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第15話「狼狩り」

翌日、ミサキ達は村の近くにある山、クレン山に登っていた。


クレン山はサーショ街にあったテンセ山と比べてより一層草木が生い茂り、道も視界も狭い。

一応ミサキ達はテンセ山に半月ほど登り続けていた経験がある為、

こんな山でもそれなりに登る事は出来た。

しかし、この山にはゴブリンよりも強いモンスターが

生息しているという話だから油断はできない。

その為、ミサキ達は1歩1歩、慎重にこの山を登って行った。



ある程度山を登っていると、ちらりと草木の間に何物かの姿が見えた。

ミサキはすかさず立ち止まり、その姿をよく見てみる。

多分ワイルドボアだろうと思っていたが、見えたのはイノシシでは無く、狼の姿をしていた。

この山に来る前にギルドで軽くここに出てくるモンスターの事を聞いておいたが

恐らくあれはワイルドウルフだろう。

ワイルドボアと比べてパワーと頑丈度は劣るが、その分素早く、

鋭い牙による攻撃が強烈なモンスターらしい。

どちらにしてもゴブリンよりも強いモンスターだそうだ。


相手はまだこちらに気が付いていない。

私は静かに右手にナイフを構え、左手に魔力を集中させる。


ウィンドカッター!


ミサキは心の中で叫び、ワイルドウルフに向かって風の刃を放った。


しかしワイルドウルフは風の刃が当たる直前にこちらに気が付き、素早く風の刃をかわす。

そしてそのままこちらに向かってくる。

確かにゴブリンに比べたらずっと素早い動き。しかし、盗賊ジードに比べたらだいぶマシな速度だ。


「バリアー!」

「ウィンドカッター!」


リーナがすかさずバリアを張り。

ミサキはすかさず2発目の風の刃を放つ。


風の刃は見事に命中し、ワイルドウルフを吹き飛ばす。

ワイルドウルフの顔がパックリと裂けて、血が流れるのが見える。


それでもワイルドウルフはこちらに向かって跳び掛かり、ミサキの左肩に噛みついてきた。

ミサキは鋭い痛みが走る事を覚悟した。しかし実際はバリアのおかげで

チクリとする痛みが走る程度で済んだ。

ワイルドウルフは鋭い牙の攻撃が強烈だと言われているので、生身で食らっていたら

恐らく肉を食いちぎられたかもしれない。そうじゃなくても重症は確実だ。

バリア様様。リーナ様様だ。


ミサキは右腕を強化すると、ナイフで勢いよくワイルドウルフを突き刺す。


ワイルドウルフは少し痙攣すると、力なくその場に倒れた。


「やっつけたんですか?」


リーナは動かなくなったワイルドウルフを見ながら心配そうに尋ねた。


「……うん、大丈夫そう」


念には念を入れて確認するが、ワイルドウルフはちゃんと息絶えていた。

心配だった新天地での狩りだったけど、この様子ならここでもやっていけそうだ。

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