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第16話「冒険の喜び」

ミサキ達がミチク村に来てから早半月。

最初の頃はクレン山で出るモンスターに苦労したけれど、

今ではだいぶ余裕を持って倒せるようになった。


そろそろ次の街に行ってもいい頃合いだけど、その前に

ちゃんとこの山を登ってみたかった。


今まではモンスターを倒したら、その度に換金しに村に戻っていたので

中々山を登れなかった。

ただ、ここのモンスターはなかなか高額で買い取ってもらえる為、

あれからずいぶんとお金が溜まった。

盗賊ジードの懸賞金も全く使ってない為、凄い額が溜まっている。

なので今回は山登りに専念することにした。


「紅葉が綺麗だね」

「ほんとですね」


相変わらず草だらけで視界の狭い山道だけど、

数週間クレン山でモンスターを狩り続けた結果、今や自由に動けるようになり、

こうして風景を堪能する余裕も出来た。


「もう秋なんですね」

「でも今日は秋にしてはちょっと暑いけどね」

「そうですね」


そんな事を話しながら山を登っていく。

たまにモンスターに襲われる時もあったけど、特に問題なく迎撃する。

なお、今回は山を登るのが目的な為、倒したモンスターはその場に放置する。

ちょっと勿体ないけれど、モンスターを抱えながら山を登るのは厳しいので仕方ない。




「見てリーナ!川だ!」

「ホントだ!」


しばらく山を登っていると川に出た。

見た所、流れは非常に緩やかで、深さも精々足首程度の川だ。入るには丁度良さそう。

ミサキ達は靴を脱いで川に入ってみる。


「ーっ!冷たくて気持ちいい……」

「ですねー……」


山が紅葉で染まってるように今はもう秋の時期だけど、

今日はそうとは思わせないぐらいの猛暑日だった。

なのでこの川の冷たさが本当に気持ちいい。


「ミサキさん、えいっ!」

「わっ!」


リーナが突然ミサキに水をかけて来た。

暑かったので冷たい水は程よく気持ちがいい。

でもそれはそれ、これはこれだ。


「やったな!それっ!」


ミサキはリーナに水をかけかえす。


「やりましたねー!それっ!」


そんな感じで、ミサキ達はびしょびしょになるまで川で遊んだ。



川を満喫した所で再び山を登り始めた。

服はびしょびしょだけど、この暑さならすぐに乾くだろう。

幸運にもあれからモンスターとは出会わず、スムーズに山を登る事ができた。

そしてついに、


「ついたーっ!」


ミサキ達はクレン山の山頂に辿り着いた。


「やりましたね、ミサキさん!」

「うん、やったねリーナ!」


山頂からは景色を一望出来た。

テンセ山とはまた違った綺麗な景色。

そして険しい山を登り切ったという達成感。

その喜びがミサキを包み込んでいた。

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