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第28話「洞窟の正体」

「一体どうしたんですか?馬車にも乗りに来なかったですし……」


ギルドに付くと、受付嬢の人が心配していた。

馬車に乗ると言っていたのに、全然来なくて心配してたらしい。

結局馬車は半日前にここを出たようだ。

つまり私達は一日以上あの洞窟の中に居たらしい。


「少し、変な洞窟に迷い込んで……」

「変な洞窟?この近くに洞窟なんて無いハズですけど……」

「でも確かにあったんです。狂暴なモンスターばかり出てきて、凄く入り組んでいて、

凄い深い洞窟が……」

「うーん……何か他に気が付いたことはありませんか?」

「他に……そう言えば倒したモンスターが光になって消えてしまったんです」

「倒したモンスターが光に?」


受付嬢は少し悩み込む。


「もしかして……そこは新しくできたダンジョンなのかもしれません」

「ダンジョン……って何ですか?」

「ダンジョンとはこの世界にいくつか存在する迷宮の事なんですが、

そこのモンスターは死ぬと消えてしまう代わりに魔結晶と言う物を残すんです」

「魔結晶?」

「こんな石ですね」


受付嬢の人は小さな青色の宝石を取り出す。キラキラ光っていて綺麗だ。


「魔結晶は魔法具を作るのに使えるので、ギルドで高く買い取ってるんです、

なのでこれを求めてダンジョンに入る人も多いんです。

ですが、ダンジョンに出てくるモンスターは本来その周辺に出てくるモンスターよりも

一回り強く狂暴な事が多いんです。

おまけに迷いやすいので、冒険者が軽い気持ちで挑んでそのまま帰ってこなかった

なんてよくある話なんです」


私は背筋がゾッとした。

そんな所に落っこちて、生きて帰ってこれたなんて

本当に私達は幸運だったんだな……


「ダンジョンの探索は本当に危険なんです。なので探索をするのなら

しっかりと準備を整える事が大事ですね。

中にはダンジョンの入り口で鍛えてから探索を始める人も居るみたいですよ」


鍛える……か。


キラーベアと戦ってから、どこかで鍛えたほうがいいんじゃないかとは思っていた。

幸いあそこのダンジョンのモンスターは強いけど、2人で十分勝てるぐらいの強さだった。

ダンジョンに落ちたのは最悪だと思ってたけど、

もしかしたら逆に私達にとって幸運だったのかもしれない。


「リーナ、私はここで強くなっておきたい。

だから、またあのダンジョンに行ってみようと思う

……ついてきてくれる?」


我ながらかなり無茶な要求だと思う。

1度死にかけた恐怖の場所に、また自分から行こうだなんて


「もちろんです。一緒に頑張りましょう!」


それでもリーナは嫌な顔をするどころか、私に微笑み答えてくれた。


「ありがとう、リーナ」


リーナの期待に応える為にも、そして自分の為にも

ここで強くなろう。私はそう誓った。

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