。こんな所なんですね」


あれから私達はエンチャント屋に来ていた。

道具に魔法をかける店と聞いていたから、どれだけおどろおどろしいのかと身構えてたけれど

思ったよりもずっと綺麗で広い所だ。


「いらっしゃい。何をエンチャントするんだ?」

「えっと、何をエンチャントできるんですか?」

「とりあえず服、武器、防具、鞄あたりにはエンチャントできるな。

どんなエンチャントができるかは、このメニューを見てくれ」


そう言うと店員はエンチャントの内容と代金の書かれた紙を渡してきた。

私はそれをリーナと一緒になって見てみる。

どうやら結構な種類のエンチャントがあるみたいだ。

気になる中の空間を広げるエンチャントは、最低金額80万ガルから

最大で200万ガルもする。

高くなればなるほど中の空間が広がっていくようだ。

確かに高いが、今の私達なら買って十分おつりがくる。

なので、獲物用の袋に1番高い空間を広げるエンチャントを付けてもらうことにした。


「折角だし、他にもエンチャントしてもらおうか」

「そうですね!」


他には服に暑さや寒さに強くなるエンチャントを、

ナイフには切れ味を鋭くするエンチャントを、

リュックに劣化を防ぐエンチャントを付けてもらうことにした。


店員は荷物を店の奥に持って行くと

別の店員が万年筆の様なペンを持ち、魔力を込めて預けた荷物に何かを丁寧に描いていく。

恐らくジャンゴが言っていたように、あれで魔法陣を描いているのだろう。

そして、その何かが描き終えるたびに、描かれた物が白く光り輝く。

あれがエンチャントが完了したと言う証なんだろうか?






「エンチャントが全部終わったぞ」


しばらくして全てのエンチャントを終えて、店員が荷物を持ってきた。

私はそれを受け取ると、袋の中を覗き込む。


……凄い。


中は袋とは思えないぐらいの空間が広がっていた。

小さな倉庫ぐらいの大きさはありそうだ。

これが自分で使えるなんて……なんだか感動してくる。


「エンチャントは1年経つと効力が無くなるから注意しな」

「えっ、エンチャントってずっと持続するんじゃないんですか」

「そりゃそうだ。普通は効力が切れる前にまたエンチャントをかけなおす。

ずっと効力が続く魔法なんてそれこそ賢者様ぐらいの力が無いと無理だ」


つまり毎年エンチャントの維持費がかかると言う訳か。通りで安いと思った。

しかし、これで冒険がより快適になるのなら仕方のない出費だ。

そう思うことにした。






「凄い……全然寒くない」

「そうですね。エンチャントって本当に凄い」


エンチャントを終えて、私達は店を出た。

肌寒かった外の風が今は寒くない。

服に寒さに強くなるエンチャントを付けたおかげだろう。

結構な金額を使ったけれど、エンチャントを付けたのは間違いでは無かった。

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