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2.神様だってルールは守ります

『主、今町外れの草原に召喚させていただきました』


 目の前の広がる草原の景色から突然どこからか、さっきの天使からの声が聞こえる。わざわざ、町外れにしたのは入国審査を受けていないと後々面倒になるからである。神様もルールには従わなければならない。


「テン、どこにいるんだ!?」

『これは念話(テレパシー)ですよ。天界の先程の部屋から念じて話しているだけです。主にも出来るはずです! 私の顔を想像して頭の中で話す感じです!』

『もしもし……こうか?』

『そうです! 何かあれば気軽に連絡してくださいね!』

『こんな草原に転移させられて何をすればいいんだよ』

『ああ、それなら近くにある王国で装備を……あ、主お金持ってませんでしたね』


 草原にある道をたどり王国に徒歩で向かう。


『いや、その前に人と話せるのか』


 突然の疑問に足を止める。だが、間もなくテンによって答えが返ってくる。


『話せますよ、言語は統一されていますし、主には字の読み書きも出来るようになってるので安心してください』

『安心しろって言われてもな……』

『すぐ近くにあるファース王国に行きましょう! 入国審査用のパスポートを作りましたのでそれを見せれば大丈夫ですよ。左のポケットに入っています』


 東馬はまた歩み始めた。しばらく進むと入国審査官の待つ場所に着いた。10mはありそうな壁と壁の間に大きな扉の左右に入国審査官が2人立っている。


「パスポートかファース住民表の提示をお願いします」


 東馬が話しかける前に入国審査官の1人が話しかけてきた。


「パスポートはこれで大丈夫ですか」


 すかさずパスポートを渡して、それを見せる。すると、審査官が笑いだした。


「アハハハハハハッ! 職業神様って……ぶふっ! よく作り込まれてるけど、ダメだよ嘘を書いちゃ! ステータス値もメチャクチャだし! 今回は見逃して上げるから自分の家に帰りな」

『おいっテン! どういうことだ!』

『アハッやっぱりダメでしたかー。では、右ポケットのパスポートを使ってください!』

『アハッてお前……』


 テンに言われた通り右ポケットに手を入れたらもうひとつのパスポートが出てきた。


「すいません、さっきのは間違いです。友人に仕込まれた偽物でした。こっちが本物です」

「おお、どうやらこっちは本物のようだね」


 どうにか誤魔化し、審査官に渡すと次は普通に入国許可がおりた。


「トーマくんか、僕だから良かったけど入国審査で偽物提示した場合は最悪牢屋行きだから気を付けろよ」

「わ、分かりました。次から気を付けます」


 どうやら無事に入国出来たようだ。


『テンお前ええええっ』

『左ポケットに入っていたのは本物ですよ! 右ポケットに入っているのが、万が一の為の精密に作った偽物です。』

『何が万が一だよ! 危うく牢屋行きじゃねえか!』

『ごめんなさい』

『……』


 意外にも、素直に謝ってくれたテンに東馬はこれ以上口出しはしなかった。それとなく2つのパスポートを確認する。


左ポケットのパスポート

職業:神様

年齢:20歳

能力:最上位継承

(任意の相手の能力をコピーしそれを最大までパワーアップさせる子とが出来る。複数可)


右ポケットのパスポート

職業:冒険者

年齢:20歳

能力:なし


顔写真とともに書かれていた内容である。

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